アレストペプチドを通してみえてきた,セントラルドグマを奏でる分子の自律性
京都産業大学 ◇ 〒603-8555 京都府京都市北区上賀茂本山
発行日:2015年12月25日
生物は,遺伝情報をアミノ酸配列に翻訳することにより,生物機能を担うタンパク質を作り出す.セントラルドグマの中核に位置する翻訳において,プロテオームの各メンバーが具体的にどのような時間経過と構造の変遷を伴って作られていくのかという,翻訳の「中味を覗く」ことは最近になってやっと活発な研究がなされるようになった問題である.多様性と個性に満ちたタンパク質たちが,それぞれの構造,機能,局在性などに最適化された様式で生まれてくる過程を解明することの重要性を気づかせる契機の一つになったのが,本稿の主題である「翻訳アレストペプチド」である.ここでは,まず筆者らが携わってきたSecMタンパク質を一通り紹介して,こうした研究における特徴的な考え方などを明確にする.次いでアレストペプチド一般を題材に考察を進め,できることなら一,二の新しい概念に行き着きたいと思っている.
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