mRNA核外輸送複合体の形成機構
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発行日:2015年2月25日
メッセンジャーRNA(mRNA)の核外輸送は,真核生物の遺伝子発現における必須のプロセスである.mRNAは,特異的な核外輸送受容体により,核膜孔を介して細胞質へ輸送される.mRNA核外輸送受容体は,転写やプロセシング反応に伴ってmRNAに結合するアダプタータンパク質群とのタンパク質–タンパク質相互作用を介して,“積み荷”であるmRNAを認識する.そのため,mRNAの核外輸送は,核内におけるmRNAの成熟過程とも緊密に共役する.成熟過程と共役したmRNA核外輸送機構は,機能的なmRNAのみを細胞質の翻訳装置に供給し,遺伝子発現の正確性を保証する分子機構の一つとしても重要である.本稿では,mRNA核外輸送の分子機構,中でも,転写やプロセシング過程と共役したmRNA核外輸送複合体形成機構について,現在までの知見を紹介する.
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