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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
SEIKAGAKU: Journal of Japanese Biochemical Society 87(1): 22-26 (2015)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870022

特集「核‒細胞質間分子輸送システム:基本分子メカニズムの理解とその応用」Special Review

老化と核–細胞質間輸送制御Aging and the regulation of nucleo–cytoplasmic transport

独立行政法人医薬基盤研究所創薬基盤研究部細胞核輸送ダイナミクスプロジェクトLaboratory of Nuclear Transport Dynamics, Department of Fundamental Research, National Institute of Biomedical Innovation ◇ 〒567-0085 大阪府茨木市彩都あさぎ7-6-87-6-8 Saito-Asagi, Ibaraki-shi, Osaka 567-0085, Japan

発行日:2015年2月25日Published: February 25, 2015
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生物が生きていく上で「老化」という現象は,避けて通れない,主に細胞機能低下を呈する生体の生理的な変化である.「細胞老化」という概念をHayflickが提唱して以来,老化制御に関わるシグナル伝達系や制御因子の同定など数多くの研究成果があげられており,老化の分子メカニズムが次第に明らかになってきた.

一方,近年,核–細胞質間の物質輸送制御が老化と関連していることを示唆する報告が増えている.しかしながら,両者がどのように関わっているか,現在のところ明確な見解は得られていない.本稿では,最近の知見を中心に,老化でみられる核–細胞質間輸送制御の異常を紹介するとともに,核–細胞質間輸送の視点から老化の分子メカニズムを捉えてみたい.

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