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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 87(3): 337-341 (2015)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870337

総説Review

糖鎖相同性による自己免疫疾患の発症機序The mechanism of autoimmune disease by glycotope mimicry

1Department of Medicine, Yong Loo Lin School of Medicine, National University of Singapore ◇ 1E Kent Ridge Road, Singapore 119228, Republic of Singapore

2Department of Physiology, Yong Loo Lin School of Medicine, National University of Singapore ◇ 1E Kent Ridge Road, Singapore 119228, Republic of Singapore

発行日:2015年6月25日Published: June 25, 2015
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これまで自己免疫病発症における分子相同性の研究は,ペプチドに対する自己反応性T細胞に主として目が向けられていたため,分子相同性仮説の立証には至らなかった.筆者は,Campylobacter jejuni腸炎後に発症する自己免疫性末梢神経疾患(ギラン・バレー症候群やフィッシャー症候群)の発症機序を解明すべく研究に取り組んできた.そして,糖脂質の糖鎖に対する自己抗体という別の着眼点から切り込むことにより,分子相同性仮説を完全に証明し,糖鎖相同性によって自己免疫病が発症しうることを示した.そうした研究の経緯,医学研究の大切さ,面白さを伝えたい.

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