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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 87(5): 531-538 (2015)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870531

特集Special Review

がん原遺伝子産物PPM1Dの細胞がん化機構および創薬を指向した阻害剤Function of Proto-oncogene Product PPM1D and Development of PPM1D Inhibitors for Cancer Chemotherapy

1北海道大学大学院理学研究院化学部門生物化学分野Department of Biological Chemisty, Division of Chemistry, Faculty of Science, Hokkaido University ◇ 〒060-0810 北海道札幌市北区北十条西八丁目Kita-10-Nishi 8, Kita-ku, Sapporo-shi, Hokkaido 060-0810, Japan

2新潟大学理学部化学科Department of Chemistry, Faculty of Science, Niigata University ◇ 〒950-2181 新潟県新潟市西区五十嵐二の町8050番地Ikarashi-2 8050, Nishi-ku, Niigata-shi, Niigata 950-2181, Japan

3北海道大学大学院総合化学院Graduate School of Chemical Sciences and Engineering, Hokkaido University ◇ 〒060-8628 北海道札幌市北区北十三条西八丁目Kita-13-Nishi 8, Kita-ku, Sapporo-SHI, Hokkaido 060-8628, Japan

発行日:2015年10月25日Published: October 25, 2015
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DNA損傷に応答し,p53依存的に誘導されるMg2+- or Mn2+-dependent protein phosphatase(PPM)ファミリーホスファターゼとして同定されたPPM1D(Wip1)は,乳がんや卵巣がんなどのさまざまながん細胞においてその遺伝子増幅や過剰発現が報告されており,抗がん剤の標的として大きく注目されている.PPM1Dはがん抑制タンパク質p53や,細胞周期制御に関わる多くのタンパク質を脱リン酸化・不活性化し,p53経路を含むさまざまな経路を負に制御している.PPM1Dを標的とした抗がん剤を開発するためには,PPM1Dの機能制御機構およびその発がん機構を詳細に解析していくことが必要である.本稿では,PPM1Dの構造や基質認識機構,PPM1D過剰発現による細胞がん化機構について概説するとともに,近年報告されているPPM1D特異的阻害剤について紹介する.

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