Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会
Journal of Japanese Biochemical Society 88(1): 44-53 (2016)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2016.880044

特集

次世代シークエンサーを活用した全ゲノム解析によるイネ育種

1公益財団法人岩手生物工学研究センター ◇ 〒024–0003 岩手県北上市成田22–174–4

2神戸大学自然科学系先端融合研究環 ◇ 〒657–0013 兵庫県神戸市灘区六甲台町1–1

3理化学研究所統合生命医科学研究センター統計解析研究チーム ◇ 〒230–0045 神奈川県横浜市鶴見区末広町1–7–22

4沖縄県農業研究センター ◇ 〒901–0336 沖縄県糸満市字真壁820

5信州大学ヒト環境科学研究支援センター遺伝子実験部門 ◇ 〒386–8567 長野県上田市常田3–15–1

発行日:2016年2月25日
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日本の食料供給基地東北地方の農業を振興する目的で,優良な水稲品種が求められている.(公財)岩手生物工学研究センターでは,岩手県の水稲育種を促進する目的で,大規模水稲有用遺伝子資源の作出育成と,ゲノム情報を活用した有用遺伝子単離技術の開発を進めてきた.現在までに,東北主力品種「ひとめぼれ」の突然変異系統12,000系統を作出し,交配系統3,000系統を育成した.さらに,次世代シークエンサーを用いた全ゲノム解析により有用遺伝子領域を迅速に同定する手法として,MutMap法とQTL-seq法を開発した.これらの遺伝子資源と全ゲノム解析技術を活用してゲノム育種を推進し,4有用遺伝子を集積した「岩手117号」,耐塩性系統「Kaijin」などの有用水稲品種の育成に成功した.

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