組織再生を担う腸管幹細胞の維持と機能
東京医科歯科大学難治疾患研究所生体防御学分野 ◇ 〒113–8510 文京区湯島1–5–45
発行日:2021年8月25日
組織幹細胞は,各組織に存在し,すべての組織構成細胞を供給する能力を持った希少な細胞集団である.同細胞は,一般的に非常にゆっくり細胞分裂をする,またはほとんど細胞分裂をしない長寿命の細胞と考えられてきたが,腸管上皮組織の活発なターンオーバーは,それらとは異なり,長寿命でありながら活発に細胞分裂する,腸管上皮に特有の組織幹細胞(intestinal stem cell:ISC)によって担われている.本稿では,最新の技術を用いて明らかとなってきた,生理的,あるいは腸管上皮損傷時において,このISCの機能や性質が維持されるメカニズムを,著者ら独自の研究成果を含め紹介する.
© 2021 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2021-07-01T14:21:06.401+09:00
This page was last modified on 2021-08-11T13:36:58.000+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。