生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
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Journal of Japanese Biochemical Society 87(3): 308-314 (2015)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870308

特集「タンパク質・酵素の隠された機能について,探索とその技術」Special Review

植物の自家不和合性RNA分解とユビキチン化による自他識別Self-incompatibility in plants: RNA degradation and ubiquitination-mediated self-/non-self-discrimination

奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科Graduate School of Biological Sciences, Nara Institute of Science and Technology ◇ 〒630-0192 奈良県生駒市高山町8916番地の58916-5 Takayama-cho, Ikoma-shi, Nara 630-0192, Japan

発行日:2015年6月25日Published: June 25, 2015
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自家不和合性は,被子植物にみられる自家受精を防ぐ機構である.多くの場合,自家不和合性は,多様性に富む多数のハプロタイプからなる一つの遺伝子座,S遺伝子座に制御される.S遺伝子座には,雌性,雄性Sハプロタイプ特異性決定因子がコードされており,これらの因子によって受精が起こるか否かが決定される.ナス科,バラ科などでは,雌性,雄性Sハプロタイプ特異性決定因子はそれぞれ単一のRNA分解酵素,S-RNaseと,複数のFボックスタンパク質,SLFである.自家受粉された花粉管では,自己S-RNaseによってRNAが分解し,花粉管伸長停止に至る.一方,他家受粉された花粉管では,複数のSLFがすべての非自己S-RNaseを協調して認識し,ユビキチン化を介した分解に至らしめ,花粉管伸長は停止することなく受精に至る.

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