Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 98(2): 211-219 (2026)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980211

特集Special Review

キイロショウジョウバエ概日時計を構成する神経ネットワークThe neural network underlying the circadian clock of Drosophila melanogaster

岡山大学環境生命自然科学研究科Graduate School of Environmental, Life, Natural Science and Technology, Okayama University ◇ 〒700–8530 岡山県岡山市北区津島中三丁目1–1 ◇ 3–1–1 Tsushima-Naka, Kita-ku, Okayama 700–8530, Japan

発行日:2026年4月25日Published: April 25, 2026
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1971年に,概日時計を制御する時計遺伝子periodがキイロショウジョウバエで発見された.その後,キイロショウジョウバエは,概日時計の遺伝学的モデル生物として用いられてきたが,遺伝学的手法の発展に伴い,神経科学的モデルとしても重要な研究材料になっている.2~3 mmほどの体にある,600 µmほどの脳は,容易に解剖可能であり,顕微鏡での全脳観察に適している.キイロショウジョウバエの脳は約14万個の神経細胞で構成されているが,現在,その中の約240個の脳神経細胞が,行動リズムを制御する概日時計細胞であると考えられている.本稿では,時間生物学の歴史をひも解きながら,キイロショウジョウバエにおける時計神経細胞ネットワークの最新の動向を紹介する.

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