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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 87(4): 428-437 (2015)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870428

総説Review

神経軸索ガイダンス分子セマフォリンの情報伝達機構Signaling mechanism for axonal guidance factors, semaphorins

京都大学大学院生命科学研究科Graduate School of Biostudies, Kyoto University ◇ 〒606-8501 京都府京都市左京区吉田近衛町Yoshida Konoe-cho, Sakyo-ku, Kyoto-shi, Kyoto 606-8501 Japan

発行日:2015年8月25日Published: August 25, 2015
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神経軸索はさまざまなガイダンス分子に導かれて目的の細胞に到達し,的確な神経回路を形成する.現在までに軸索伸長や方向決定にかかわるさまざまなガイダンス分子が見いだされ,その作用から誘引性と反発性に分類される.筆者らは,代表的な反発性ガイダンス分子であるセマフォリンの細胞内情報伝達機構の研究を行ってきた.細胞膜1回貫通型受容体であるプレキシンの細胞内領域が,低分子量Gタンパク質Rasファミリーの一つR-Rasに対する不活性化酵素であるGAP(GTPase-activating protein)を直接コードしており,神経軸索を伸長させる機能を持つR-Rasの活性を抑制することにより軸索の反発作用を発揮することを見いだし,さらに,その下流での反発応答を担う一連のシグナル伝達経路を明らかにした.本稿では,それらシグナル伝達経路について生理的意義も含めて紹介する.

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