Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 98(4): 584-594 (2026)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2026.980584

総説Review

コラーゲン最もありふれた生体分子に潜む複雑な生化学Collagen: Complex biochemistry hidden in the most ubiquitous biomolecule

カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部眼科Department of Ophthalmology, University of California, San Francisco, School of Medicine ◇ 555 Mission Bay Blvd South, Room 252B, San Francisco, California 94158, USA ◇ 555 Mission Bay Blvd South, Room 252B, San Francisco, California 94158, USA

発行日:2026年8月25日Published: August 25, 2026
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コラーゲンは最も豊富な構造タンパク質として広く認識されているが,その生合成は翻訳後修飾,鎖選択,三量体形成,品質管理,分泌といった複数の過程が高度に統合された例外的なシステムである.本稿では,ビタミンCや翻訳後修飾,鎖組成に関する典型的な誤解を整理し,コラーゲン理解の焦点を「静的な構造」から「動的なプロセス」へ再定義する.さらに,その理解の枠組みとしてmolecular ensembleという概念を提案し,コラーゲン生物学の本質が分子間の協調と動態にあることを示す.この視点は,コラーゲン工学を単なる構造設計ではなく生合成過程の設計として捉え直すものである.さらに,研究を個人の内発的動機に基づく「遊び」や,師弟の系譜や対話から紡がれる「文化」として捉え直し,未知の例外と可能性に満ちたこのシステムを「ともに探究する対象」として捉える新たな視点を提示する.

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