Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 96(2): 199-206 (2024)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960199

特集Special Review

糖鎖の深層理解のための分析技術糖鎖の定量解析技術が果たす役割Analytical techniques for deep understanding of significance of glycan: Roles and responsibilities of quantitative glycan analysis in biochemistry

1近畿大学薬学部創薬科学科Department of Pharmaceutical Sciences, Kindai University ◇ 〒577–8502 大阪府東大阪市小若江3–4–1 ◇ 3–4–1 Kowakae, Higashi-osaka, Osaka 577–8502, Japan

2大阪大谷大学薬学部Faculty of Pharmacy, Osaka Ohtani University ◇ 〒584–8540 大阪府富田林市錦織北3–11–1 ◇ 3–11–1 Nishikiori-kita, Tondabayashi, Osaka 584–8540, Japan

発行日:2024年4月25日Published: April 25, 2024
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ヒトのゲノム解読後,タンパク質や脂質に無限の多様性を与える糖鎖の情報を読み取ろうと,さまざまな糖鎖解析技術が開発されてきた.レクチンアレイやオービトラップ型質量分析装置の登場は,糖鎖研究のメインストリームとして活用され,プロテオミクスとの境界領域に踏み込んだ研究をも加速化させた.一方,既存の技術は時間平均的な糖鎖構造をながめているにすぎない場合が多く,必ずしも糖鎖特有のダイナミクスを把握できているとはいえない.糖鎖研究には,現状の解析技術をもってしてもカバーできていない領域が残されていると予想される.本稿では,これら糖鎖の未知領域に踏み込むための定量的糖鎖解析法として,マイクロチップ電気泳動による高スループット化技術や硫酸化/リン酸化などの糖鎖の二次修飾解析のための技術について紹介する.

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