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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 87(5): 547-553 (2015)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870547

特集Special Review

受容体型チロシンホスファターゼの機能と病態R3サブタイプチロシンホスファターゼを中心にFunctional role of R3-subtype protein tyrosine phosphatases and their implication in human diseases

神戸大学大学院医学研究科Graduate School of Medicine, Kobe University ◇ 〒650-0017 兵庫県神戸市中央区楠町七丁目5番1号Kusunoki-cho 7-5-1, Chuo-ku, Kobe-shi, Hyogo 650-0017, Japan

発行日:2015年10月25日Published: October 25, 2015
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受容体型チロシンホスファターゼ(RPTP)は細胞外領域のアミノ酸配列の類似性から八つのサブタイプに分類される.R3サブタイプには五つのチロシンホスファターゼ(PTP)が属し,この五つのPTPの多くは組織特異的な発現様式を示す.これまでに,遺伝子改変マウスを用いた解析などから,各々のR3サブタイプPTPの生理機能やその作用機構が明らかとなってきた.さらに,最近,ゲノムワイド関連解析をはじめとするヒトゲノム解析により,これらPTPの遺伝子の変異や一塩基多型ががん,認知症,血小板減少症などの疾患と密接に関連することがわかってきた.また,R3サブタイプPTPのチロシンホスファターゼ活性を制御しうる薬剤が,がんをはじめとするヒト疾患の治療薬につながる可能性も示されつつある.

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