生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society

追悼Obituary

田中啓二先生を偲んで

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.96.5.i
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アトモスフィアAtmosphere

いい匂いがする学問空間

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960625
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総説Reviews

酵母におけるアミノ酸の代謝調節機構・生理機能の解析および発酵・醸造への応用Analysis of metabolic regulation mechanisms and physiological functions of amino acids in yeast and their application to fermentation and brewing

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960629

アミノ酸はタンパク質の構成成分,栄養素やエネルギー源,呈味性だけでなく,細胞内で多彩な生理機能を担っている.本稿では,基礎・応用研究の両面で重要な酵母におけるアミノ酸の代謝調節機構と生理機能,産業応用に関して,筆者らの研究を中心に概説する.

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ミトコンドリアを標的とした分子送達技術の開発および細胞治療への展開Development of delivery technology for targeting mitochondria and approaches to cell therapy applications

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960644

ミトコンドリアは生命維持に必要不可欠な役割を担っており,ミトコンドリアの機能異常は,がん,虚血性疾患,神経変性疾患,代謝異常症,ミトコンドリア遺伝病など種々の疾患を誘発する.そのため,ミトコンドリアを標的とした分子送達技術(drug delivery system:DDS)は,医療・ライフサイエンス分野の発展に大きく貢献すると期待されている.本稿では,著者らが創製したミトコンドリアDDSである“MITO-Porter”,および本DDSを活用した細胞治療に関する研究を中心に紹介する.

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「オルガネラ接触場の新たな機能」~MERCsを介した物質輸送とミトコンドリア制御機構に注目して~Novel function of mitochondria-ER contact sites (MERCs)

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960652

ミトコンドリアと小胞体の接触領域(mitochondria-ER contact sites:MERCs)は両オルガネラの機能調節のみならずさまざまな情報発信の足場として細胞全体の機能を調節することがわかってきた.本稿では小胞体からミトコンドリアへの鉄供給機構を中心に最新のMERCsの役割を紹介する.

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プロテインキナーゼCK2の核内分子機能Molecular function of protein kinase CK2 in the nucleus

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960662

リン酸化反応は生物機能の根幹となるシグナルを担っており,それを担うプロテインキナーゼは各種疾患においても責任酵素として同定されてきた.本稿ではセリン/トレオニンキナーゼの一つCK2(遺伝子名CSNK2)を取り上げ,生理的およびがん病態と関連する機能について,核内局在との関連も併せ紹介する.

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みにれびゅうMinireviews

E3ユビキチンリガーゼによる神経コンパートメント除去の時空間制御メカニズムE3 ligases in spatiotemporal regulation of developmental neuronal remodeling

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960676

生後発達の過程において,神経回路はダイナミックに再編されることにより機能的な情報処理回路へと成熟する.本稿では,多様なE3ユビキチンリガーゼによる神経回路再編の時空間制御メカニズムについて紹介する.

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HIV-1 Gagによる細胞膜脂質ドメインの再編成Reorganization of plasma membrane lipid domains by HIV-1 Gag

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960680

ヒト免疫不全症ウイルスI型(HIV-1)の被膜は,宿主細胞膜と比べて特定の脂質が濃縮されている.この濃縮機構を解明するために,細胞膜上でのウイルスタンパク質と宿主脂質の相互作用を,特異的脂質プローブとさまざまな顕微鏡法を用いて定量的に解析した.

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多機能分子p62とNBR1の液–液相分離を介した新規がん転移抑制機構Novel inhibitory mechanisms of cancer cell metastasis through liquid–liquid phase separation of p62 and NBR1

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960685

リソソームストレスは,多機能分子p62とNBR1の液‒液相分離を介したp62/NBR1液滴の形成を引き起こす.興味深いことに,リソソームストレス誘導性p62/NBR1液滴は,細胞の運動能を強力に制限することでがん細胞の遠隔転移を抑制する.

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黄麹菌由来キシログルカン分解酵素の機能と構造Function and structure of xyloglucan degrading enzyme

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960690

微生物は植物の多糖類に適応したさまざまな酵素を駆使して植物の多糖類を分解している.本稿では,陸上植物の細胞壁を構成する多糖類であるキシログルカンの分解に関わる酵素の機能と構造に焦点を当てる.

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生体における膜輸送体の機能を明らかにする「多階層的アプローチ」A “Multi-hierarchical Approach” to elucidate the functions of membrane transport proteins in living organisms

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960695

トランスポーターなどの膜輸送体は,その重要性にもかかわらず必ずしも研究が進んでいない.我々は生体から分子までの各階層をマルチオミクスや再構成系で解析し,輸送基質を軸として階層間をつなげることで,膜輸送体の生体内における機能を明らかにすることを目指した.

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代謝酵素の基質認識に寄与するアミノ酸残基の推定と機能創出Estimation and function creation of amino acid residues contributing to substrate recognition in metabolic enzymes

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960701

本稿では,代謝酵素の基質特異性を変えるためのアプローチとして,シミュレーションや機械学習を利用した最新の手法を紹介する.これにより,酵素の大規模な配列空間から有効な箇所を集中的に探索することや基質ポケットのリモデリングが可能となっている.

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ミトコンドリア損傷によるミトコンドリアDNAの漏出と炎症性疾患Mitochondrial damage-induced mitochondrial DNA leakage and inflammatory diseases

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960706

細胞内外へ漏出したmtDNAは炎症を強く誘導し,ヒト炎症性疾患の病態形成に関与することが明らかにされつつある.本稿では,ミトコンドリア傷害により漏出したmtDNAによる炎症誘導機構とヒト疾患との関連について,筆者らの研究を含めて紹介する.

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テクニカルノートTechnical note

神経ホルモン物質オキシトシンを可視化する蛍光センサーの開発A fluorescent sensor for real-time measurement of extracellular oxytocin dynamics in the brain

doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960711

筆者は最近,「幸せホルモン」オキシトシンを高感度に感知できる遺伝子コード型蛍 光センサーMTRIAOTの開発に成功した.本稿ではMTRIAOTの開発ストラテジーとin vivo計測への応用例について紹介する.

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