多様なエンジニアリング戦略によって広がる人工mRNAの可能性
1 京都大学iPS細胞研究所 ◇ 〒606–8507 京都府京都市左京区聖護院川原町53
2 東京大学定量生命科学研究所 ◇ 〒113–0032 東京都文京区弥生1–1–1
発行日:2024年12月25日
新型コロナウイルスワクチンの実用化により人工mRNAが大きな注目を集めている.設計が容易でゲノムに組み込まれる恐れがないなど,多くの利点を持つ人工mRNAは,感染症に対するワクチンのみならず,がんワクチンや遺伝子治療,再生医療など幅広い分野での利用が期待されている.しかし,安定性の低さやタンパク質発現強度の不足といった解決すべき課題も依然として多く存在する.現在,それらの問題に対応するため,さまざまなアプローチによる人工mRNAの改変が研究されている.最近では,環状や分岐状といった,天然のmRNAとは異なる構造を持つ人工mRNAも登場している.本稿では,こうした多様な人工mRNAエンジニアリングの現状を概観する.
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