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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 87(6): 753-757 (2015)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2015.870753

みにれびゅうMini Review

光合成色素フィコシアノビリンを合成する酵素と基質ビリベルジンとの複合体の中性子結晶解析Neutron crystallography of the complex between photosynthetic pigment of phycocyanobilin synthesizing enzyme and substrate biliverdin IXα

1大阪大学名誉教授Professor Emeritus, Osaka University ◇ 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1番1号Yamadaoka 1-1, Suita-shi, Osaka 565-0871, Japan

2宮崎大学テニュアトラック推進機構Organization for Promotion of Tenure Track, University of Miyazaki ◇ 〒889-2192 宮崎県宮崎市学園木花台西一丁目1番地Gakuen Kibanadai-Nishi 1-1, Miyazaki-shi, Miyazaki 889-2192, Japan

3久留米大学医学部School of Medicine, Kurume University ◇ 〒830-0011 福岡県久留米市旭町67番地Asahi-machi 67, Kurume-shi, Fukuoka 830-0011, Japan

4茨城大学大学院理工学研究科Graduate School of Science and Engineering, Ibaraki University ◇ 〒316-8511 茨城県日立市中成沢町四丁目12番1号Naka-Narusawa-cho 4-12-1, Hitachi-shi, Ibaraki 316-8511, Japan

発行日:2015年12月25日Published: December 25, 2015
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1. はじめに

タンパク質などの生体高分子の立体構造情報は,その分子の機能や性質を理解するために必須といえる.分子の立体構造を知るにはNMRや電子線解析法もあるが,多くはX線結晶解析法が用いられてきた.その適用例がこの数十年の間に桁違いに多くなったことはProtein Data Bankに登録された件数から容易にわかる.放射光の利用や解析ソフトウェアの進歩によりX線結晶解析の精度も近年になって飛躍的に向上したが,原子分解能(1.0 Å以上)の構造はいまだに解析数の1%にも満たない.さらにX線結晶解析には弱点がある.X線は主に原子の持つ電子によって散乱されるため,原子番号が小さい原子ほど捉えにくいし,原子番号が互いに近い原子種ほど区別しにくくなる.したがって,タンパク質中に数多く含まれる水素原子の位置は高分解能で精度を上げてもあいまいさが残るし,アスパラギンやグルタミンではアミノ酸残基側鎖の配向を電子密度だけから決めること(窒素原子と酸素原子を区別すること)は難しい.水素結合でどちらの原子がドナーで,どちらの原子がアクセプターであるかは,水素原子の位置が決定できて初めて明確になる.

中性子線はX線とは別の原理で散乱する.すなわち,中性子線は原子が持つ原子核で散乱し,その大きさは各原子固有の中性子散乱長である.たとえば,重水素と炭素の中性子散乱長はどちらも0.67×10−12(cm)であるため,重水置換した結晶を用いれば同程度の精度で炭素の位置と水素の位置を決定できる.また,水素と重水素とは中性子散乱長の符合が逆なので(それぞれ−0.37×10−12と0.67×10−12),解離性の水素は重水素と置換されることを利用してその水素原子が解離性かどうかもわかる.このような重水素の利用により,中性子結晶解析はX線結晶解析では得られない情報が得られる.ところが中性子の散乱強度がX線に比べてずっと弱いことが,中性子結晶構造解析の弱点である.したがって,中性子結晶解析をするためには結晶を非常に大きく成長させる必要があり,測定時間もX線より桁違いに長くかかる.また,中性子ビームの広がりが放射光(X線)よりずっと大きいことなどから,単位格子の大きさにも制限がある(結果として,解析可能な分子の大きさに制限がある).そのような技術的困難を乗り越えて,我々は最近,還元酵素の一種phycocyanobilin: ferredoxin oxidoreductase(PcyA)とその基質であるビリベルジンIXα(BV)との複合体(PcyA-BV)の中性子結晶解析を行った.本稿では,X線解析ではどうしてもわからなかったことが中性子結晶解析で明らかになったことを中心に述べてみたい.

2. PcyA-BVのX線結晶解析で何が問題であったのか?

PcyAはビリン色素を還元する酵素(ferredoxin dependent bilin reductase: FDBR)群の中で最も主要なメンバーである1).この酵素はヘムが開環してできるBVのD環に結合したビニル基とA環を2段階で部位特異的に還元し,フィコシアノビリンに導く(図1A2).また,PcyAはFDBRファミリーのなかでBVのD環のビニルを還元できる唯一の酵素である.我々は,なぜPcyAはD環のビニル基とA環をこの順序で部位特異的に還元するのかなど,巧妙に制御された機構を明らかにしようと,まず基質を結合したPcyAのX線結晶解析に取り組んだ.図1Bに示すように,PcyA-BV複合体構造中ではBVはU字形のコンホメーションをとっており,そのD環とA環は互いに近くに位置していた.また,BVのB環とC環およびそこから伸びるプロピオン酸は分子表面にあり,A環とD環は分子内部に埋もれていた3,4).BVの中心付近にはAsp105があり,A環やD環近傍にHis88やGlu76があった.部位特異的変異実験からこれらのアミノ酸残基は活性に必須であることが明らかにされていた5).またHis88に隣接してHis74があり,His74も重要な残基であることがわかっているが,Glnに変異しても活性を失わないことなどから,プロトンドナーではなく,水素結合によってHis88の配向を保つ“支持体”としての役割を担っていると考えられていた6).このX線構造から我々はいくつかの疑問点を抱いていた.1)Asp105の側鎖は2通りのコンホメーションをとっていたが,これにはどのような意味があるのであろうか? 2)PcyA-BVのBVはどのようなプロトン化状態になっているのであろうか? PcyA-BV複合体の分光学的解析およびその量子化学計算による解析結果7)から,PcyAに結合したBVには中性の化学種と正電荷を帯びた化学種(BVH+)が混ざっており,BVH+が電子を受け取ると示唆されていた.したがって,BVH+のプロトン化状態がはっきりして初めて反応の初期段階がわかる.3)PcyA-BVのX線解析ではGlu76の側鎖とD環ビニル基とは異常に接近していたが,これには何らかの意味があるのであろうか? このような疑問に対して,我々はPcyA-BVに加えて基質を結合していないPcyAの結晶構造を決定し8),さらには還元反応中間体(PcyA-18EtBV)やBVのアナログとの複合体(PcyA-BV13)などについて原子分解能でX線結晶構造解析を行った9).これらの解析から基質の結合や反応機構に対する有益な情報が得られたが,やはり水素原子の位置がはっきりとはせず上記の疑問点に対する明確な解釈には至らなかった.PcyAがいかにBVに水素を付加しているのか,その機構を理解するためにはどうしてもBVや活性部位周辺のアミノ酸残基のプロトン化状態を決めることが必須であり,そのためには中性子結晶解析をして水素原子の位置情報を得る必要があった.

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図1 ビリン色素の生合成経路とPcyA-BVのX線結晶構造

(A)光合成生物におけるビリン色素の生合成とそれらを触媒する酵素.フィコシアノビリンとフィコエリスロビリンは,シアノバクテリアや紅藻に特有の光捕集系であるフィコビリソームに含まれる光合成色素である.フィトクロモビリンは,高等植物が保有する光受容タンパク質フィトクロム中の色素である.細菌が保有するフィトクロムホモログでは,フィコシアノビリンやBVを光受容色素とすることが多い.(B)PcyA-BVの立体構造.

3. 中性子回折実験と構造決定10)

以前のX線構造解析で用いた結晶化条件3)を基に多くの実験条件を試みた結果,中性子回折実験を行うために十分な大きさのPcyA-BV結晶を得た.この際PcyA-BV溶液の濃度を濃くし(120 mg/mL),sitting drop法(20 µL)で結晶を約2.5 mm×1.8 mm×0.6 mmの大きさまで成長させた.結晶化で注意したことは,可視光が極力当たらないようにすることであった.結晶を観察するときや,キャピラリーに封入するときは緑色光下で操作した(BVは緑色光をほとんど吸収しない).なお,中性子実験の前にあらかじめ結晶を重水素化試薬と重水(D2O)で調製した結晶化溶液中に浸漬し,解離する水素を重水素に置換した.中性子回折実験は,大型陽子加速器研究施設(J-PARC,東海村)の物質・生命科学実験施設(MLF)にあるビームラインBL03 iBIXで行った.室温で,1データセットあたりの露光時間は約9時間で,静止写真を24枚とり,1.95 Å分解能のデータを得た.

クライオ条件で結晶解析したPcyA-BVのX線構造3)を出発モデル構造として,BVを含めてプログラムPHENIXで精密化し,水素/重水素位置をアサインした.最終の構造の信頼度を表すRRfree値はそれぞれ16.7%と22.6%であった.中性子解析の結果からすぐにわかったことは,アスパラギンとグルタミン残基の側鎖の窒素原子と酸素原子を,X線解析では9個も取り違えていたことであった.

4. BVとAsp105のプロトン化状態

中性子結晶解析の結果,BVでは四つのピロール窒素原子すべてにH+(D+)が結合していることがわかった.また,A環およびD環はラクタム構造(NH–C=O)であり,PcyAの活性残基の一つであるHis88はこれらラクタム酸素原子と水素結合していた.これは分光学的解析から予想されていたラクチム構造(N=C–OH)11)とは異なる結果であった.ところがBVの四つの重水素原子の占有率を精密化したところ,A環とD環のピロール窒素原子には100%重水素が結合していたが,B環とC環にはそれぞれ80%と60%重水素が結合していると見積もられた.これはどう解釈したらいいのであろうか? 一方,Asp105は二つのコンホメーションをとっている.Asp105のそれぞれのコンホメーションにおける重水素原子の存在から,カルボキシ基は一方のコンホメーションでは中性,他方では負電荷になっていることがわかった.中性のAsp105が一方のコンホメーションをとって中性のBVと水素結合し,負電荷になっているAsp105がもう一方のコンホメーションをとって正電荷のBVH+と水素結合していた(図2A).すなわちAsp105の二つのコンホメーションは,それぞれ異なるプロトン化状態(カルボキシ基/カルボキシラートアニオン)にあり,それぞれが異なる状態にあるBVと2通りの水素結合をしていた.このようなプロトン化状態の違いと立体構造の違いの相関が,Asp105側鎖とピロール窒素に結合している重水素の有無(占有率)からわかった.また,基質非結合型のX線構造から推定していたように8),この中性子構造はBVがBVH+に変換される際に必要なプロトンがAsp105からピロール窒素へと受け渡されていることを示唆している.

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図2 中性子結晶解析により明らかにしたPcyA-BVの水素化状態

(A)Asp105の二つのコンホメーションとBVとの水素結合.(B)His74,His88とヒドロニウムイオン間の水素結合様式.(C)BV/BVH+とAsp105/Asp105の二つの状態(axial waterの有無).

5. His88およびHis74のプロトン化状態とそれらの間にあるヒドロニウムイオン

X線結晶解析では,BVのすぐ近傍にあるHis88の先には水分子を介してHis74が水素結合していると解釈していた3).His74は触媒反応に重要であることも変異体の性質からわかっていた6).中性子結晶解析の結果,これらの残基のプロトン化状態がわかった.すなわち,His88のイミダゾール環中の二つの窒素原子のうち,Nδには重水素が結合しており,Nεには結合していなかった(図2B).他方His74ではNδには重水素が結合しておらず,Nεには結合していた.X線解析から予想していなかったことに,これら二つのイミダゾール環の間にある酸素原子周りに重水素が平たいピラミッド状に分布していた.ちなみにLeu243の主鎖の酸素原子とも水素結合で結ばれている(1/3の占有率で三つの重水が重なっていることも考えられたが,そう解釈すると中性子散乱長密度が残ってしまう上,O…D…N/O角など水素結合のジオメトリーから不自然であった).これら三つのアミノ酸残基(His88, His74, Leu243)の間にあるのは水分子(H2O)ではなく,ヒドロニウムイオン(H3O+)であることが判明した.水素原子の位置から,H (D)3O+の形成する三つの水素結合すべてにおいてH (D)3O+が供与体であることも明らかになった.なお,タンパク質に結合したヒドロニウムイオンを実験的に示したのはこれが3例目である12)

6. BVの四つのピロール環近傍には水分子が存在する

PcyA-BVのX線結晶解析では,BVの近傍に弱いながら電子密度が観測されていた3,13).この電子密度は弱く,かつ再現性もなかったため我々は注意を払っていなかった.ところが中性子解析をしてみると,酸素原子だけでなく重水素原子もはっきりとらえられたことから,ここに水分子(axial water)があることを明らかにできた.中性子解析では,この重水分子の向きが決まり,水分子中の酸素原子がBVのピロールA環に付加した水素原子と水素結合を形成していた.この重水の占有率は約50%であり,重水の占有率は中性Asp105の占有率に対応している.重水が結合している状態は中性のBVと中性のAsp105に,重水を結合していない状態はBVH+とAsp105とに対応していると考えられる(図2C).このようにPcyA-BVの結晶中では,以上のような二つの状態が共存していたのである.水素の有無だけでなく水分子の向きまでわかり,まさに中性子構造解析の真骨頂だといえる.なお,クライオ温度でもこの水分子の占有率は,X線を照射していると徐々に減少していくことがわかった.このことは,X線によるダメージが,時に微細な構造を変えてしまうことも意味している.

7. X線解析で観測されたGlu76とBVの間の異常に近いコンタクト

X線結晶解析ではBVのD環のビニル基と,Glu76のカルボキシ基が異常に近くに接近して観測されていた3).PcyA-18EtBVではGlu76は18EtBVのエチル基から離れていることや,基質非結合型では側鎖が逆を向いていることから8),当初BVとGlu76の間にはOH/π結合が存在するのではないかと推定していた.ところが中性子解析の結果では,BVとGlu76の間が異常に近くなっていることはなかった.X線解析で異常に近接していたのは,X線照射による還元が現れていたことが一つの可能性として考えられる.中性子線は粒子線であるため,そのエネルギー(225 meV)が電磁波であるX線に比べて104~105程度低いことから,アーティファクトができるとは考えにくい(解析の結果,中性子でも多少の反応が誘発されることが示唆された).このことは,クライオ温度でもX線による還元が起きていたことを示唆するもので,X線解析結果を解釈するとき注意が必要であることをあらためて思い知らされた.

8. 中性子結晶解析からわかったPcyAによるBVの還元機構

以上のようなPcyA-BVのプロトン化状態から,ラクタム構造をとったBVH+がAsp105と水素結合している状態(図2C,コンホメーションⅡ)からスタートして,Glu76,His88,Asp105が関与する反応機構を提唱することができた.ヒドロニウムイオンはHis88にH+を供給すると考えられる(詳細は文献10を参照).今回の中性子結晶解析の結果から,PcyAの反応(図1A)のうち,前半のBVから18EtBVを生成する過程の分子機構を新たに提唱することができた.このような還元過程は,これまで反応過程の可視吸収スペクトル変化や発生するラジカルをもとに提案はされていたが5,13,14),今回のPcyA-BVの中性子結晶解析でBVから18EtBVに至る過程の構造的基盤が得られたといえる.後半の反応であるA環の還元過程(18EtBVからフィコシアノビリンに至る過程)の機構解明は今後の課題である.

9. おわりに

一般に酵素は活性部位で基質を結合し,そこで特異的反応を起こさせ,反応が終わると生成物を遊離する.酵素の活性部位およびその周辺は,一定の順序で基質の構造を逐次変化させるといえる.一方,X線結晶解析にしろ,中性子結晶解析にしろ,ある状態(スナップ)の立体構造をみる方法であり,原理的に構造変化そのものはとらえられない.今回のような水素付加(還元)をする酵素の場合,どのように電子とプロトンが移動して反応が進むかが機構解明に重要であった.PcyA-BVの場合,反応が起こる前のBVは中性BVと正に帯電したBVH+状態であったが,この基質のプロトン化状態の違いと酵素PcyAの状態の違い(Asp105/Asp105)に相関があった.ここにフェレドキシンから電子移動が起きると,これが引き金になって途中ラジカルが生成するなどして,プロトン移動が起こると考えられる.このように,本件はPcyA-BVのプロトンを含めた立体構造から,電子移動とプロトン移動のスキームを具体的に示すことができた好例といえよう.

謝辞Acknowledgments

本研究を遂行する上でJ-PARCの茨城県生命物質構造解析装置(iBIX)グループの協力があった(茨城県プロジェクト2012P X0011).対照実験や予備実験であるX線回折実験でも,Photon FactoryやSPring-8の施設の方々に世話になった(課題番号2011B6535,2011G519,2013G504).また,巨大良質結晶を作るため,宇宙空間での結晶化で支援していただいたJAXAおよび関連企業の方々にも感謝する.本研究は科研費基盤研究B(23370052,福山・和田・海野)および基盤研究C(24570122,海野),若手研究B(22770096,海野)および茨城大学イノベーション推進プログラム(海野)の支援で行うことができた.ここに感謝の意を表する.

引用文献References

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著者紹介Author Profile

福山 恵一(ふくやま けいいち)

大阪大学名誉教授.理学博士.

略歴

1949年香川県に生まれる.71年大阪大学理学部高分子学科卒業.73年岡山大学大学院理学研究科修了.79年理学博士.73年鳥取大学工学部工業化学科助手(80~82年はPurdue大学で博士研究員).87年大阪大学理学部生物学科講師,助教授を経て95年教授(2006年専攻名が生物科学専攻となる).13年定年退職,特任教授,招聘教授を経て現在に至る.

研究テーマと抱負

タンパク質や複合体の働きを,立体構造をベースにとらえることに取り組んでいる.タンパク質には,酸化還元タンパク質,鉄硫黄タンパク質や鉄硫黄クラスターの合成に関わるタンパク質,球状ウイルスなどがある.

ウェブサイト

https://sites.google.com/site/fukuyamakei1top

趣味

歴史に関連したことがらや人物を扱った読み物・映像などに接し,また昭和40~50年代の歌などを聞き,いろいろと想いめぐらすこと.なお,昨年BookWayより『昭和と平成の今昔物語——タンパク質結晶学の周辺——』を自費出版した.

和田 啓(わだ けい)

宮崎大学テニュアトラック推進機構准教授.博士(農学).

略歴

2003年3月大阪府立大学大学院農学生命科学研究科修了.同年4月大阪大学大学院理学研究科・特任研究員,08年同助教.宮崎大学テニュアトラック推進機構・助教を経て15年4月から現職.

研究テーマと抱負

「酸素に不安定な蛋白質群の構造生物学」:無酸素チャンバーを利用して,可能な限り細胞内環境をミミックした状態でのX線結晶構造解析を展開している.生体内で機能する複雑な系をターゲットとして,その分子メカニズムの可視化を目指している.

ウェブサイト

http://www.cc.miyazaki-u.ac.jp/keiwada/

趣味

古本屋巡り.宮崎ライフを満喫すること全般.

杉島 正一(すぎしま まさかず)

久留米大学医学部准教授.博士(理学).

略歴

1976年兵庫県に生る.99年大阪大学理学部生物学科卒業.2004年同大学院理学研究科生物科学専攻博士後期課程修了.同研究科特任研究員,日本学術振興会特別研究員を経て,07年4月より久留米大学医学部助教.10年8月~12年7月シカゴ大学客員研究員を兼任.12年11月より現職.

研究テーマと抱負

ポルフィリン代謝に関わるタンパク質や金属タンパク質の構造生物学的研究.

ウェブサイト

https://sites.google.com/site/msugishima76/

趣味

旅行,ドライブ,ハイキング.

海野 昌喜(うんの まさき)

茨城大学大学院理工学研究科教授.博士(理学).

略歴

1972年静岡県に生る.96年大阪大学理学部卒業.98年同大学院理学研究科博士前期課程修了.2002年同博士後期課程修了.98~2001年学術振興会特別研究員(DC1).02年東北大学多元物質科学研究所助手(07年より名称変更により助教).09年茨城大学フロンティア応用原子科学研究センター准教授.13年4月より現職.

研究テーマと抱負

タンパク質の構造と機能の相関研究.酵素反応の機構解明のためにX線・中性子構造解析を中心とした多角的なアプローチを試みている.現在のテーマは毛髪内タンパク質群の機能制御機構解明,がん関連タンパク質と薬剤の相互作用可視化による新規がん治療薬の提案,ビリン還元酵素の中性子構造解析.

ウェブサイト

http://www.fas.ibaraki.ac.jp/?page_id=827

趣味

スポーツ観戦,スイミング.

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