生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 87(3): 348-361 (2015)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870348

総説Review

インフルエンザウイルスのシアロ糖鎖生物学鳥インフルエンザウイルスのヒト適応性変異の分子基盤Sialoglycobiology of influenza: Molecular bases of the human adaptation of avian influenza viruses

中部大学生命健康科学部College of Life and Health Sciences, Chubu University ◇ 〒487-8501 愛知県春日井市松本町1200番地1200 Matsumoto-cho, Kasugai-shi, Aichi 487-8501, Japan

発行日:2015年6月25日Published: June 25, 2015
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A型インフルエンザは,地球規模で拡がっている人獣共通感染症の一つである.1997年にホンコンで,H5N1亜型のA型鳥インフルエンザウイルスがニワトリからヒトへ伝播して以来,様々な亜型(H6N1, H7N7, H7N9, H9N2, H10N8)の鳥インフルエンザウイルスがヒトへ伝播している.しかし,これまでのところ,これが不特定多数のヒト–ヒト感染を起こしている証拠は見つかっていない.A型インフルエンザウイルスは野生水鳥を自然宿主としており,ウイルスの変異により,中間宿主を経てヒトへ伝播し,しばしば世界流行(パンデミック)を起こしてきた.インフルエンザウイルスの宿主域を決定するウイルス側の重要なスパイクとして,へマグルチニンが挙げられるが,これは,宿主細胞の受容体シアロ糖鎖への結合および細胞内侵入を担っている糖タンパク質である.近年,ウイルスの宿主域変異さらにヒトへの適応性変異獲得の分子機構が,ウイルスへマグルチニンおよび宿主細胞受容体シアロ糖鎖との関連で,分子・細胞・個体レベルで明らかにされつつある.本稿では,鳥インフルエンザウイルスのヒトを含めた哺乳動物への適応性変異の新しい分子基盤について著者らの知見を含め概説する.

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