耐熱性D-アミノ酸脱水素酵素のタンパク質工学的創製と利用
1 国立研究開発法人産業技術総合研究所材料・化学領域機能化学研究部門バイオ変換グループ ◇ 〒739-0046 広島県東広島市鏡山三丁目11番32号
2 大阪工業大学工学部生命工学科 ◇ 〒535-8585 大阪府大阪市旭区大宮五丁目16番1号
3 香川大学農学部応用生物科学科 ◇ 〒761-0795 香川県木田郡三木町池戸2393番地
meso-ジアミノピメリン酸脱水素酵素(meso-DAPDH)は,NADP+依存的に,meso-ジアミノピメリン酸の分子内にあるD型とL型の立体構造を持つアミノ酸部位のうちD型の立体構造を持つアミノ酸のみに作用して,L-2-アミノ-6-オキソピメリン酸への可逆的な脱アミノ反応を触媒する酵素である.我々は,安定性に優れるmeso-DAPDHを堆肥から分離した好熱菌から見いだし,meso-ジアミノピメリン酸のL-アミノ酸認識に関与する5種類のアミノ酸残基に変異を導入して,数種のD-アミノ酸を基質として可逆的な脱アミノ反応を行う耐熱性D-アミノ酸脱水素酵素(D-AADH)を創製した.次に,D-AADHを利用したD-アミノ酸の酵素合成法の開発と,D-アミノ酸の酵素分析法への応用を進めた.さらに,結晶構造解析に基づき,酵素の耐熱機構,補酵素・基質認識機構を考察した.本稿では,我々が行ってきたD-AADHの創製と応用研究の成果を紹介する.
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