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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 87(3): 362-372 (2015)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870362

総説Review

自己免疫疾患解明への新しい突破口“AIRE”を中心としてAire gene is a central player in the autoimmune disease

慶應義塾大学先導研究センターGSP(ゲノムスーパーパワー)センターCenter for Genome Super Power, Keio Advanced Research Centers, Keio University ◇ 〒160-8582 東京都新宿区信濃町35番地35 Shinano-machi, Shinjuku-ku, Tokyo 160-8582, Japan

発行日:2015年6月25日Published: June 25, 2015
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「自己を攻撃しない」免疫寛容の成立は,自己免疫疾患の発症と背中合わせの関係にある.AIRE遺伝子は,その発症機構解明の突破口と考えられ,現在までに自己抗原遺伝子の転写調節機構やAIREが制御する遺伝子群の同定などがなされてきた.我々が樹立した胸腺髄質上皮細胞由来のAire+細胞株は,恒常的にAIREを発現しており,in vitroにおいても「末梢組織特異的自己抗原遺伝子の異所性発現能」や「胸腺細胞除去特能」など,自己抗原提示細胞における胸腺ネガティブセレクションの性質を保持している.さらにCD4+胸腺細胞による運命決定現象も再現された.本稿ではAIRE遺伝子の発見から,その機能特性を述べ,in vitroにおける自己免疫疾患発症機構解明に対するAire+細胞の可能性を概説する.

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