日本人多層オミックス参照パネルJapanese Multi Omics Reference Panel
東北大学東北メディカル・メガバンク機構Tohoku Medical Megabank Organization, Tohoku University ◇ 〒980–8573 宮城県仙台市青葉区星陵町2–1 ◇ 2–1 Seiryo-machi, Aoba-ku, Sendai, 980–8573, Japan
東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は,東日本大震災の被災地への医療支援と次世代型医療の構築による震災復興を目指して,被災地を中心に大規模コホート調査を行っている.当機構ではバイオバンクに保管された血漿試料501人分の網羅的オミックス解析(プロテオーム解析とメタボローム解析)を行い,血漿中の代謝物の濃度(頻度)分布や,タンパク質の検出の割合を明らかにすることに成功した.本成果は,日本人健常者の血中成分の種類とその分布を初めて網羅的に明らかにしたもので,今後の疾患研究や創薬研究などにおける正常対照として活用されることが期待される.
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東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は,東日本大震災の被災地への医療支援と次世代型医療の構築による震災復興を目指して設立された機関である(http://www.megabank.tohoku.ac.jp/).当機構は岩手医科大学に設立されたいわて東北メディカル・メガバンク機構と共同して,被災地を中心に宮城県と岩手県のあわせて15万人を対象とする大規模コホート調査を現在行っており,住民の長期的な健康調査とともに被災地での個別化医療・個別化予防の実現や創薬などの先端研究の発展を目指して事業を行っている.当機構のコホート調査は前向きコホート調査であり,被災地の住民を対象とした長期の健康調査を行うことで,疾患発症に影響を与える環境要因や遺伝的素因を調べることを目的とする.これは,がんや生活習慣病など現在わが国で罹患率の高い疾患の多くは複数の環境要因や遺伝的素因が複雑に作用して発症するため,調査開始時に健常である人を長期に追跡調査することで,各環境要因や遺伝的素因のリスクを正確に見積もる必要があるためである.対して疾患コホート研究では検体収集にバイアスがかかるためこのような研究は不可能である.当機構ではコホート検体の大規模なゲノム解析(本特集の長崎正朗氏の稿を参照)を行うとともに,血液中のタンパク質や代謝物などの生体分子を網羅的に調べるオミックス解析を実施することで,環境要因や遺伝的素因が疾患に与える影響を詳細に分析し,疾患の早期診断マーカーの開発を目指している.
本稿では当機構で現在進行している大規模オミックス解析について,特に研究計画から検体の収集・保管方法,集めた検体のオミックス解析方法や得られたデータの解析方法などについて最新の知見を交えながら解説する.特に本成果の一部は最近「日本人多層オミックス参照パネル」として広く内外の研究者に公開した(2015年7月)(https://jmorp.megabank.tohoku.ac.jp).これは当機構で解析したコホート参加者501人の血液中のタンパク質や代謝物の種類や濃度(頻度)分布等の情報を集めたデータベースで,今後の基礎研究や疾患研究の正常対照として利用されることを想定しており,すでに国内外から多数のアクセスや問い合わせがきている.また現在オミックス情報と,ゲノム情報や調査票の項目等との関連解析を進めており,こちらに関しても近日中に成果を報告できる予定である(投稿中).大規模コホート調査にオミックス解析を組み合わせた研究は現在世界各地で進行しており1–4),本稿が我々の研究成果も含めた大規模コホートオミックス解析を理解する手助けになることを期待する.
東北大学東北メディカル・メガバンク機構では宮城県の住民を対象とした2種類のコホート調査を行っている.一つは「地域住民コホート調査」で主に健康診断を受けに来る地域住民を対象とした調査である.健診は各市町村で毎年行われており,この現場に出張する形で行う.また県内7か所に開設した地域支援センターを訪れる住民も対象としている.一方もう一つのコホート調査は妊婦とその家族を対象とした「三世代コホート調査」で,各地域の産科医療施設で妊婦をリクルートするとともに,各地域支援センターでその家族の健康調査を行っている.このうち「地域住民コホート調査」では参加者の血液と尿の収集を行うとともに,食事等の生活習慣を調べる調査票の記入を依頼し収集している(図1).血液の一部は指定の検査機関に搬送して通常の生化学検査を行う一方,残りの採血管(3種類)は当機構に搬送後それぞれ血漿,バフィーコート(DNA抽出用),血清,単核球に分離し当機構のバイオバンクに保管する.「三世代コホート調査」も基本的に同様であるが,妊婦からは母乳も集める.また新生児は採血が困難なため臍帯血を収集する.以上がコホート調査の基本的な収集対象であるが,希望者に対しては地域支援仙台センターにおいてMRI測定を行い頭部および腰部から膝部までの2か所の画像情報も収集する.
東北メディカル・メガバンク計画で実施しているコホート調査の種類と地域別内訳.検体はコホート調査の対象によって一部異なる.調査票は全国共通の項目に加え,被災地における調査として災害関連項目を追加.
集めた生体試料は当機構に速やかに搬送後,まず専門の担当者により匿名化作業を行う.匿名化され識別番号が振られた試料はバイオバンク室において試料ごとにそれぞれ処理され保管・管理される(図2).我々のコホート調査では収集した試料はすべて当機構のバイオバンク室で一括して処理されるため,従来のコホート調査と比較してより均一な条件の検体が確保できるという利点がある.また血漿や血清用の採血管は試料中の生体分子の劣化を防ぐため採血会場から低温(保冷剤と温度ロガー入り,通常4~8°Cに維持される)コンテナで搬送される.バイオバンク室では検体処理における取り違えを防ぐため,血漿とDNAの分離や保存容器への分注作業等はすべてロボットで自動処理するシステムを構築した.また各保存容器には2次元コードチューブを使用することにより分注チューブごとに管理が可能となっている(図3).また手作業を含めたすべての工程は検体情報管理システム(laboratory information management system:LIMS)により管理している.これらの方法によりさまざまなコホート検体を正確にかつ効率よく処理することが初めて可能となった.処理され分注された各検体は,それぞれ最適な保存条件に設定した保管庫に保管される(図2).特に血漿,血清,DNAに関しては自動保管庫に保管され,各検体の保管や出庫はすべてコンピュータで管理・実行される.このように大規模コホート調査に際し収集される膨大な検体を適切に処理し保管・管理するバイオバンクを構築することで,当機構のオミックス解析は高品質な検体を解析することが可能となった.
生体内の分子を解析するオミックス解析には解析対象に応じてさまざまな方法があるが,当機構では今回タンパク質を解析するプロテオーム解析と代謝物を解析するメタボローム解析の2種類の解析手法に絞って,コホート調査で収集した血漿試料の網羅的解析を行った.オミックス解析の中で特にこの2種類の解析を行った理由は,これまでの報告で疾患マーカー候補として多数のタンパク質や代謝物の報告例があり,疾患発症のリスク評価の指標として最も有用と推定されたためである.また,近年の技術開発の進歩により血液中のタンパク質や代謝物を網羅的かつハイスループットに解析できる装置が利用可能になったことで,大規模コホート調査と組み合わせて多数の検体の解析が可能になったことも大きな理由の一つである.
プロテオーム解析については質量分析(MS)法で網羅的解析を行った.この方法は前処理した検体を液体クロマトグラフィー(LC)のカラムで分離後,質量分析装置で質量電荷比を求めることで,血漿中のさまざまなタンパク質を高感度に網羅的に解析する.これに対し,メタボローム解析に関しては同じく質量分析法による網羅的解析を行うとともに,核磁気共鳴(NMR)法による網羅的定量解析も行った(図4).これは,質量分析法は高感度なため網羅的解析に向いているが1検体あたりの測定時間が比較的長いのに対し,NMR法は感度は質量分析法に及ばないが測定時間が短いため,多検体のハイスループット解析に向いているからである.実際,イギリスのImperial CollegeのNicholson教授のグループはNMRによる大規模メタボローム解析を行っている5).またフィンランドのコホート研究グループも8000人規模を対象とした大規模コホートメタボローム解析にNMR法を使用している1).当機構では質量分析法とNMR法を組み合わせることで大規模コホート調査のオミックス解析に必要な網羅性とハイスループット性の双方を実現している.
プロテオーム解析では,まず血漿中のタンパク質の前処理を行いペプチドに分解する.次に専用の液体クロマトグラフィー(nanoLC)が接続された質量分析装置にかけて測定を行う.装置はサーモフィッシャー社製で,Orbitrapと呼ばれる高分解能な検出装置を持つFT/MS装置により,血漿のような多種類のタンパク質を含む試料でも網羅的な解析が可能である.今回は同じ検体を3回測定して精度を向上させるとともに,時間を短縮するため4台の装置で平行して測定を行った.測定したデータはいったん自動的にストレージに格納された後,解析用PC上でデータベースによる解析を行い,該当するタンパク質を同定する.この過程も複数のPCによる並列処理により時間を短縮している.解析データは再度ネットワーク接続型ファイルサーバ(NAS)に保存され,最終的に測定データとともに当機構のスーパーコンピュータに保存される.データ容量としては1検体あたり測定データが1.5 GB×3で4.5 GB,解析データも同様で,合計9 GB(3回測定分)の情報が1検体あたり生じる.
質量分析法によるメタボローム解析は網羅的解析と標的解析の2種類の解析方法で行った.網羅的解析はウォーターズ社製のUPLC-TOF/MS(1台)とサーモフィッシャー社製FT/MS(1台)で解析した.前処理についてはロボットによる自動化を進め多検体同時処理を可能とした.前処理した血漿試料はプロテオーム解析と同様LCで分離後質量分析を行う.解析はプロテオーム解析同様専用のソフトウェアで解析を行い,最終的に網羅的解析の場合各ピークに該当する代謝物名のリストが得られる.
NMR法によるメタボローム解析はブルカーバイオスピン社製600 MHz NMR装置を活用した.この装置はCryoProbeと呼ばれる高感度な検出装置とSampleJetと呼ばれる自動試料管交換装置により,1日に100検体以上の血漿試料のハイスループット測定が可能である.前処理した血漿試料は専用の試料管に封入後,NMR装置により自動測定が行われる.解析は質量分析法と同様に専用のソフトウェアで行われ積分値データ(網羅的解析用)と代謝物の定量値の両方が得られる.
今回オミックス解析を行った血漿試料はすべてバイオバンクに保管された試料を用いており,条件のそろった質の高い試料を使用している.解析に際しては,実験の正確さと検体の匿名性を確保するため,各ステージを固有のIDで厳密に管理している.各試料には専用のIDが振られているため,しかるべき手続きを経て該当するIDを持つ血漿試料が保管された2次元コードチューブを出庫し,それにオミックス解析のための専用IDを振る.以後オミックス解析の測定・解析データはすべてこの専用IDで管理される.異なるID体系間の対応表は当機構のデータを集中的に管理する部門に保存され,オミックス情報とは異なるIDで管理されるゲノム情報や質問票の情報等との関連解析の際にはこの部門を介して情報が連結される.バイオバンクから出庫した検体はプロテオームやメタボローム解析用にそれぞれ別の2次元コードチューブに分注された後,各解析にまわる.得られた各測定・解析データは最終的にデータ管理部門に保管され,解析結果は当機構のスーパーコンピュータ上の総合的なデータベースに組み込まれる.各データの閲覧は指紋認証で管理された専用の記録媒体を持たない端末から行うことで,セキュリティを確保している(図5).以上により大規模コホート調査に必要な個人情報の保護と高度な解析の両立を達成している.
第3節のオミックス解析基盤を活用して,当機構では地域住民コホート調査に参加した成人501人の血漿の網羅的オミックス解析を行った.質量分析法とNMR法の2種類の解析法を用いて,血漿中の成分を網羅的かつ高精度にプロテオームおよびメタボローム解析を行ったのは例がない.また今回の解析対象者は全ゲノム解読がすでに完了しているため,3層のオミックス解析が完成したことになるが,これは筆者が知る限り世界で初めてである.本解析により日本人の健常人の血漿中の代謝物の濃度(頻度)分布やタンパク質の検出割合が明らかになり,今後行われるさまざまな疾患研究における正常対照として活用が見込まれる.我々はこのオミックス情報を「日本人多層オミックス参照パネル」(英語名:Japanese Multi Omics Reference Panel:jMorp)として広く内外の研究者に無償で提供することにし,2015年7月より当機構のウェブサイトで公開している.
今回ウェブサイトで公開した内容は,解析対象者501名の基本情報(年齢・性別・BMI)と,3種類の解析手法により同定・定量された生体分子の血漿中における分布情報である(表1).検索サイトには同定された代謝物やタンパク質の名称と平均値のリストが表示される他,目的の分子を検索窓で検索できるようになっている(図6).各分子のIDをクリックすると,それぞれの分子の血漿中における濃度(頻度)分布(タンパク質では検出された人の割合)の情報が,男女別の情報も含めて表示される(図7).グラフの下部には各分子の詳細な情報が記載されている公共の外部データベース[代謝物の場合HMDB(The Human Metabolome Database)やKEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes),タンパク質の場合UniProt]へのリンクがあり,必要に応じてその分子の情報を調べることができる.
項目 | 内容 |
---|---|
基本情報 | 性別・年齢・BMIの分布 |
NMRメタボローム解析 | 37代謝物の定量値の分布 |
MSメタボローム解析 | 同定された数百種類の代謝物の名称と頻度分布 |
MSプロテオーム解析 | 同定された数百種類のタンパク質の名称と検出された人の割合 |
健常人の血漿中のオミックス情報を分布情報まで公開しているサイトは「日本人多層オミックス参照パネル」が初めてであり,さまざまな用途が期待される.たとえば疾患患者の血漿中のタンパク質や代謝物を解析して結果を我々の健常人の参照パネルと比較することで,各疾患に特有な疾患マーカーを探索に役立てることができる.参照パネルを活用すれば,各分子の分布情報を元に正常値からどの程度はずれているか定量的に見積もることができるため,疾患の進行の程度だけではなく,生活習慣病や疾患予備群の早期診断を判断する材料としても使用できる.また服薬による効果を見積もる際にも対照として利用が見込まれる.一方,今回公開した分子は約500種類で,観測されたピークのごく一部であり,今後解析を進めて公開する分子の種類を増やす予定である.また我々のデータを正常対照として利用することにより,薬物服用者等の血液中に含まれる通常には存在しない薬物や未知の化合物の検出にも有用である.
現在我々は「日本人多層オミックス参照パネル」のさらなる高精度化を目指して,データの拡張を進めている.現在解析対象者を増やしてオミックス解析を進めており,数年以内に数千人規模の高精度「日本人多層オミックス参照パネル」を完成させる.これにより,血中の代謝物等の分布を年齢別に詳細に明らかにすることができ,より正確な疾患関連マーカーの評価が可能になる.同時にパネルの公開対象を増やしてより多くの分子に対応する.またコホート調査において追跡調査を行うことにより,加齢(成長)や生活習慣の変化に応じた血漿中の代謝物やタンパク質の変動を解析し,データベースに統合する.これにより加齢などが人体に与える影響を客観的に判断する指標を提供し,今後の研究や診断に役立てる.
現在進行中の大規模コホート調査では,血漿の他にDNA,尿,単核球のような生体試料の収集に加えて,通常の生化学検査や,調査票(食事や睡眠,飲酒,喫煙などの生活習慣や,被災状況などの災害関連事項を調べるためのアンケート)の収集も行っている.現在我々は,今回の血漿オミックス情報とこれらの情報との関連解析を進めているが,これら膨大な情報のデータクリーニングを行い大規模データベースに統合する作業は時間がかかるため,今回の総説には残念ながら間に合わなかった.しかし,すでにオミックス情報と,ゲノム情報や生化学検査情報等との関連解析では非常に興味深い結果が得られており,近日中に報告できる予定である(投稿中).
当機構のコホート調査の対象者は15万人と膨大であり,オミックス解析の対象者を増やすことで,より詳細な関連解析が可能である.また追跡調査やコホート内コホート研究,さらには症例対照研究などと協同することにより,疾患関連因子の探索や生活習慣病などの早期診断マーカー候補の探索を進める予定である.
近年の科学技術の進歩により,各個人の全ゲノム情報やメタボローム・プロテオーム情報を比較的短期間に解読することが可能となり,今後特に医療の分野ではオミックス情報の利用が飛躍的に高まることが予想される.また現在世界中の大規模コホート調査では,従来の調査票を元にした解析に加えて,ゲノムも含めた各種オミックス解析を組み合わせることが主流となりつつあり,今後は世界各地のコホート研究と連携してビッグデータどうしの融合が進むことが予想される.しかし,膨大なデータの中から意味のある内容を引き出すのは単純ではない.特にデータの品質は重要で,実験室のような均一な条件を得るのが不可能なコホート調査のような研究では事前の入念な準備が不可欠である.今回公開した「日本人多層オミックス参照パネル」のオミックス情報は当機構のスタッフの協力により非常に高品質なデータが得られたと自負しているが,今後解析対象を広げることでさらに高精度なオミックス参照パネルを公開し,内外の研究者にさらに活用してもらうことを目指して今後も研究を続けていくつもりである.
本研究に際し東北大学東北メディカル・メガバンク機構の皆様には多大なご協力をいただきました.この場を借りて厚く御礼申し上げます.特にバイオバンク室の峯岸直子教授,工藤久智助教,オミックス解析室の加藤恭丈講師,三枝大輔講師には本原稿の執筆に際し資料などご提供いただきありがとうございます.また当機構のコホート調査にご協力いただきました宮城・岩手両県の住民の皆様にも深く感謝いたします.
本研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構および文部科学省による東北メディカル・メガバンク計画の一環として行われています.
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2) Rhee, E.P., Ho, J.E., Chen, M.H., Shen, D., Cheng, S., Larson, M.G., Ghorbani, A., Shi, X., Helenius, I.T., O’Donnell, C.J., Souza, A.L., Deik, A., Pierce, K.A., Bullock, K., Walford, G.A., Vasan, R.S., Florez, J.C., Clish, C., Yeh, J.R., Wang, T.J., & Gerszten, R.E. (2013) Cell Metab., 18, 130–143.
3) Shin, S.Y., Fauman, E.B., Petersen, A.K., Krumsiek, J., Santos, R., Huang, J., Arnold, M., Erte, I., Forgetta, V., Yang, T.P., Walter, K., Menni, C., Chen, L., Vasquez, L., Valdes, A.M., Hyde, C.L., Wang, V., Ziemek, D., Roberts, P., Xi, L., Grundberg, E., Waldenberger, M., Richards, J.B., Mohney, R.P., Milburn, M.V., John, S.L., Trimmer, J., Theis, F.J., Overington, J.P., Suhre, K., Brosnan, M.J., Gieger, C., Kastenmüller, G., Spector, T.D., & Soranzo, N.; Multiple Tissue Human Expression Resource (MuTHER) Consortium. (2014) Nat. Genet., 46, 543–550.
4) Demirkan, A., Henneman, P., Verhoeven, A., Dharuri, H., Amin, N., van Klinken, J.B., Karssen, L.C., de Vries, B., Meissner, A., Göraler, S., van den Maagdenberg, A.M., Deelder, A.M., C’t Hoen, P.A., van Duijn, C.M., & van Dijk, K.W. (2015) PLoS Genet., 11, e1004835.
5) Holmes, E., Loo, R.L., Stamler, J., Bictash, M., Yap, I.K., Chan, Q., Ebbels, T., De Iorio, M., Brown, I.J., Veselkov, K.A., Daviglus, M.L., Kesteloot, H., Ueshima, H., Zhao, L., Nicholson, J.K., & Elliott, P. (2008) Nature, 453, 396–400.
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