Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 87(1): 7-15 (2015)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870007

特集「核‒細胞質間分子輸送システム:基本分子メカニズムの理解とその応用」Special Review

インポーティンβファミリータンパク質が媒介する核–細胞質間輸送Nucleocytoplasmic transport mediated by importin-β family members

独立行政法人理化学研究所今本細胞核機能研究室Cellular Dynamics Laboratory, RIKEN ◇ 〒351-0198 埼玉県和光市広沢2-12-1 Hirosawa, Wako-shi, Saitama 351-0198, Japan

発行日:2015年2月25日Published: February 25, 2015
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核あるいは細胞質で機能するタンパク質やRNAの選択は,細胞分化や環境応答などの細胞活動を大きく決定する.ヒトに20種,出芽酵母に14種存在するインポーティンβファミリー輸送因子は,核–細胞質間に並列な輸送経路を構成し,それぞれ特定のグループのタンパク質やRNAを分担して運搬している.さまざまな細胞活動の中で,輸送因子の発現制御や修飾,阻害因子の結合などにより輸送が調節され,特定のタンパク質やRNAの核–細胞質間局在の変化によりさまざまな細胞内反応が誘導される.また,輸送経路の実験的な阻害による細胞活動への影響は多様であり,個々の輸送経路はそれぞれ異なる細胞過程に関与している.そして,核–細胞質間輸送の異常は疾患の発症と相関する.生命現象における核–細胞質間輸送の調節の重要性が注目され始めた.

1. インポーティンβファミリー

タンパク質やRNAの核–細胞質間局在は,細胞の活動に大きく影響する.間期の細胞では,タンパク質とRNAは核膜上の核膜孔を通過して核–細胞質間を移動する.核膜孔を単独で通過するタンパク質は低分子量のものなどごく一部に限られ,多くのタンパク質とRNAは,輸送因子に運搬される輸送基質として核膜孔を通過する.最も一般的な核–細胞質間輸送因子であるインポーティンβ(importin-β,またはkaryopherin-βともいう)ファミリータンパク質は,大半の核タンパク質と一部のRNAの輸送を担う1).インポーティンβファミリー輸送因子の数は生物種によって異なり,ヒトでは20種類,出芽酵母では14種類である.これらは,細胞質から核への輸送を担う核内輸送因子,核から細胞質への輸送を担う核外輸送因子,そして両方向性輸送因子に分類される(表1).インポーティンβファミリー輸送因子と輸送基質の結合には特異性があり,個々の輸送因子は特定のグループのタンパク質やRNAを輸送する1,2).したがって,インポーティンβファミリー輸送因子は核–細胞質間に並列な輸送経路を構成して,タンパク質とRNAの輸送を分担している(図1).インポーティンと呼ばれるタンパク質にはもう一つ,インポーティンα(importin-α,またはkaryopherin-α)ファミリーが存在する.ヒトは7種類(インポーティンα1~7),出芽酵母は1種類(Kap60p)のインポーティンαを持ち,原則としてこれらはインポーティンβが輸送基質と結合する際のアダプターとして働く3).インポーティンβファミリータンパク質は輸送以外にも多くの機能を持つが,核–細胞質間輸送を本題とする本稿ではふれない.

表1 ヒトと出芽酵母のインポーティンβファミリー輸送因子
ヒト(20種)出芽酵母(14種)
核内輸送因子インポーティンβ/インポーティンβ1Kap95p
トランスポーティン/トランスポーティン1/インポーティンβ2Kap104p
トランスポーティン2/インポーティンβ2b
インポーティン4/インポーティン4b/RanBP4Kap123p/Yrb4p
RanBP5/インポーティンβ3/インポーティン5Pse1p/Kap121p
インポーティン7Nmd5p/Kap119p
インポーティン8Sxm1p/Kap108p
インポーティン9Kap114p
インポーティン11Kap120p
トランスポーティンSR/トランスポーティン3/インポーティン12Mtr10p/Kap111p
核外輸送因子CRM1/エクスポーティン1Crm1p/Xpo1p/Kap124p
CAS/CSE1L/エクスポーティン2Cse1p/Kap109p
エクスポーティン5Msn5p/Ste21p/Kap142p
エクスポーティン6
エクスポーティン7
エクスポーティンtLos1p
RanBP17
両方向性輸送因子インポーティン13Pdr6p/Kap122p*
(核内輸送因子)
エクスポーティン4
不明RanBP6
インポーティンはkaryopherinとも表記される.文献中に頻繁にみられる異名を列挙した.本稿では先頭のものを使用している.* ヒトインポーティン13との相同性は低い.
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図1 インポーティンβファミリーが構成する核–細胞質間輸送経路

輸送因子は特定グループのタンパク質やRNAの並列かつ一部重複した輸送経路を構成する.

2. 輸送の基本原理

インポーティンβファミリーによる輸送の基本原理はすでにほぼ解明されている.その解明の過程はGörlichとKutayの4),構造的基盤はCookらの総説5)に詳しい.本特集他稿との重複を避け,ここでは最小限の説明にとどめたい(図2).核膜孔は多数のヌクレオポリンタンパク質で構成される核膜孔複合体を貫通する通路である1).核膜孔は選択的バリアーを構成しており,本来これを通過できないタンパク質やRNAも輸送因子と結合すれば通過できる.輸送因子は核–細胞質間を往復しながら,輸送基質との結合と解離を繰り返して輸送基質を一方向へ運搬する.核膜孔の通過自体は一種の拡散反応であるが6),輸送因子と輸送基質の結合と解離を含む反復的な輸送反応は低分子量Gタンパク質RanによるGTP加水分解のエネルギーに依存する7).RanにはGTP結合型(RanGTP)とGDP結合型(RanGDP)があり,RanGTPはインポーティンβファミリー輸送因子と強く結合してそのコンホメーション変化を誘導する8).間期の細胞では,RanのGTPase活性を促進するRanGAP1(Ran GTPase activating protein 1)とRanBP1(Ran binding protein 1)が細胞質に局在するため9–12),細胞質にはRanGDPが多く,RanGDPをRanGTPに変換するRanGEF(Ran guanine nucleotide exchange factor)であるRCC1が核に局在するため13),核にはRanGTPが多い.核内輸送因子は細胞質で輸送基質と結合し,核内へ移行後,RanGTPの結合により輸送基質と解離する14).生じた輸送因子/RanGTP複合体は核外へ移行後15),RanGAP1/RanBP1の働きで解離し,GTPは加水分解される16,17).核外輸送因子は核内で輸送基質,RanGTPと三者複合体を構成し18),核外へ移行後,同様にRanGAP1/RanBP1の働きで解離する16,19).両方向性輸送因子は輸送基質に応じてどちらかの経路をたどる.いずれの経路でも細胞質に放出されるRanGDPは,輸送因子NTF2により核内へ戻される20,21)

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図2 輸送の基本メカニズム

(上)核内輸送.(A)輸送因子は細胞質で輸送基質と結合し,(B)核内でRanGTPとの結合に伴い輸送基質と解離する.(C)細胞質でRanGTPはRanGAP1,RanBP1の働きで輸送因子から解離するとともにRanGDPとなる.(下)核外輸送.(D)核内で輸送因子,輸送基質,RanGTPの複合体が構成され,(E)細胞質でRanGAP1,RanBP1の働きで複合体が解離するとともにRanGTPはRanGDPとなる.

3. 輸送基質の特異性

インポーティンβファミリー輸送因子は数千種のタンパク質の輸送を分担すると予想されるが,現在のところ,個々の輸送因子が担当する輸送基質の報告数は少ない.筆者のみる限り報告のある特異的基質の数は,インポーティンαと結合するものが300以上,直接インポーティンβと結合するものが約100,CRM1(chromosome region maintenance 1)/エクスポーティン1で約200,トランスポーティン(transportin)で約50であり,その他の輸送因子については皆無から十数種類である.多くの輸送基質は複数の輸送因子に輸送されることを考慮すると,これは全体の数%にすぎない.輸送基質の具体例についてはChookとSüelの総説2)を参照されたい.輸送基質タンパク質には核外移行シグナル(nuclear export signal: NES)や核内移行シグナル(nuclear localization signal: NLS)と呼ばれる部分構造があり,輸送因子はこれを認識して結合する.同一輸送因子に結合する輸送基質は共通のNESやNLSを持つと考えられるが,現在,特異的なNESやNLSの構造が解明された輸送因子は少ない.また,NES,NLSともアミノ酸配列のみからの断定はできない.第一には,共通構造決定に十分な数の輸送基質が知られていないためである.NESの共通構造は唯一CRM1に特異的なものが知られ,ロイシンに富む短い領域である22).一方,NLSではクラシカルNLS(cNLS)がよく知られる.これはインポーティンαを介してインポーティンβと結合する輸送基質にみられるリシン,アルギニンに富む短い領域であり,単一型と二分型がある23,24).cNLSを持つ輸送基質にはリン酸化によりインポーティンαとの結合が制御されるものがある25,26).核内タンパク質の調節メカニズムとして,その核内濃度の調節に加え,近年,リン酸化/脱リン酸化の制御による急激な核への流入と退出の時間頻度27)や回数28)の調節が重要視されている.トランスポーティンとトランスポーティン2の輸送基質の相当数はPY-NLSと呼ばれる塩基性または疎水性領域とプロリン–チロシンのジペプチドで構成されるNLSを持つ29,30).輸送基質には,cNLSとPY-NLSの両方を持ち,インポーティンβとトランスポーティンの両方で運搬されるものもある31).また,BIB(β-like importin binding)ドメインと呼ばれるリシン,アルギニンに富むが共通配列が未確定なNLSを持つ輸送基質は,インポーティンβとトランスポーティンを含む複数の輸送因子に運搬される(図331,32).このように,輸送経路は単に並列ではなく,互いに交差しており,複雑で精妙な調節メカニズムの存在が予想される.

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図3 核移行シグナルの使い分け

cNLS,BIB,PY-NLSの3種の核移行シグナルは,結合する輸送因子の特異性により輸送経路を交差させている.cNLS,PY-NLSの両方を持つタンパク質もある.

4. 輸送の調節

インポーティンβファミリーが構成する輸送経路はさまざまな調節を受ける.特定の輸送経路の活性化や阻害は,輸送基質の局在変化を介して細胞の生理反応を誘導する.近年,この過程の研究報告が相次ぎ,輸送因子による細胞制御機構が一つずつ解明され始めた.

1)発現量

インポーティンβファミリー輸送因子の発現量は組織および時期特異的に調節されている.インポーティンβファミリー発現のヒトでの組織特異性やマウス胚発生における経時変化33),マウス精子形成における経時変化34),シロイヌナズナでの組織特異性や環境応答性35)など,発現変動の報告は多い36).特定の輸送因子の発現変動と具体的な輸送基質の局在変化や細胞反応を結びつけた研究には,以下のような例がある.

前立腺がん由来の細胞を2′-ベンゾイルオキシシンナムアルデヒドで処理すると,活性酸素の発生に伴いインポーティン7と転写因子Egr1の発現が誘導され,Egr1はインポーティン7により核内に運搬されてアポトーシス関連遺伝子の転写を活性化する37)

大腸がん細胞内でインポーティン7が不足すると,その輸送基質である特定のリボソームタンパク質の核内への移行が減少し,余剰となったほかのリボソームタンパク質がp53抑制因子Mdm2と結合するためp53が活性化され,インポーティン7と完成リボソームを核外へ運搬するCRM1の発現が抑制される38)

マウスでは雌雄とも原始生殖細胞,特にパキテン期にインポーティン13の発現上昇がみられる.胎仔卵巣でインポーティン13の発現を抑制すると,輸送基質であるユビキチン結合酵素9(UBC9)の核局在が減少し,後期パキテン期へと進む卵母細胞が減少する39)

T細胞の抗原刺激による活性化や胎仔線維芽細胞の細胞周期エントリーの過程では,microRNA前駆体(pre-miRNA)の核外への輸送を担うエクスポーティン5の発現が上昇し,同時に全体的なmiRNAの増加がみられる.このときエクスポーティン5の発現を抑制するとmiRNA誘導と細胞増殖が阻害される40)

マウス胚幹細胞の分化誘導過程では,インポーティンβファミリー輸送因子の発現変動がみられ,この過程でインポーティン7,エクスポーティン4,エクスポーティン7,RanBP17の各々を発現抑制すると,多能性マーカーの発現や神経外胚葉,内胚葉系中胚葉への分化にそれぞれ異なる影響がみられる41)

マウス神経細胞ではインポーティンβ mRNAの特定アイソフォームが軸索に局在している.軸索損傷時にはこれが局所的に翻訳され,インポーティンβによる未同定の基質の輸送により細胞核へシグナルが伝達される42)

輸送因子の安定性制御機構の存在も示唆されている.エクスポーティン5は,miRNAの一つmiR-138の標的であるRMND5Aの相互作用により安定化されている.細胞がmiR-138を高発現する条件は不明だが,その強制発現によりエクスポーティン5は減少する43)

2)修飾

インポーティンβファミリー輸送因子は化学的な修飾によっても制御される.活性窒素種が増加するニトロソ化ストレス時の哺乳類細胞では,一酸化窒素によりCRM1のCys528がニトロシル化され,核外輸送阻害のため転写因子Nrf2が核内に蓄積し,一酸化窒素からの細胞保護機能を持つ遺伝子の転写が活性化される44).また,生理的な修飾条件は不明であるが,CRM1のCys528にはプロスタグランジンも結合し,輸送を阻害する45)

出芽酵母では,RanGTPによるKap114pからの輸送基質の解離誘導にKap114pのSUMO化が必要である46)

3)阻害因子

輸送因子への結合により輸送を阻害する因子も知られている.抗がん剤エトポシドで誘導されるアポトーシス促進因子Ei24は,インポーティンβ/インポーティンα2に特異的に結合して輸送を阻害する47).輸送基質の断片が阻害因子として働く例もある.細胞質でmRNAを安定化するHuRは,未分化の筋細胞ではトランスポーティン2に運搬されて核に局在する.筋分化の過程では,カスパーゼが活性化されHuRを切断し,生じた断片はトランスポーティン2に結合して輸送を阻害する.その結果,完全長HuRは細胞質に蓄積され,筋分化を制御する因子MyoDとミオジェニンのmRNAを安定化する48).抗がん作用もある抗生物質スタウロスポリンに誘導されるHeLa細胞のアポトーシスの過程でも同様の機構でHuRの核移行が阻害される49)

4)その他

核膜孔複合体を構成するヌクレオポリンの修飾により特定の輸送経路が阻害される例も知られる.出芽酵母ヌクレオポリンの一つNup53pは分裂期にリン酸化され,同時に核膜孔複合体の構造が変化する.これにより,Nup53pがPse1pと強く結合し,その輸送を阻害するが,ほかの輸送因子は影響されない50,51).HeLa細胞では,酸化ストレス時にNup62を含むいくつかのヌクレオポリンがリン酸化とO結合型N-アセチルグルコサミン修飾を受け,これによりCRM1による輸送が阻害される52)

核–細胞質間のRanGTP濃度勾配の変化の輸送への影響は,輸送因子により異なる.細胞老化の過程で核内のRanGTP濃度が低下したとき,特にエクスポーティン6の輸送基質であるアクチンの核内蓄積が認められる53)N-メチルアスパラギン酸で刺激された神経細胞では,RanBP1の発現が上昇し細胞質のRanGTPがRanGDPに変換される.このときRanBP5による輸送が促進され,細胞質で特定RNAの翻訳を阻害し核では特定遺伝子の転写を抑制するCPEB3が核内移行する54)

環境に依存した輸送因子–輸送基質間の共有結合形成による輸送の制御も知られる.高活性酸素種濃度下のヒト細胞では,酸化還元シグナル伝達において抗酸化システムを活性化する転写因子FOXO4が,トランスポーティンとジスルフィド結合を形成し,それにより核内へ輸送される.FOXO4の線虫相同体DAF16も同様の機構で運搬される55)

意外にも輸送因子がタンパク質に結合して輸送を阻害する例がある.インポーティン7はアンドロゲン不在下でアンドロゲン受容体と結合し,細胞質に局在させる.アンドロゲン受容体はアンドロゲン結合によりインポーティン7と解離して,インポーティンβ/インポーティンαにより核内へ運搬される56).また,インポーティンαは,上皮間葉移行に関わる転写因子Snailを細胞質に繋留する.インポーティンβが,インポーティンαと競合的にSnailと直接結合し,Snailを核内へ輸送する57)

5. 輸送経路の生理的機能

それぞれの輸送経路が関わる生理機能は,輸送因子の発現抑制や変異導入の実験でも解明されている.それらの報告では,輸送経路の調節機構については不明な例が多いが,表現型の原因となる輸送基質が特定された例もある.実験結果は多彩ながら報告数はいまだ限られており,現状では体系的に整理することは難しいため,生物種ごとに主な研究例を紹介する.

1)哺乳類

哺乳類では特定条件下で発現上昇する輸送因子の発現抑制実験により,その機能が解明された例が多く,それらは4-1)節に紹介した.それ以外にも輸送経路の生理的機能は報告されている.哺乳類ではアクチンがインポーティン9により核内へ輸送される.核内アクチンは転写調節などの核内機能に関与し,インポーティン9の発現抑制によりRNA合成が低下する58).エクスポーティンtはtRNAの核外への輸送を介して飢餓ストレスへの応答に関与する.ヒト線維芽細胞でエクスポーティンtを発現抑制すると,tRNAの核内蓄積と同時にタンパク質合成を制御するmTORC1の活性が低下し,オートファジーも誘導される59)

2)出芽酵母

Kap95p,Msn5p,Pse1pは,分裂期に出芽部位に形成されるセプチンリングの構成因子のSUMO化を介して細胞分裂の制御に関与している.分裂後期までに起こるSUMO化に必要なE3リガーゼSiz1pは,間期にはKap95pの働きで核に,M期にはMsn5pの働きで細胞質に局在する.また,細胞質分裂時の脱SUMO化に必要なイソペプチダーゼUlp1pは,間期にはKap95p/Kap60pの二量体とPse1pにより核膜孔複合体に繋留され,細胞質分裂時に細胞質に放出される60)

Kap123pは紡錘極体の核膜内側への固定に必要なNbp1pの核内への輸送を介して細胞骨格の制御に関与する.kap123欠損株では,Nbp1pは細胞周辺部に局在する61)

Pse1pは転写因子Ste12pの核内移行を媒介し,pse1変異株ではSte12pに依存した転写が阻害され,一倍体細胞の接合と二倍体細胞の仮性菌糸状浸潤性細胞への分化に異常がみられる62)

哺乳類エクスポーティン5と異なり酵母相同因子であるMsn5pは,タンパク質の両方向性輸送因子である63)と同時にtRNAの核外輸送因子である64).Msn5pによるサイクリン依存性キナーゼ阻害因子Far1pの細胞質への輸送は,フェロモン刺激による細胞極性の形成に必要であり,msn5欠損は接合に異常を来す65).Msn5pは,窒素源欠乏下での二倍体細胞のフィラメント状仮性菌糸細胞への分化にも関与し,その強制発現によりアンモニウムペルメアーゼ変異によるフィラメント形成の欠陥が抑制される66)

出芽酵母tRNAは哺乳類のものと異なり,未成熟な状態でLos1pにより核外へ輸送され,細胞質で成熟する67).飢餓条件下での成熟tRNAのMtr10に依存した核内への逆行と栄養条件下でのMsn5pによる核外への再輸送は,特定のアミノ酸合成酵素の翻訳に大きく影響する68)

3)ショウジョウバエ

Ketel(インポーティンβ)の遺伝子変異は眼発生の異常の原因となる.ドミナントネガティブ変異Ketelが光受容細胞のパターン形成時に複眼原基の形態形成溝後方で発現すると,光受容体細胞から脳へ伸びる軸索は眼柄を通過できない.また,一部の光受容細胞は網膜上で他細胞よりも沈む69)

Moleskin(インポーティン7)はリン酸化型MAPキナーゼ(pMAPK)や転写因子の核内への輸送を介してさまざまな分化過程に関与し,その遺伝子(msk)に変異を持つハエでは,胚の筋腱間接合や成虫の複眼形態の異常などがみられる.変異体の筋腱間接合部の腱細胞ではpMAPKの核局在が減少しており,腱細胞特異的な転写因子Stripeの減少や筋と腱をつなぐマトリックス成分の分泌の低下がみられる.一方,筋細胞では本来Moleskinとともに接合部に局在するリン酸化型接着斑キナーゼpFAKの局在異常やEGF受容体(epidermal growth factor receptor)のリガンドであるVeinの分泌の低下がみられるが,こちらは輸送とは別の機能の阻害による可能性がある70).また,変異体成虫複眼ではR8光受容細胞の一部消失とほかの細胞の形態異常がみられる.複眼分化の過程では形態形成溝内で後にR8細胞となる創始細胞が周りの細胞の分化を阻害する.このとき分化抑制される細胞では,Moleskinは細胞質に尖端状に隔離され,pMAPKの核移行や前神経性転写因子Atonalの発現が抑制されている71).発生や自然免疫応答に関与する転写因子CaudalもMoleskinの輸送基質である.Moleskinの発現抑制によりCaudalに制御される抗真菌性ペプチド,ドロソマイシンの発現が阻害される72)

インポーティン11とインポーティン13は,シナプスの形成と機能に関与する.どちらの変異体でも成虫の光受容細胞からシナプス後神経細胞へのシグナル伝達の障害と幼虫の神経筋接合部の機能と形態に異常がみられる73,74).インポーティン11変異体では,神経筋接合部でシナプス前後に形態異常がみられ,神経細胞の(核ではなく)シナプスでリン酸化型MAD(pMAD)が減少している73).また,筋細胞では,Wntシグナル経路で働くFrizzled受容体断片の核移行が阻害されている75).一方,インポーティン13変異体では,筋細胞側のみに形態異常がみられる.神経細胞からの神経伝達物質の放出も増加しているが,これは神経細胞側ではなく筋細胞側にインポーティン13を発現させると抑制される74)

CASはインポーティンαの核外輸送因子である.CASの変異による細胞質のインポーティンα3の減少に伴い,Notch経路の構成因子Su(H)のインポーティンβ/インポーティンα3による核内への輸送が減少する.CAS遺伝子変異体では,機械感覚細胞がソケット細胞に転換し,これはNotch経路が亢進する変異体の表現型に類似する76)

4)シロイヌナズナ

植物のストレス応答過程では,アブシジン酸(abscisic acid: ABA)をシグナル分子とする応答経路がよく知られている.KPNB1(インポーティンβ)の遺伝子変異株では,ABAや多くのストレスへの感受性が高まるが,気孔が閉鎖されて乾燥への耐性は強くなる77).また,SAD2(インポーティン7または8)の遺伝子変異株では,ABAおよびストレス応答性遺伝子の発現が上昇しており,種子発芽や実生成長の時期にABA高感受性となる78)

MOS14(トランスポーティンSR)は,RNAスプライシングに関わるSRタンパク質を核内へ運搬する.mos14変異遺伝子は,病原体からの防御反応に関わる耐性遺伝子SNC1の機能獲得変異による表現型を抑制する.これは,SRタンパク質の輸送低下により耐性遺伝子転写産物のスプライシングが阻害されるためである79)

PAUSED(トランスポーティンt)の遺伝子変異株ではさまざまな部分で成長異常がみられる80)

6. 疾病へのインポーティンβファミリーの関与

輸送因子の発現量や機能の異常による輸送基質の局在の混乱は疾患の原因になると予想される.インポーティンβファミリーの疾患への関与が示唆される報告例を紹介する.

グルタミン酸アゴニストであるカイニン酸で誘導されるラット海馬の急性発作の過程では,CA1錐体細胞核にインポーティンβが蓄積する.一方,慢性発作の後に増殖する放線層のNG2+グリア細胞ではインポーティンβ陽性細胞の増加が認められ,輸送とNG2+細胞増殖の関連が示唆される81)

マウスの脳では老化とともにCRM1の発現が減少し,ハンチントン病モデルマウスでは,老化に伴いCRM1の核外輸送基質ハンチンチンタンパク質が核に蓄積する82).ハンチンチンタンパク質の細胞質での分解に関与するマクロオートファジーカーゴ受容体p62もCRM1の輸送基質であり,その輸送の低下も発症に関与する可能性がある83)

インポーティンβファミリー遺伝子の多型が疾患の発症と相関する例もあり,トランスポーティンSR遺伝子型と肢帯筋ジストロフィー1F84,85),トランスポーティン13遺伝子型と喘息86)の相関などが報告されている.また,マイクロサテライト不安定性がん細胞にはエクスポーティン5のC末端欠損変異がみられるものがあり,この変異エクスポーティン5はpre-miRNAを輸送できない87)

多くのがん細胞でインポーティンβファミリー輸送因子の発現異常がみられる36).腫瘍形成,腫瘍抑制やアポトーシスへの輸送因子の関与が示唆される報告例を以下に紹介する.インポーティンβの輸送基質である細胞死受容体DR5が核局在しない前立腺がん細胞株DU145はアポトーシス誘導リガンドTRAILに高感受性であるが,DR5が核に局在するHeLa細胞やHepG2細胞はTRAILに耐性である88).子宮頸がんではインポーティンβが発現上昇しており,その発現抑制により,抗アポトーシスタンパク質Mcl1は減少し,アポトーシス誘導タンパク質Noxaは増加する89).マウス肺がんモデルでは,CRM1の核外輸送基質p53の核局在の減少が腫瘍形成に関与する可能性がある90).ヒト転移黒色腫ではCRM1の発現が上昇しており,生存促進性キナーゼErk1/2は細胞質に局在している.CRM1の発現抑制によりErk1/2は核に蓄積し,アポトーシスが誘導され,同時に抗アポトーシス因子Survivinも核に蓄積する91).肝細胞がんではCASとその核外輸送基質インポーティンαの高発現が細胞の生存に必要であり,CASの発現はアポトーシス阻害因子XIAPの発現と相関している92)

がん細胞でのインポーティンβファミリー輸送因子の発現上昇にはmiRNAが関与する場合がある.悪性末梢神経鞘腫瘍では,ヒストンメチル化酵素EZH2の発現上昇によりmiR-30dの発現が抑制され,その標的であるインポーティンβの発現が上昇している93).CASはmiR-137の標的でありmiR-137は希突起膠腫や神経膠腫由来の細胞株で発現が低下している94).同様に前立腺がん由来細胞LNCaP,DU145で発現低下しているmiR-22はインポーティン7を標的とする95)

CRM1は多くのがん細胞で高発現しており,がん治療の標的として有望である.数種類の低分子阻害剤KPT-SINEが合成され研究が進められている96–99)

7. 今後の展望

核–細胞質間輸送システムが果たす生物学的機能の理解にむけて,輸送の調節機構,局在が変わる輸送基質,誘導される細胞内反応を結びつけた細胞制御機構の解明が今後の課題となる.本稿ではこれに成功した研究も紹介したが,そのほとんどでは,ただ一つの輸送基質の局在変化しか観察されていない点に注意を要する.輸送因子は特定グループの輸送基質を輸送するため,同一条件下で複数の輸送基質が輸送されるはずである.たとえば,トランスポーティンの輸送基質にはRNA結合タンパク質が多く,トランスポーティンSRの輸送基質にはRNAスプライシングに関与するタンパク質が多い2).したがって,一つの輸送因子の輸送基質は何らかの性質を共有し,同時同所の局在により協同的に働く可能性が高い.包括的な視点から輸送システムの生物学的機能を解明するためには,輸送因子に特異的な輸送基質を数多く特定する必要がある.現在のところ,多くの輸送因子の輸送基質の情報は少なく,輸送基質の大規模同定が待望される.近年,細胞の安定同位体標識(SILAC)法と定量質量分析法を用いた二つの方法が有効であることが示された100).その一つ,筆者らが確立したSILAC-Tp法では,SILAC法により安定同位体標識アミノ酸で標識した培養細胞で透過性細胞を調製し,試験管内核輸送再構成系で1種類の輸送因子によりその核内へ非標識核抽出液中のタンパク質を輸送する.その後,タンパク質を抽出し,質量分析法による同定・定量により,輸送されたタンパク質を選出する31,101).もう一つの方法では,SILAC法による安定同位体標識細胞と非標識細胞の片方で1種類の輸送因子を機能阻害し,核抽出液,細胞質抽出液中のタンパク質を質量分析法で同定・比較定量する102).いずれの方法も最新式の質量分析装置の利用により相当数の基質同定が可能と見込まれており,解析結果が待たれる.この情報から新たなNLS, NESが特定されれば,さらなる基質の同定にもつながる.同定結果に基づく細胞生物学的な研究により核–細胞質間輸送の理解がいっそう進むと期待される.

引用文献References

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著者寸描

木村 誠(きむら まこと)

理化学研究所専任研究員.博士(理学).

略歴

岐阜市出身.京都大学理学部卒業.同大学院理学研究 科修士課程修了.民間企業研究所勤務.総合研究大学院大学生 命科学研究科博士課程修了.ロックフェラー大学博士研究員. 国立遺伝学研究所助手.理化学研究所(BRC)研究員.2007年より現職.

研究テーマと抱負

importin-βファミリー輸送因子による核‒細胞質間輸送の全体像の解明.

ウェブサイト

http://www.riken.jp/celldynamics/index.html

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