Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 96(2): 255-268 (2024)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960255

総説Review

電位依存性ホスホイノシチドホスファターゼVSP発見から約20年を経てVoltage sensing phosphatase: Mechanisms, biological roles and engineering

大阪大学大学院医学系研究科Graduate School of Medicine, Osaka University ◇ 〒565–0871 大阪府吹田市山田丘2–2 ◇ Yamada oka 2–2, Suita, Osaka 565–0871, Japan

発行日:2024年4月25日Published: April 25, 2024
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電位依存性ホスファターゼ(voltage-sensing phosphatase:VSP)は,膜電位変化を感知し,細胞質領域であるホスホイノシチドホスファターゼを活性化する.単一タンパク質分子で電気化学連関を起こすユニークな分子である.その動作原理や生物機能の解明には,その分子の特徴から,生化学と生理学の両面でアプローチすることはもちろん,両者を融合させた新しい解析手段が求められてきた.また分子を取り出して利用することで思いもしない有用性が認識されるようになった.約20年前にゲノム情報から偶然見いだされたVSPの研究を振り返り,多階層にわたる解析によりみえてきた新しい仕組みや今後の研究の展望について述べる.

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