Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 98(4): 554-562 (2026)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980554

特集Special Review

神経疾患とガングリオシド: 分子機構から臨床応用までGangliosides in neurological disorders: From molecular mechanisms to clinical applications

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発行日:2026年8月25日Published: August 25, 2026
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酸性スフィンゴ糖脂質,ガングリオシドは,脊椎動物の神経系に高発現する.特に中枢神経系では,発生段階や細胞種でガングリオシド組成が厳密に制御されており,その制御の破綻は,神経機能障害や神経変性を引き起こすことが知られている.これまでのガングリオシド研究により,糖転移酵素遺伝子・糖鎖分解酵素遺伝子の同定や遺伝子改変マウスを用いた機能解析によって分子機構が明らかになった.さらに,ガングリオシドの合成や分解に関わる遺伝子異常が,ヒト遺伝病に関与することが明らかになったことで,臨床応用への展望が得られてきた.そこで本稿では,ガングリオシドと神経機能の基礎から,動物モデルによる機能解析,ヒトにおける欠損症および蓄積症,さらに遺伝子治療への展開までを俯瞰し,ガングリオシド研究が神経疾患の理解と治療開発のための基盤情報の形成に果たしてきた役割と今後の展望について報告したい.

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