生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society

鑑往知来~生化学100年の軌跡JBS 100th Anniversary Special Articles

「生化学」誌創刊100周年記念企画開始にあたって

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970001
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日本生化学会の歩みによせて

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970002
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アトモスフィアAtmosphere

オルガネラ研究に魅せられて

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970008
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総説Reviews

多様な集団細胞移動メカニズムが紡ぐ形態形成の世界Parade of cells: A morphogenetic landscape shaped by multiple mechanisms of cell migration

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970012

本稿では,形態形成に関わる多彩な集団細胞移動メカニズムについて解説する.リーダー細胞に先導される移動と,協調により自律的に動く移動の二つのモデルを通じて,細胞集団の秩序と動態の仕組みを紹介し,その生物学的意義を考察する.

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神経回路による組織特異的な炎症性疾患の制御:ゲートウェイ反射を例にRegulation of tissue-specific inflammatory diseases by neural circuits:The case of the gateway reflex

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970025

ゲートウェイ(G)反射は,神経伝達物質と炎症性サイトカインIL-6を介して病態形成を制御する新しい神経系-免疫系クロストーク機構である.本稿では,G 反射機構の概説に加えて神経反射の最近の話題も議論する.

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がん分子標的療法とがん免疫療法に対する耐性獲得機構と克服法の探索Mechanisms of resistance to molecular targeted drugs and immunotherapy for cancer

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970032

進行がんの治療はこの20年間で急速に進歩し,かつて平均生存期間1 年とされた進行がんでも,タイプによっては平均で5年以上の生存期間が期待できる時代となった.しかし薬剤耐性による再発が課題となっており,耐性機構の解明と克服法の発見が喫緊の課題である.

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みにれびゅうMinireviews

ダウン症関連遺伝子DSCAMによる過剰グルタミン酸の除去を介したシナプス形成機構Synaptic formation mechanism via DSCAM-mediated excess glutamate clearance

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970047

脳神経回路のシナプス伝達において,余剰量のグルタミン酸は速やかに回収される必要がある.我々は,神経細胞膜上のDSCAMとグリア細胞膜上のGLASTの相互作用が,余剰グルタミン酸の回収およびシナプス形成に重要であることを見いだした.

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嗅覚と代謝:認知によってつながる関係Olfaction and metabolism: How are they connected?

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970052

お腹がすいたときの「食べ物の匂い」は格別であるが,そのとき,匂いの識別だけでなく代謝機能にもスイッチが入る.脳からの指令で,まもなく始まる食事の代謝に備えるためだ.糖尿病の防止にも関与しており,嗅覚と代謝の連係は,今,注目の分野である.

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光によるPLC活性制御ツールの開発と神経可塑性調節への応用Development of optogenetic tools for controlling PLC activity and their application in modulating neural plasticity

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970057

光遺伝学は,光を使って細胞の活動を制御する技術である.近年,我々は,光でPLC活性を制御する新ツールを開発し,シナプス可塑性や恐怖記憶形成の制御に成功した.これにより,従来困難だった神経可塑性に関わる細胞内シグナルの精密な制御が可能となった.

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ヌクレオチド除去修復のDNA損傷認識を制御するクロマチンダイナミクスChromatin dynamics regulating DNA damage recognition process of nucleotide excision repair

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970061

DNA損傷の効率的な認識を保証するクロマチン構造動態については,いまだ不明な点が多い.本稿は,哺乳類ヌクレオチド除去修復の損傷認識機構を概説した後,著者らが近年発見した,ヒストン修飾を介して損傷認識を補助する新たな分子機構について紹介する.

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哺乳類上皮細胞によるがん変異細胞の認識と排除Mammalian epithelial cells recognize and eliminate transformed cells

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970066

上皮細胞は隣り合った細胞のMHC-I を認識することで異常な細胞を排除することがわかってきた.本稿では,これまで哺乳類細胞競合現象で見いだされてきた上皮細胞による異常細胞の排除機構,特に正常‒がん変異細胞間の相互作用について概説する.

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ゴルジ体は小さいユニットから構成され,糖鎖合成酵素はユニットの辺縁を動き回るThe Golgi apparatus is composed of small units and glycosylation enzymes move around the edge of the units

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970071

我々はCas9を用いたタグのノックインによって生理的な発現状態でゴルジ体と糖鎖合成酵素の局在を解析し,ゴルジ体が直径1~3 μmのダイナミックに変形するユニットからなり,ユニットの辺縁を小さいゾーンを形成した酵素が動き回ることを明らかにした.

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深海微生物のメタゲノム解析が切り拓く未知の酵素の世界~β-GalNAcに作用する新規酵素群の分子進化の歴史をひもとく~Unveiling the molecular history of β-N-acetylgalactosamine-targeting glycosidases

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970076

いまだ研究の進んでいない深海環境のメタゲノム情報を用いてβ-GalNAcに作用する酵素を探索したところ,既知酵素と配列類似性のない4系統の酵素群を発見した.これらの酵素群の網羅的なX線結晶構造解析から,β-GalNAcに作用する酵素の分子進化を考察したので紹介する.

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哺乳動物細胞のゴルジ体における糖転移酵素の詳細な分布とその局在機構Detailed distribution of glycosyltransferases in the Golgi apparatus of manmalian cells and analysis of their localization mechanisms

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970081

ゴルジ体内の糖転移酵素は,異なる槽やサブ領域に分布し,糖鎖修飾を担っている.本稿では,糖転移酵素のゴルジ体における局在およびその局在メカニズムに関して,最近の筆者らの知見を含めて紹介する.

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翻訳後修飾酵素から植物の分泌型ペプチド・タンパク質の機能を探るExploring the functions of plant secreted peptides and proteins through post-translational modification enzymes

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970086

植物の分泌型ペプチド・タンパク質はしばしば機能的冗長性が高い遺伝子ファミリーを形成しており,逆遺伝学的解析を困難にしている.一方,それらの翻訳後修飾が機能に必須であることに着目すると,修飾酵素変異株の表現型変化を手がかりにした機能探索が可能となる.

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RING-CH型ユビキチンリガーゼMARC-3の解析からみえてきた早期多精拒否機構Analysis of RING-CH type ubiquitin ligase MARC-3 reveals a mechanism for the fast polyspermy block

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2025.970091

線虫C. elegansを用いた研究から,これまで謎であった体内受精する動物の早期多精拒否機構にRING-CH型ユビキチンリガーゼMARC-3を介したユビキチン化機構が関与することが明らかとなってきた.

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