生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
〒113-0033 東京都文京区本郷5-25-16 石川ビル3階 Ishikawa Building 3F, 5-25-26 Hongo, Bunkyo-ku Tokyo 113-0033, Japan
Journal of Japanese Biochemical Society 88(1): 36-43 (2016)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2016.880036

特集Special Review

IMMオミックスリファレンスパネルの取り組みProgress of Japanese Omics Reference Panels in Iwate Tohoku Medical Megabank Project

岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構生体情報解析部門Division of Biomedical Information Analysis, Iwate Tohoku Medical Megabank Organization, Disaster Reconstruction Center, Iwate Medical University ◇ 〒028–3694 岩手県紫波郡矢巾町西徳田2–1–1 ◇ 2–1–1 Nishitokuta, Yahaba-cho, Shiwa-gun, Iwate, 028–3694, Japan

発行日:2016年2月25日Published: February 25, 2016
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ヒトの疾患の発症にはゲノム多型による先天的な影響と,生活習慣やさまざまな環境曝露による後天的な影響が関与している.これらの要因を解明するための基盤整備として国内外のグループがゲノムと複数の組織・細胞のエピゲノム,トランスクリプトームの三つのオミックス情報を用いた複合オミックス解析を進めている.本稿では世界で進行中のこれらのプロジェクトを紹介するとともに,我々いわて東北メディカル・メガバンク機構が進めている健常人コホート血液検体を用いた3層オミックス解析についても紹介する.

1. はじめに

コホート研究とは,あるヒト集団における疾病の発症や増悪,死亡などのエンドポイントを長期にわたって追跡し,追跡開始時(ベースライン)に収集した臨床情報や生体マーカーとの関連を明らかにする研究手法である.このような前向きコホート研究は,選択バイアスが少なく,かつ時間性を保証できるため,曝露要因とアウトカムとの因果関係をみる上で最も優れた医学研究の方法である.米国のフラミンガム研究,日本の久山町研究などは,すでに50年以上の歴史を持っており,世界各地で多数のコホート研究が進行中である.

2002年に登場したゲノムワイド関連解析(genome-wide association study:GWAS)はゲノム全体を網羅する多型情報と疾患の有無や量的形質から感受性多型を同定する方法であり,現在までに17,000近い感受性多型が同定されている.この感受性多型を曝露の一つとして捉えるゲノムコホート研究は根拠に基づく医療(evidence-based medicine:EBM)の中でも高いエビデンスレベルであるため,ひとりひとりにあった予防や医療(個別化予防・医療)を実現するための非常に有用なツールとなりうる.ゲノムコホート研究において,精度の高い解析を行うためには全ゲノム中の多型をできるだけ網羅する必要があるが,同時に多数の検体を対象とするために研究のコストが増大する問題があった.しかし,次世代シークエンサーの登場によりゲノム解析のコストが劇的に低下したため,近年全ゲノムシークエンシング解析を利用したゲノムコホート研究が立ち上がり始めている.

一方で,ゲノム解析のみで説明できる要因に限界があることも判明している.それはほとんどの生活習慣病が遺伝的な素因と環境的な要因の双方の影響を受けて発症するためである.そのため,生体に蓄積された外部要因を反映するオミックス解析の必要性が高まっている.そこで,高精度な個別化予防・医療の実現のため,東北メディカル・メガバンク機構では岩手医科大学と東北大学が分担し,DNAメチル化,RNA,タンパク質,代謝産物を対象としたオミックス情報をコホートに組み込んだゲノムコホート研究を遂行している.

本稿ではいわて東北メディカル・メガバンク機構の取り組み,DNAメチル化解析,次世代予防医療について述べる.

2. いわて東北メディカル・メガバンク機構

平成23年3月11日に発生した東日本大震災により,東北3県を中心として太平洋側の広域にきわめて甚大な被害が生じた.これを受けて10年という期間を定めて復興庁が設置され,復興に関する行政事務が進められている.東北メディカル・メガバンク機構(東北MMB)は平成24年に復興庁と文部科学省の事業費により発足し,東北大学に東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)が,岩手医科大学にいわて東北メディカル・メガバンク機構(IMM)がそれぞれ設置された.現在は2015年に設立した国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)のプロジェクトとして推進している(図1).東北MMBでは被災地の復興のために以下の六つの取組みが進められている.岩手医科大学を例に簡単に紹介する.

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図1 いわて東北メディカル・メガバンク機構組織図

1)地域医療支援

従来から行ってきた地域医療支援と連携し,被災地域へ若手医師を派遣している.派遣期間の最大2倍の期間IMMで特命教員として研究することが認められている.

2)健康調査・健康向上

特定健康診査(いわゆるメタボ健診)に相乗りする形で,通常の健診に加えてアレルギー検査や胃の健康度検査,血糖,心臓と腎臓の検査を行っている.さらに,眼底検査や血管内皮機能検査,骨密度など高度な検査を行うことができるサテライトを県立病院など5か所に設置し,地域住民の健康調査と健康向上に役立てている.

3)医療情報の収集

震災により沿岸部の病院を中心に医療情報が破損紛失した.そこで,カルテ採録等の情報を収集し,複数の機関で共有することで災害時の紛失から情報を守るためのネットワークを形成している.

4)コホート研究

東北MMBでは8万人の地域住民(ToMMo 5万人とIMM 3万人)と7万人の三世代家族(ToMMoのみ実施)を対象としたコホート研究を行い,疾患発症に結びつく生活習慣などの関連解析を行う.さらにゲノム・オミックスを用いたゲノムコホート研究を推進し,ゲノム多型やオミックス変化と発症との関連解析を行っている.

5)次世代医療の開発と提供

個人ごとのゲノム解析,DNAメチル化解析,遺伝子発現解析,プロテオーム解析,メタボローム解析により,早期予防・早期診断を可能とする新たな測定技術の開発や,医薬品・診断薬などを通し,東北発の次世代医療の実現を目指す.ToMMoがDNA(ゲノム),タンパク質(プロテオーム),代謝産物(メタボローム)解析,IMMがDNAメチル化(メチローム),遺伝子発現(トランスクリプトーム)解析を分担して行っている.

6)東北地方での医療産業の拠点形成

次世代医療の開発と提供を通して,既存の地元企業との連携や東北地方への医療産業の誘致により,東北地方での医療産業の拠点形成を目指している.

IMMでは六つの部門を設置し,上記六つの取組みを進めている.著者らが所属する生体情報解析部門の教員はメガバンク・データ管理部門の業務を兼任し,主に2)の健康調査・健康向上,4)のコホート研究,5)の次世代医療の開発と提供を進めている.

さらに,東北MMBでは日本人の標準ゲノム,オミックスを構築し,公開することで日本における医学・生物学の発展に資することを目的としている.ToMMoにおいては2015年に1000人分の日本人全ゲノム解読(whole genome sequencing:WGS)を報告しており1),500人規模の血漿プロテオーム,血漿メタボローム解析の結果についてもウェブサイト上に公開している(https://jmorp.megabank.tohoku.ac.jp).IMMでは100人規模の血液の全ゲノムDNAメチル化解析と発現解析を進行中であり,本年度中の公開を予定している.

3. 国内外の大規模ゲノム・オミックス解析とゲノムコホート研究

東北MMBでは平成25年からオミックス解析も対象としたゲノムコホート研究を開始しているが,国内外の複数の研究機関でも大規模なゲノム・オミックス解析やゲノムコホート研究に着手している.

1)国外の取り組み

a.1000ゲノムプロジェクト

1000ゲノムプロジェクト(1000genome project:1KGP)は2008年に米国のNational Human Genome Research Institute,英国のWellcome Trust Sanger Institute,そして中国のBeijing Genomics Instituteの三つのゲノムセンターの国際コンソーシアムにより開始された.名のとおり1,000人の全ゲノム解析を当初の目標としていたが,次世代シークエンサー(next generation sequencer:NGS)の性能向上に伴い目標値を上方修正し,26の人種からなる2,500人の全ゲノム解読を行っている2, 3).1KGPは実質的に2002年から始まったHapMapプロジェクトの後継プロジェクトであり,対象検体の多くがHapMapプロジェクトの検体である.1KGPの対象者は三つのカテゴリーに分かれており,1KGPのパイロット研究で用いたHapMapプロジェクトフェーズ1, 2の検体(日本人,中国人,ヨルバ人,ヨーロッパを起源に持つ米国人),HapMapプロジェクトフェーズ3の検体(メキシコ,インド,アフリカを起源に持つ米国人,イタリア人,ケニア人),そして1KGPで新規に収集された検体(フィンランド人,ペルー人,バングラデシュ人など)である.1KGPで解析されている100人の日本人の検体はすべてHapMapプロジェクトで収集された検体であり,2003年当時に東京在住の血縁関係のない131人のボランティアの血液検体から作製された不死化B細胞がもととなっている.ただし,アジア圏を含めたゲノムデータの主成分分析の結果からNA18977とNA19084の2例については両親あるいは祖父母が中国系の可能性が高いため,日本人解析の際には外すことが多い.また,検体は連結不可能匿名化されており,コホート研究のようなゲノムデータと医療情報などの関連解析は不可能となっている.

オミックス解析については1KPGの派生プロジェクトであるGeuvadis(Genetic European Variation in Health and Disease)プロジェクトによりヨーロッパ4人種とヨルバ人の計5人種465検体のゲノム多型と遺伝子発現の2層オミックス解析(eQTL)の結果が報告されており4),解析結果はwebsiteで公開されている(http://www.ebi.ac.uk/Tools/geuvadis-das/).

b.ENCODE

ENCODE(The Encyclopedia of DNA Elements)はヒトゲノム完了後すぐの2003年に始動した国際コンソーシアムであり,米国,英国,スペイン,日本,シンガポールの5か国によるプロジェクトである.ヒトゲノム計画完了当時はヒトゲノムの大部分は機能を持たないジャンクDNAであるとの意見もあったが,2006年までに行ったヒトゲノムの1%を対象とした徹底的な解析により,ヒトゲノムのほぼすべての領域が転写されること,また多数の非コードDNA領域には遺伝子の発現を調整する機能があることを報告した.パイロット研究の後に対象を全ゲノムに拡張し,2012年には解析結果を30報の論文として報告している5).この一連の解析では血液細胞や培養細胞を用いた転写開始点解析,非コードRNA分子の解析,クロマチン解析,ヒストン修飾解析が主に用いられ,現在はChIP-seqやRNA-seqの他にRRBS(reduced representation bisulfite sequence)によるDNAメチル化解析も含めた3,000以上の実験のデータすべてが公開されている(https://www.encodeproject.org/).

c.Epigenome Roadmap

米国のNIHでは2002年に医学研究推進のため,下部機関で進めるべき研究課題をNIHロードマップとして策定した.2007年にこのロードマップにエピゲノムの研究計画が加わり,Epigenome Roadmap(NIH Roadmap Epigenomics Mapping Consortium)として立ち上がった.Epigenome RoadmapはENCODEの成果を基盤として,ゲノムアノテーション,健常組織や血液などのDNAメチル化,ヒストン修飾,遺伝子発現,GWASとの統合解析,疾患エピジェネティクス,脳のエピゲノムなどの解析を進めており,2015年には111の標準エピゲノムの解読結果を含む一連の論文を発表している6)

d.IHEC

国際エピゲノムコンソーシアム(The International Human Epigenome Consortium:IHEC)は2010年に結成された米国,EU,イタリア,韓国,ドイツ,カナダ,日本からなる国際コンソーシアムである.さまざまな組織や細胞からなる1,000以上のヒト標準エピゲノムの作成を目的としており,データはすべて公開され,自由にダウンロードすることができる(http://epigenomesportal.ca/ihec/).IHECでは標準エピゲノムの作成のほか,環境要因(曝露)とエピゲノムの関連解析,疾患エピゲノム,加齢エピゲノムなども研究対象としている。

※BLUEPRINT:BLUEPRINTはIHECのヨーロッパのグループであり,IHECの中で血液の標準エピゲノムの解読を担当している.100人2細胞のWGS,全ゲノムバイサルファイトシークエンシング(whole genome bisulfite sequencing:WGBS)とRNA-seqによる3層オミックス解析を予定していたが,NGSのコスト低下を受け,200人3細胞(単球,好中球,CD4+ T細胞)に目標を上方修正している.

e.deCODE

deCODE genetics社は1996年に創立されたアイスランドの企業である.アイスランドは少数の移植者を祖とすること,また1000年以上の家系情報が存在するきわめてまれな地域であることから,deCODE社はアイスランド政府と提携しアイスランド国民の家系図や発症情報とゲノム解析によるゲノム創薬を掲げて研究を進めていた.しかし,生活習慣病の要因の大部分がGWASで同定した少数の疾患感受性多型では説明できない失われた遺伝率(ミッシングヘリタビリティ)の問題や,アイスランド政府そのものが財政危機を迎えた2009年のリーマン危機などにより,deCODE社は事実上破綻した.しかし,NGSの台頭とゲノムコホート研究の重要性の再認識により,deCODEの持つデータの重要性が上昇し,現在は最大級のゲノムコホート研究として再注目されている.2015年には2,636人の全ゲノムシークエンシングデータとマイクロアレイとインピュテーションによる10万人ジェノタイプデータなどから,8,000人の健康なアイスランド人に1200個もの機能喪失遺伝子があることなどを解明した7)

f.UKバイオバンク

慈善団体により運用されているUKバイオバンク(UK Biobank)は3,800人を対象としたパイロット研究の後に,2006年より40歳から69歳までの英国在住者50万人の検体収集を完了した.住所・氏名・生年月日・診療情報の他,身体測定結果や生活習慣,さらには教育,職業歴なども記録されている.検体は血液,尿,唾液が保存されており,試料や情報の分譲も可能である.UKバイオバンクはゲノムコホートでもあり,25年にわたる追跡調査を予定しており,80万か所の一塩基多型(SNPs)の搭載されたマイクロアレイによる50万人全検体のジェノタイピングをすでに終えている.さらに,2016年には50万人のインピュテーション済みのゲノムデータセットが完成する予定である.オミックス解析については,採血した血液そのものからではなく,不死化B細胞を用いたトランスクリプトーム解析を予定している.

g.UK10K

UK10Kプロジェクトは英国サンガーセンターによるゲノムコホート研究である.ただし,サンガーセンター自体はゲノムシークエンシングセンターであるため,母体となるTwinsUKとALSPACの二つのコホートから提供を受けた4,000検体の全ゲノム解析と,6,000の疾患エクソーム解析(精神障害患者3,000検体,肥満患者2,000検体,希少疾患1,000検体)を行い,2015年にケースコントロール研究の成果を発表した.解析結果はゲノムブラウザーで公開している8)(http://www.uk10k.org/dalliance.html).

h.Genomics England

2014年,英国政府はGenomics England社と米企業であるイルミナ社と連携し,サンガーセンターの協力も得て,2017年までに希少遺伝性疾患とがん,感染症の患者10万人の全ゲノムシークエンシングを終え,創薬や治療に役立てることを目標とすると発表した.特にこのプロジェクトでは英国の8か所の病院が協力して検体を提供し,患者に直接の利益を返すことが戦略として盛り込まれている.2015年10月現在5,000人の全ゲノムシークエンシングを終えている.

2)国内の取り組み

a.久山町研究

日本のコホート研究の先駆けである久山町研究は1961年に開始された前向きコホートであり,九州大学第2内科が主体となって福岡市から少し離れた人口8,400人ほどの福岡県糟屋郡久山町で50年以上続けられている.開始当初は当時日本において死亡率の高かった脳血管障害を対象としていたが,現在は脳卒中・虚血性心疾患,悪性腫瘍・認知症などのいわゆる生活習慣病を対象としている.2002年から始まった第4集団(約3,300人)の研究からは従来の疫学研究に加えてゲノム解析を組み合わせたゲノムコホート研究を開始しており,脳梗塞の原因遺伝子の同定なども報告している.

b.JPHC/JPHC-NEXT

多目的コホート研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study:JPHC)は国立がん研究センターが行っているコホート研究である.1990年からのコホートIと1993年からのコホートIIを合わせた14万人が対象者であり,対象地域は秋田,岩手,茨城,東京,新潟,長野,大阪,高知,長﨑,沖縄と全国にわたる.対象疾患はがんの他,脳卒中,心筋梗塞,糖尿病,うつ病,認知症などである.さらに2011年からは第2期コホートとして,ゲノム解析を含む包括的同意を取得した次世代多目的コホート研究(JPHC-NEXT)を開始している.目標数は10万人であり,第1期であるJPHCの対象地域を多く含んでいる.JPHCについてもゲノム解析の承認が得られており,全ゲノム解析やエクソーム解析,マイクロアレイによるDNAメチル化解析を始めている.

c.J-MICC

日本多施設共同コホート(Japan Multi-Institutional Collaborative Cohort:J-MICC)は10の大学と二つの研究機関からなる多施設型のコホートであり,それぞれの機関は共同体を形成しつつも独自の運営と研究も進めている.たとえば生活習慣病のうちがんに関連した追跡調査はJ-MICC全体で行っているが,脳卒中や心疾患,糖尿病などの他の疾患については個々の機関の裁量により,独自に進めている.現在は愛知がんセンターの代表がJ-MICCの主任研究者を務めており,名古屋大学が事務局を担っている.すでに10万人の参加者の検体を収集済みであり,一部はマイクロアレイによるゲノム解析とDNAメチル化解析済みである.

d.ながはま0次予防コホート事業

滋賀県琵琶湖のほとりにある長浜市の住民1万人を対象としたながはま0次予防コホート事業は,2007年より京都大学医学研究科と,市民により運用が開始された健康づくり0次クラブが連携して進めているゲノムコホート研究である.オミックス解析については血液のGC-MSにより100種類以上の物質のメタボローム解析行っており,一部の多型を対象としたゲノム解析も始めている.さらに,一部の参加者(298人)のマイクロアレイによる全血の遺伝子発現解析とゲノム多型解析も行っており,2層オミックス解析(eQTL)の結果を京都大学,東京大学,横浜市立大学,東北大学,国立成育医療研究センターの5か所の難病解析拠点による健常人1,208人のエクソームデータと統合し,websiteで公開している9)(http://www.genome.med.kyoto-u.ac.jp/SnpDB/).

e.鶴岡メタボロームコホート研究/鶴岡みらい健康調査

慶應義塾大学が主体となり進めている鶴岡メタボロームコホート研究は,東北MMBと同じ2012年に開始された山形県鶴岡市の市民と在勤者を対象としたゲノムコホート研究である.2014年には当初目標の1万人を達成し,25年間の追跡調査を進めている.特に慶應義塾大学先端生命科学研究所が従来から行ってきたメタボローム解析をコホート研究に取り入れており,血漿や尿をCE-MSにより解析することで数百種類の物質を測定している.

f.山形分子疫学コホート研究

山形分子疫学コホート研究は2010年6月より開始したゲノムコホート研究であり,山形大学が主体となっている.対象者は山形県住民1万4千人であり,がん,脳卒中,心筋梗塞,糖尿病,慢性閉塞性肺疾患などの生活習慣の環境要因と遺伝的素因の解明を目的としたゲノムコホート研究である.

g.BBJ

バイオバンクジャパン(Biobank Japan:BBJ)は理化学研究所と東京大学医科学研究所を中心に2003年に開始された疾患バイオバンクである.47疾患を対象に,全国より20万人,34万症例の患者のDNA,血清,臨床情報を蓄積しており,300か所近い新規の疾患関連遺伝子,薬剤関連遺伝子を同定している.現在は第3期(2013~2018年)にあたり,時代に即した対象疾患の改定を行った38疾患10万人の資料収集を進めている.また,上記のコホートと異なり,公的バイオバンクとして2005年から多数の外部機関に試料を配布している.

4. コホート検体のDNAメチル化解析の検討とIMMにおける3層オミックス解析

上記のように先行する国内コホートの多くはゲノムコホート研究を視野に入れて血液検体を凍結保存しており,ゲノム解析には十分な品質を担保していると考えられる.一方で東北MMBではコホート研究の中にオミックスの視点を取り入れた新たなゲノムコホート研究を進めているため,コホート検体において,ゲノム以外のメチローム,トランスクリプトーム,プロテオーム,メタボローム解析のための品質も担保することが非常に重要である.IMMではメチローム解析,トランスクリプトーム解析を進めているが,トランスクリプトーム解析においては核酸安定化剤を添加せずに保存した血液からの解析ではバイアスを生じるため,IMM以外の国内のコホート検体は利用が困難であることが判明した10).メチローム解析においてもコホートにおける検体の安定性やデータのバイアスについてこれまで検討がなされていなかったため,以下の三つの研究を行った.

  • 1)血液のDNAメチル化状態の個人内変動についての検討
  • 2)種々の検体処理・保存条件による血液のDNAメチル化バイアスと補正方法の確立
  • 3)全ゲノムバイサルファイトシークエンシング(WGBS)によるDNAメチル化解析の際のマッピングソフトウェアの比較

個人内変動とバイアス補正の研究結果から,東北MMB,および国内の先行コホート研究で保存されている血液のDNAメチル化解析は十分可能であると結論づけた11).ここでは3)のマッピングソフトウェアの比較について紹介する.

NGSによる全ゲノム解析やエクソーム解析のマッピングでは現在bwaがよく使われており,他にイルミナ社のELANDなども使われている.トランスクリプトーム解析ではbowtieを内包したtophatが使われている.DNAメチル化解析でもbowtieを内包したBismarkがよく使われているが,前二者が90%以上のマップ率であるのに対し,60%と低いマップ率にとどまっている.これはDNAメチル化解析ではメチル化状態の判別のために用いるバイサルファイト反応により非メチル化シトシンのウラシルへの変換が生じることで塩基のバラエティが減少することが原因である(図2).そこで,我々は以下のように既知のマッピングソフトウェアを比較することで,より効率的なDNAメチル化解析の手法について検討した.

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図2 バイサルファイト反応

亜硫酸水素処理により,シトシンがウラシルに変換するが,メチル化を受けているシトシンは反応しないため,バイサルファイト反応後の配列(または塩基)を決定することで対象の塩基のメチル化を測定できる.

ボランティア1人の末梢血単核球(PBMC)からDNAを抽出し,HiSeq2500のRapid run paired end modeによるWGBSを行った.シークエンシングデータから926万リードペアを選択し,3種のソフトウェアのマップ率を比較した.bismarkでのマップ率は55%程度であり,Bsmoothでは91%,novoalignでは89%のマップ率であった.novoalignにおいてはパラメーターを調整することで最終的に92%のマップ率まで向上させることができたため,IMMではnovoalignをWGBSのマッピングソフトとして採用した(図3).続いてWGBSにおける必要なデータ量の推定のため,平均深度とカバー率について検討した.HiSeq2500のHigh output modeにより1フローセル(26億リード)のWGBSを行った.得られたデータをnovoalignによりヒトリファレンス配列(hs37d5.fa)にマッピングし,全CpGあたりのカバー率を算出したところ,×30のデータ量があれば全CpGの82%を×10以上でカバーできることが判明した(図4).

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図3 ソフトウェアごとのマップ率の比較

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図4 WGBSの平均深度とCpGカバー率

以上のようにコホート検体におけるメチローム解析,トランスクリプトーム解析の手法を確立できたため,IMMでは日本人オミックスリファレンスパネルの構築に着手した.102人のIMM参加者の血液検体をセルソーターにより細胞別に分取し,活発な貪食能を有する自然免疫細胞である単球とヒトの免疫系に必要不可欠であるCD4+ T細胞(ヘルパーT細胞)を今回の解析対象とした.分取した細胞から,AllPrep DNA/RNA Micro Kit(QIAGEN社)を用いてDNAとRNAを抽出し,EZ DNA Methylation-Gold Kit(ZYMO Research)とEpiGenome Methyl-Seq Kit(epicentre)によりWGBS用のDNAライブラリーを,TruSeq RNA Sample Preparation KitによりRNA-seq用のRNAライブラリーを調製した.HiSeq2500によりWGBSでは平均カバー率×32のデータを,RNA-seqは平均3,000万リードのデータを取得した.現在,これらのオミックスデータとToMMoで行ったWGSとを合わせた3層オミックス解析を進めている.3層オミックス解析により日本人オミックスの多様性が確認できる他,GWASにより同定された疾患感受性多型と遺伝子の関連性を見いだすことが期待できる.GWASでは17,000以上の表現型や疾患に関連した感受性多型が報告されているが,その80%は非コード領域に存在する.そのため,疾患と関連のある多型と関連する遺伝子が同定されていない.今回の我々の3層オミックス解析では多型とDNAメチル化(mQTL),多型と遺伝子発現(eQTL),DNAメチル化と遺伝子発現(eQTM)の関連解析を行うため,GWASにより同定された多型と直接関連する遺伝子を同定できる可能性があり,疾患の機序,あるいは創薬に資する可能性がある(図5).これらの解析結果については2015年度中の公開を目指している.

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図5 IMMの目指す3層オミックス解析

5. Precision Medicine

2003年に完了したヒトゲノムプロジェクトの成果をベースとして,1000ゲノムプロジェクトやGWAS,あるいはファーマコゲノミクスの研究成果から,ヒトの多様性と個々人に合った治療や予防が必要であるとの観点により個別化医療・個別化予防(Personalized Medicine)の重要性の認識が高まった.東北MMBでは2012年よりToMMoとIMMが連携し,ゲノムコホート研究を推進することで震災からの復興と地域住民の健康向上,さらには個別化医療・個別化予防の社会実装を目指している.また,前項までに示してきたとおり,国内外のコホート・バイオバンクも直接・間接の違いはあるものの参加者への研究成果の還元を目指している.

このような中,2015年1月に米国オバマ大統領がPrecision Medicine Initiativeに2億1,500万ドルを投入することを発表した.会見では従来のPersonalized Medicineの持つ意味を超えるPrecision Medicineという用語が用いられた.次世代シークエンサーの登場により個々人の全ゲノム情報を得ることが容易になったこと,またウェアラブルデバイスなどのハードウェアやバイオインフォマティクスなどのソフトウェアの発展により,多方面からシステマティックに個人の健康状態を把握できるようになったことから,Precision Medicine Initiativeには従来のPersonalized Medicineで進めてきた多型に基づいた医療だけではなく,100万人のゲノムコホートによる前向き研究,新規治療法開発,多数のコホートの連携のための試料とデータ共有の方法,プライバシーとセキュリティを担保する運用体制の構築,データベース開発など,ゲノムに基づく大規模な医療体制を実現するための多種多様な課題の取り組みが含まれている.このPrecision Medicine Initiativeのコホート研究では100万人を対象としたゲノムデータと医療情報などの収集を予定しているが,すべて新規に参加者をリクルートするのではなく,既存のコホートの活用も予定しているため,コホート間の試料・情報の共有はこれからの課題である.

一方,東北MMBでは15万人の参加者のコホートを構築し,ゲノム解析と追跡調査により遺伝的素因と環境要因を考慮した疾患発症の機序の解明を進めている.その事業の中で,要因解析,新規バイオインフォマティクスツールの開発,統合データベースの構築,疾患発症の予測法の開発などを行うとともに,先行する国内コホート・バイオバンクとの共同研究を通して互いの試料・情報の利活用を進めており,それぞれの参加者を合わせると50万人規模の連携コホートとなっている.すなわち,東北MMBではオバマ大統領が掲げるPrecision Medicineをすでに先行して進めていることを意味しており,日本におけるPrecision Medicineの実現に東北MMBの果たす役割は非常に大きい.

6. おわりに

本稿では,国内外の主要なゲノムコホート研究とともに,我々いわて東北メディカル・メガバンク機構が進めているオミックス情報を含めたゲノムコホート研究について概説した.次世代シークエンサーの発達により個人のゲノム・オミックス情報が高精度に分析できるようになった現在,Precision Medicineの実現に向けたゲノムコホート研究が世界中でさらに活発に推し進められるだろう.日本では,東北MMBを含めた国内コホート・バイオバンクの連携により,世界に先行してPrecision Medicineの実現に向けた研究が進んでいる.このような中で,我々いわて東北メディカル・メガバンク機構は,疾患の機序解明あるいは創薬に向けた多大な貢献を切に願いつつ,3層オミックス解析による関連解析を精力的に進めていきたい.

謝辞Acknowledgments

本研究を進めるにあたり,東北大学東北メディカル・メガバンク機構の先生方,いわて東北メディカル・メガバンク機構の先生方,特に疫学について指導くださりました丹野高三先生,採血に協力してくださりましたGMRCの皆様,当教室の教室員の皆様に感謝いたします.また,東北メディカル・メガバンク機構に協力いただきました岩手県,宮城県の住民の方々,自治体の方々,保健師の皆様に深く感謝いたします.

本研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構,復興庁,文科省の支援による東北メディカル・メガバンク事業として進めています.

引用文献References

1) Nagasaki, M., Yasuda, J., Katsuoka, F., Nariai, N., Kojima, K., Kawai, Y., Yamaguchi-Kabata, Y., Yokozawa, J., Danjoh, I., Saito, S., Sato, Y., Mimori, T., Tsuda, K., Saito, R., Pan, X., Nishikawa, S., Ito, S., Kuroki, Y., Tanabe, O., Fuse, N., Kuriyama, S., Kiyomoto, H., Hozawa, A., Minegishi, N., Engel, J.D., Kinoshita, K., Kure, S., & Yaegashi, N. (2015) Nat. Commun., 6, 8018.

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3) Sudmant, P.H., Rausch, T., Gardner, E.J., Handsaker, R.E., Abyzov, A., Huddleston, J., Zhang, Y., Ye, K., Jun, G., Hsi-Yang Fritz, M., Konkel, M.K., Malhotra, A., Stütz, A.M., Shi, X., Paolo Casale, F., Chen, J., Hormozdiari, F., Dayama, G., Chen, K., Malig, M., Chaisson, M.J., Walter, K., Meiers, S., Kashin, S., Garrison, E., Auton, A., Lam, H.Y., Jasmine Mu, X., Alkan, C., Antaki, D., Bae, T., Cerveira, E., Chines, P., Chong, Z., Clarke, L., Dal, E., Ding, L., Emery, S., Fan, X., Gujral, M., Kahveci, F., Kidd, J.M., Kong, Y., Lameijer, E.W., McCarthy, S., Flicek, P., Gibbs, R.A., Marth, G., Mason, C.E., Menelaou, A., Muzny, D.M., Nelson, B.J., Noor, A., Parrish, N.F., Pendleton, M., Quitadamo, A., Raeder, B., Schadt, E.E., Romanovitch, M., Schlattl, A., Sebra, R., Shabalin, A.A., Untergasser, A., Walker, J.A., Wang, M., Yu, F., Zhang, C., Zhang, J., Zheng-Bradley, X., Zhou, W., Zichner, T., Sebat, J., Batzer, M.A., McCarroll, S.A., Mills, R.E., Gerstein, M.B., Bashir, A., Stegle, O., Devine, S.E., Lee, C., Eichler, E.E., & Korbel, J.O.; 1000 Genomes Project Consortium (2015) Nature, 526, 75–81.

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7) Gudbjartsson, D.F., Helgason, H., Gudjonsson, S.A., Zink, F., Oddson, A., Gylfason, A., Besenbacher, S., Magnusson, G., Halldorsson, B.V., Hjartarson, E., Sigurdsson, G.T., Stacey, S.N., Frigge, M.L., Holm, H., Saemundsdottir, J., Helgadottir, H.T., Johannsdottir, H., Sigfusson, G., Thorgeirsson, G., Sverrisson, J.T., Gretarsdottir, S., Walters, G.B., Rafnar, T., Thjodleifsson, B., Bjornsson, E.S., Olafsson, S., Thorarinsdottir, H., Steingrimsdottir, T., Gudmundsdottir, T.S., Theodors, A., Jonasson, J.G., Sigurdsson, A., Bjornsdottir, G., Jonsson, J.J., Thorarensen, O., Ludvigsson, P., Gudbjartsson, H., Eyjolfsson, G.I., Sigurdardottir, O., Olafsson, I., Arnar, D.O., Magnusson, O.T., Kong, A., Masson, G., Thorsteinsdottir, U., Helgason, A., Sulem, P., & Stefansson, K. (2015) Nat. Genet., 47, 435–444.

8) The UK10K Consortium (2015) Nature, 526, 82–90.

9) Narahara, M., Higasa, K., Nakamura, S., Tabara, Y., Kawaguchi, T., Ishii, M., Matsubara, K., Matsuda, F., & Yamada, R. (2014) PLOS ONE, 9, e100924.

10) Ohmomo, H., Hachiya, T., Shiwa, Y., Furukawa, R., Ono, K., Ito, I., Ishida, Y., Satoh, M., Hitomi, J., Sobue, K., & Shimizu, A. (2014) PLOS ONE, 9, e104283.

11) Shiwa Y., Hachiya T., Furukawa R., Ohmomo H., Ono K., Kudo H., Hata J., Hozawa A., Iwasaki M., Matsuda K., Minegishi N., Satoh M., Tanno K., Yamaji T., Wakai K., Hitomi J., Kiyohara Y., Kubo M., Tanaka H., Tsugane S., Yamamoto M., Sobue K., & Shimizu A. (2016) PLOS ONE, 11, e0147519.

著者紹介Author Profile

古川 亮平(ふるかわ りょうへい)

岩手医科大学災害復興事業本部いわて東北メディカル・メガバンク機構生体情報解析部門特命助教.博士(理学).

略歴

1977年福岡県北九州市生まれ.2005年慶應義塾大学理工学部化学科卒.12年慶應義塾大学大学院理工学研究科にて学位取得.専門は細胞生物学,発生生物学.13年より現職.

研究テーマと抱負

ソーティングした血液細胞のオミックス解析において主にメチローム解析を担当し,DNAメチル化のバリエーションが個体の多様性とどう結びつくのか解析を進めている.仲間と協力しながら精度の高い解析を目指したい.

ウェブサイト

http://iwate-megabank.org/about/departments/bioinfomation/

趣味

酒盛り,音楽,美術館めぐり.

清水 厚志(しみず あつし)

岩手医科大学災害復興事業本部いわて東北メディカル・メガバンク機構生体情報解析部門部門長代理,特命教授.博士(理学).

略歴

1971年神奈川県川﨑市生まれ.84年青山学院中等部に入学,以降15年間青山学院で過ごし,99年に大学院理工学研究科化学専攻にて学位取得.その後14年間慶應義塾大学医学部でゲノム医学研究に従事し,2013年より現職.

研究テーマと抱負

ヒトゲノム情報を活用し,次世代型予防医療を社会実装するのが目標.そのため,現在は仲間と共に個人ゲノム・オミックス解析,疾患リスク予測法の開発,遺伝情報に基づくリスクの返却の倫理的課題の解決に取り組んでいる.

ウェブサイト

http://iwate-megabank.org/about/departments/bioinfomation/

趣味

フェンシング,ワイン,料理.

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