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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 88(1): 71-77 (2016)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2016.880071

特集Special Review

老化・がん化耐性研究の新たなモデル:ハダカデバネズミと長寿動物を用いた老化学Towards understanding the mechanisms of negligible senescence and cancer resistance: Insights from naked mole rat and long-lived species

北海道大学遺伝子病制御研究所動物機能医科学研究室Hokkaido University, Institute for Genetic Medicine, Biomedical Animal Research Laboratory ◇ 〒060–0815 北海道札幌市北区北15条西7丁目 ◇ Kita15 Nishi7, Kita-ku, Sapporo, Hokkaido 060–0815, Japan

発行日:2016年2月25日Published: February 25, 2016
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寿命や疾患への耐性は,生物種間で非常に多様性がある.これまでにマウスやショウジョウバエといったモデル動物を用いた研究から老化を制御する因子・シグナル経路が明らかとなってきたが,他方で,長寿や疾患耐性を持つよう進化してきた生物種から老化・疾患予防のメカニズムを見いだそうとする試みがなされている.その一端として我々を含むいくつかのグループが,30年以上生き,がんにならない稀有な齧歯類であるハダカデバネズミを対象として研究を進めている.また近年のオミックス技術の発展から,非モデル動物が持つ適応機構を網羅的に解析することは,格段に容易なものとなってきた.本稿ではハダカデバネズミの老化・がん化耐性メカニズムに加え,デバネズミやコウモリ,クジラなど幅広い動物種の解析から示唆された長寿を実現する遺伝学的素因について概説する.

1. はじめに

健康で長生きすることは多くの人の願いである.近年の医学の発展によりわが国の平均寿命は年々延びているものの,心血管疾患やがんなどのさまざまな老化関連疾患や加齢に伴う身体・脳機能の低下によって,健康を維持したまま天寿を全うするのはいまだ難しい.これからの超高齢化社会において健康長寿を実現していくためには,老化や疾患が生じるメカニズムを包括的に理解し,こうした生体恒常性の破綻を予防・制御する方策を立てることが必要である.これまでいわゆるモデル動物(マウス・ショウジョウバエ・線虫など)を用いた解析が広く行われてきたが,近年の分子生物学的な解析技術の進歩から,有用な形質を有する非モデル生物を対象とした研究も新たな切り口として盛んになってきている.本稿では,我々が研究対象とするハダカデバネズミ(naked mole rat, Heterocephalus glaber)を中心に,長寿動物における最近の研究について紹介したい.

2. ハダカデバネズミとは

ハダカデバネズミは体重35 g程度の小さな齧歯類である.その名のとおり,全身はわずかな感覚毛が生えるのみでほとんど体毛がなく,口唇の前側に飛び出た大きな門歯を持っている(図1).野生下ではアフリカの角と呼ばれる一帯(エチオピア・ケニア・ソマリア)のサバンナの地下に,大きいものでは数kmにも及ぶトンネル状の巣を作り集団で生息している.この地下トンネルはガス交換に乏しく,また,生息密度が高いため,低酸素(~8%)かつ高二酸化炭素(>10%)という過酷な環境となっている.ハダカデバネズミはヘモグロビンの酸素親和性が高く,また痛覚受容に関わる電位依存性ナトリウムチャネル(Nav1.7 voltage-gated sodium channel)の変異により酸への非感受性を持つことが報告されており1, 2),こうした生息環境に適応していることがわかる.実験室ではアクリルボックスをパイプで複数連結したケージを用い,温度30°C・湿度60%に調節された通常大気下で飼育を行っている.地下生活へ適応したため視覚が退化しており,実際,視覚認知に関わる多くの遺伝子が機能を失っていることが報告されている3).飼育下のハダカデバネズミ(4~20歳)では白内障の症状が観察されているが4),これが通常酸素下での酸化ストレスによるものかは明らかではない.

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図1 ハダカデバネズミ

名前のとおり,裸で出っ歯である.成体になるまでには半年から1年ほどかかる.

このユニークな齧歯類は,「真社会性」と呼ばれる分業制の社会を形成することが見いだされたことにより,世界的に注目されるようになった.真社会性とは,昆虫のアリやハチにみられる,二世代以上が共存し,繁殖する個体とその繁殖を手伝う不妊個体からなる社会形態を指す.真社会性の特徴を持つ哺乳類は,ハダカデバネズミと近縁のダマラランドデバネズミ(Damaraland mole rat, Fukomys damarensis)のみである.ハダカデバネズミのコロニーでは,繁殖を行うのはひときわ大きな1匹の女王と1~3匹の王のみで,生殖機能の未発達な数十から数百匹の個体はワーカーやソルジャーとして巣内の仕事に携わっている.ハダカデバネズミの真社会性の成り立ちについての研究は諸説あるが,いまだ決定的なものはない.ハダカデバネズミの女王は生まれながらの女王ではなく,女王が不在になったときには,下位のメス達の中から新たな女王が出現する.実験下では下位のメス個体を女王から引き離すことで性成熟が始まり,人為的に女王化を誘導することが可能である.つまり,女王は威嚇や尿中に含まれる匂い物質など何らかの方法でコロニー内の他個体の女王化を抑制していると考えられる.ハダカデバネズミの女王化はどのように制御されているのだろうか.現在我々は,MRI(核磁気共鳴画像法)とCT(コンピュータ断層撮影)を用いたハダカデバネズミ三次元脳アトラスの作製を完了した5).これまでに女王と他のメス個体では脳の一部の形態が異なるとの報告がある6)が,その違いが女王化の原因か結果かは不明である.我々はこのアトラスをもとに,脳の形態・神経走行が女王とワーカーで差があるのか,さらにワーカーが女王になるときにどのような変化があるのかを生きたまま追跡し,解析を行っている.

3. 長寿命とがん化耐性

ハダカデバネズミが実験室で飼育されるようになり,驚くべき事実が判明した.野生から捕獲されたハダカデバネズミが20年を経過してもなお生存していたのである.一般に哺乳類の体重と寿命の間には正の相関があることが知られており,齧歯類でみてもカピバラ(45 kg,約10年)はマウス(30 g,約2年)に比べ寿命が長い.それに対し,ハダカデバネズミはマウスとほぼ同程度の大きさながら平均生存期間が28年,また,推定年齢42歳を超える生存個体が確認されている異例の長寿動物である(図2).これはヒトと同じく,体重から推定される寿命の5倍を生きていることになる.さらに,ハダカデバネズミは出生直後に高い死亡率がみられるものの,それ以降は加齢に伴う死亡率の上昇は認められず,生存期間の8割の期間は老化の兆候(活動量・繁殖能力・心血管機能の低下など)を示さない.また,28歳を超える超高齢個体では筋肉量の低下や加齢性色素であるリポフスチンの沈着といった加齢性変化が認められるものの,こうした個体を含め,飼育下で観察された800個体のハダカデバネズミにおいて自発的な腫瘍形成は1例も確認されていない7).これらの性質はコロニー内の役割に関わらず全個体で認められる.以上のように,ハダカデバネズミが老化およびがんなどの老化関連疾患に対し顕著な抵抗性を持つ哺乳類であることが2000年代ごろから見いだされ始め8),「老化・がん化抑制法」の開発のための新たなモデル動物として研究されるようになった.

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図2 齧歯類の体重と寿命の相関関係

大きい種ほど寿命が長い傾向がみられるが,ハダカデバネズミはその相関から大きく外れている.データは文献42より引用.

ハダカデバネズミの長寿に関して,これまでにモデル動物で示唆されてきた酸化ストレス仮説の検証が行われている.酸化ストレス仮説とは活性酸素種による細胞内高分子への酸化ダメージの蓄積が,加齢に伴う種々の機能障害の原因であると仮定するものである.意外なことに,ハダカデバネズミでは若齢個体においてもマウスと変わらないレベルの脂質過酸化・タンパク質カルボニル化・DNA酸化ダメージが認められ9),単純な抗酸化活性の増加が寿命延長をもたらしているわけではないことが示された.一方で,若齢個体(2歳)および高齢個体(24歳以上)をそれぞれマウスの6か月齢および28か月齢と比較したところ,ハダカデバネズミは高齢になってもタンパク質の構造の安定性に変化がなく,マウスでみられる高齢での酸化ダメージ・ユビキチン化の増大も起きないことが報告されている10).ハダカデバネズミではプロテアソーム活性に関わるnuclear factor erythroid 2-related factor(Nrf2)シグナル伝達系の活性増加やオートファジーの亢進がみられる11, 12)ことから,タンパク質の安定性に加え,異常タンパク質の除去機構の発達が長寿の実現に重要な役割を果たしていると考えられる.さらにタンパク質合成の正確性の高さ13)も,生体内のタンパク質恒常性維持に寄与している可能性が高い.上記の論文13)では,ハダカデバネズミの28SリボソームRNAにヒトやマウスにはない種特異的な切断部位が存在することも報告されているが,翻訳の精度との因果関係は現在のところ不明である.

また,ハダカデバネズミは長寿変異マウスやカロリー制限による寿命延長モデルと生理学的に類似した特徴(コア体温の低下,インスリンレベルの低下など)を持つ14).基礎代謝量の低下もその特徴の一つである.一般に,体サイズの大きい=長寿の生物では単位体重あたりの基礎代謝量が少ないことが知られており,動物種特異的なエネルギー代謝の変化と長寿化の間には関連があると考えられる.我々は線維芽細胞を用いた培養下での種間比較解析から,ハダカデバネズミはマウスと比べ細胞レベルで酸素消費速度が遅いこと,また,細胞の増殖速度も遅いことを明らかにした.我々は現在,代謝の低さを規定する経路を明らかにするために,細胞外フラックスアナライザーを用いた代謝解析を進めているところである.ハダカデバネズミはG1/S期の移行に関わるサイクリンE1に種特異的な配列変化が認められ3),細胞周期の変化が低代謝状態の形成に寄与していることも考えられる.興味深いことに,個体レベルでみてもハダカデバネズミの発生・成長速度はマウスの2倍以上遅い.in vitroで観察された細胞周期の抑制的な制御はin vivoでの発育の遅さ,ひいては長寿命の成立にも関与している可能性がある.

ハダカデバネズミはなぜ年をとっても老化しないのだろうか.若齢個体と高齢個体の脳のトランスクリプトームを比べた結果,ヒト・マウス・ラットで加齢により変動している遺伝子の多くがハダカデバネズミでは安定発現しており,なかには逆の変動パターンを示すもの(CYP46A1SMAD3)もあった3).また,二次元電気泳動を用いたプロテオーム・リン酸化プロテオーム解析によって,タンパク質恒常性に関わる9種類および代謝経路に関わる13種類のタンパク質の発現量やリン酸化レベルがハダカデバネズミの年齢依存的に変化することが示された15, 16).全身的な加齢の兆候を見せないハダカデバネズミにおいて変動しているこれらの因子が,老化を補償するような役割を担っているのかどうか,今後の解析が待たれる.

一方,がん化耐性については,ハダカデバネズミの線維芽細胞を用い,その細胞特性からがん化耐性を理解しようとする研究がなされている.

正常な細胞では,高密度になり互いに接触するようになると,細胞周期を停止し増殖を抑制する接触阻害と呼ばれる現象がみられる.一方,がん化した細胞ではこの能力が失われ,無秩序に増殖して腫瘍を形成するようになる.この現象をハダカデバネズミ線維芽細胞を用いて検証したところ,ヒトやマウスより顕著に低い細胞密度で接触阻害を起こすことが発見された17).この「早期接触阻害」はINK4a(inhibitors of cyclin dependent kinase 4a)というサイクリン依存性キナーゼ阻害因子の作用によるものであった.この早期接触阻害はSV40ラージT抗原の導入によるp53, Rb経路の阻害によって消失する.培養過程で生じた早期接触阻害能を失ったハダカデバネズミ変異細胞では,ヒトやマウスの細胞と同様に高密度まで増殖できるが,通常の接触阻害時に発現するサイクリン依存性キナーゼ阻害因子p27kip1によって増殖が停止する.このようにハダカデバネズミでは細胞の密度が増加するとまずINK4aが発現し,増殖を停止させるが,それが突破された場合でもp27kip1が発現することで異常増殖を防ぐ二重のバリアを形成していると考えられる.また,ハダカデバネズミの線維芽細胞はラットやマウス細胞のがん化を誘導するがん遺伝子(恒常活性化RasおよびSV40ラージT抗原)に加え,ヒトテロメア逆転写酵素であるhTERTを同時に導入しなければ,免疫不全マウスに移植した際の腫瘍形成能を持つことができない18).以上のようにハダカデバネズミは細胞レベルにおいてがん化誘導に抵抗性があることが示されている.

さらに,ハダカデバネズミのがん化耐性には,種特異的に高発現している高分子量ヒアルロン酸が関わっていることが報告された19).この高分子量ヒアルロン酸はハダカデバネズミ細胞から培地中に分泌されている.これを分解あるいはヒアルロン酸の主な受容体であるCD44の阻害剤存在下で培養すると,細胞は早期接触阻害を示さなくなった.つまり,高分子量ヒアルロン酸-CD44シグナル伝達が早期接触阻害を制御する細胞外シグナルであることが示唆された.またヒアルロン酸合成酵素のノックダウンあるいはヒアルロン酸分解酵素の過剰発現により高分子量ヒアルロン酸の減少したハダカデバネズミ細胞は,正常細胞とは異なり,前述した恒常活性化Ras/SV40ラージT抗原の2種のがん遺伝子導入のみでも,免疫不全マウスに移植した際に腫瘍を形成するようになった.高分子のヒアルロン酸は細胞周期を負に制御し,さらに炎症を抑える機能があるが20, 21),低分子ヒアルロン酸は逆の働きをすることが過去に報告されている22).ハダカデバネズミは高分子量ヒアルロン酸を多く発現することにより,がんになりにくく,さらに老化しにくい体を作っているのではないかと考えられている.ただし,この高分子量ヒアルロン酸はハダカデバネズミと同じくがん化耐性を持つメクラデバネズミ(blind mole rat, Spalax)でも発現しているもののがん化耐性に直接は関与していないと考えられており23),ヒトを含めた他種に応用した場合にどの程度の効果を持つか,生体内で機能しているかどうかといった問題は,今後の進展が待たれる.

ハダカデバネズミ特異的な高分子はリボソームRNA,ヒアルロン酸以外にタンパク質のアイソフォームも確認されている.INK4/ARF遺伝子領域は前述のINK4aおよびINK4b, ARF(alternative reading frame)という三つの代表的ながん抑制遺伝子をコードする.最近の研究からハダカデバネズミではこれら3種類以外にINK4aとINK4bがハイブリッドしたアイソフォームを持つことが判明した24).このアイソフォームのがん化耐性・老化耐性における役割はまだ不明だが,他のアイソフォームと同様に老化やストレス刺激によって上昇し,また細胞周期の進行を抑制する機能を有することが示されている.また興味深いことにハダカデバネズミのINK4aARF遺伝子には未成熟終止コドンが存在し,マウスやヒトと比較してアミノ酸配列が短くなっていることが知られている3).しかし,この配列変化により種々の遺伝子機能にどのような影響が生じているか,いまだ詳細な解析はなされていない.我々はこれまでにハダカデバネズミのINK4aARF遺伝子のクローニング,抗体作製等を行い,分子生物学的な解析基盤を確立してきた25).今後,INK4aおよびARFの種特異的な配列変化による詳細な機能差,個体のがん化耐性・老化耐性への寄与の有無を明らかにしていきたい.

さらに我々は,ハダカデバネズミ細胞をリプログラミングし,iPS細胞を樹立することに成功した.驚くべきことに樹立されたハダカデバネズミiPS細胞は多分化能を維持するものの,造腫瘍性を持たないことがわかった.このiPS細胞と樹立前の線維芽細胞のトランスクリプトームをマウス–ハダカデバネズミ間で比較することで,ハダカデバネズミのがん化耐性に関与すると考えられる特殊な遺伝子発現制御機構を見いだしている.ハダカデバネズミ特異的な遺伝子発現制御が,転写因子のタンパク質間相互作用や標的遺伝子の違いによるのか,それとも標的遺伝子側の制御領域の配列やエピゲノムの違いによるのかを,現在,解析を進めているところである.

4. 長寿動物の比較生物学

かつてはゲノム配列の解読は限られたモデル動物の利点であったが,次世代シークエンシング技術の急速な発展により,その状況は一変した.現在では,500を超える動物種のゲノム情報がNational Center for Biotechnology Information(NCBI)のゲノムリソースに登録されている.ハダカデバネズミのゲノムは2011年に解読された3).さらにその後,ハダカデバネズミと同様,長寿やがん化耐性機構を持つ他の動物種のゲノム・トランスクリプトーム解析が続々と報告されている(図3).

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図3 長寿動物の系統関係

本文中で話題にあげた長寿動物(枠線)の大まかな系統関係を示した.文献4, 29, 34を参照.

ダマラランドデバネズミは前記したように真社会性を持つハダカデバネズミの近縁種である.本種を含むAfrican mole ratの仲間はハダカデバネズミには及ばないが,長寿でがん化耐性を持つことが知られている.どういった変化がこれらの系統の特徴を規定しているのだろうか.ダマラランドデバネズミとハダカデバネズミゲノムの比較から,両種でともにFas-activated serine/threonine kinase(FASTK)遺伝子に多数の配列変化が生じ,不活性化されていることが明らかとなった4).最近の研究から,FASTK遺伝子の欠損によってミトコンドリアの電子伝達系酵素複合体I(complex I)の機能が低下することが報告されており26),デバネズミの低代謝に関連している可能性が考えられる.また,ハダカデバネズミとダマラランドデバネズミを含むヤマアラシ下目ではインスリンΒ鎖の配列が保存されておらず,構造変化によってインスリン活性が減少していることが示唆された.トランスクリプトーム解析からは,インスリン様増殖因子1(insulin-like growth factor 1:IGF1)の発現が低い一方で,ラットやマウスでは出生後低下するIGF2の肝臓での発現が,デバネズミ2種では維持されていることが確かめられた.前述したようにインスリンレベルの低下は多くの生物種において寿命の延長と関連する.インスリン/IGF軸に関わる遺伝子の配列および発現制御の違いが下流のシグナル伝達を変化させ,African mole ratの長寿命化をもたらしていると考えられる.他方で,体温調節に関与する遺伝子[uncoupling protein 1(UCP1)およびmelatonin receptor 1a(MTNR1a),MTNR1b]の変異や上述した28SリボソームRNAの切断部位の存在はハダカデバネズミのみでみられる特徴であった.MTNR1a/bのノックアウトマウスはインスリンの分泌が減少している27).ハダカデバネズミ特異的なこうした変化が,近縁種に比べ著しく長いハダカデバネズミの寿命や疾患耐性に影響を与えているのか,さらに他種へも応用可能なものなのか,興味のつきないところである.

また,真社会性ではないもののヘルパー個体の存在など高度な社会性を持つことが知られる近縁種(Fukomys anselliなど)では,繁殖個体の方が非繁殖個体より長寿であることが報告されている28).ハダカデバネズミにおける個体の地位による寿命の差ははっきりとは調べられていないが,女王化あるいは繁殖の有無に伴うエピゲノム・トランスクリプトームの変化は,ハダカデバネズミの長寿化にも何らかの示唆を与えてくれるかもしれない.

がん化耐性を備えた齧歯類として,ハダカデバネズミの他にメクラデバネズミが盛んに研究されている.メクラデバネズミは中東に生息する地下生活の齧歯類で,ハダカデバネズミよりも,マウスやラットと近縁である.長寿(21年)でがん化耐性を持つという特徴こそハダカデバネズミと似るものの,そのがん化耐性機構は大きく異なり,前がん細胞と周囲の細胞がネクローシスによって除去されることによると考えられている29).このネクローシスは細胞の過剰増殖に応答したインターフェロンβの放出によって制御されている.メクラデバネズミの一種Spalax galiliのゲノムを解析したところ,インターフェロンβ1をコードするInfb1をはじめ,細胞死の制御や炎症応答に関わる複数の遺伝子が重複していることが明らかとなった30).がん化の抑制に対して免疫炎症応答の亢進という,ハダカデバネズミとは異なる戦略をとったメクラデバネズミが老化耐性に関しても異なるメカニズムを備えているのか,今後の解析が待たれる.

哺乳類の中でも,コウモリは総じて寿命が長い.ブラントホオヒゲコウモリ(Brandt’s bat, Myotis brandtii)は体重4~8 gながら,40年以上生きることが知られている.本種のゲノムを解析した結果,成長ホルモン受容体(growth hormone receptor:GHR)およびIGF1受容体(IGF1 receptor:IGF1R)に変異が生じ,下流のシグナル伝達が阻害されていることが示唆された31).この変異は,大型でブラントホオヒゲコウモリより寿命の短いジャワオオコウモリ(Pteropus vampyrus)にはみられなかった.GHR, IGF1Rの配列変化が直接的に影響を与えているかは議論の余地があるが32),GH/IGF軸の変化によるFoxo1の発現上昇が,マウスや線虫の長寿変異モデルと同じく,寿命の延長に効果を発揮していると考えられる.GH/IGF軸の変化は,ハダカデバネズミにもみられることから,このシグナル経路の重要性がきわだっていることがうかがえる.また,別のコウモリ2種(Pteropus alecto, Myotis davidii)の解析からは,DNA損傷修復に関わる遺伝子がコウモリにおいてポジティブセレクションを受けていることが報告されている33).同様に,哺乳類の中で最長の寿命を持つホッキョククジラ(最長寿命>200年)では,DNA修復に関与する遺伝子(excision repair cross-complementing rodent repair deficiency, complementation group 1:ERCC1)やPCNA(proliferating cell nuclear antigen)の変異および重複が報告されている34, 35).さらにハダカデバネズミやメクラデバネズミのトランスクリプトーム解析でも,DNA修復関連遺伝子の発現の亢進が認められている4, 36, 37).以上のことから,タンパク質の安定性維持に加え,ゲノムを正常に保つ仕組みの進化が長寿化において重要なファクターであると考えられる.また,ホッキョククジラはハダカデバネズミと同じくコア体温が低いといわれている.面白いことに,ハダカデバネズミで種特異的変異が生じているUCP1遺伝子は,ホッキョククジラでは未成熟終止コドンが存在し,機能を失っている可能性がある34).熱産生能の変異がどのように老化耐性・がん化耐性に関与しているのか,我々も関心を持ち解析を始めている.

また,鳥類は体温や基礎代謝が高いにも関わらず,同サイズの哺乳類の約3倍長く生存する.カメ類のようにしばしば100年を超えるような寿命を持つ生物もいる.こうした哺乳類以外の動物種におけるオミックス研究も現在進められている38, 39).哺乳類の長寿とそれ以外の生物の長寿の共通性・相違性を明らかにしていくことで,老化予防のメカニズムにさらなるヒントが得られるかもしれない.

以上のように,多様な種のオミックスデータを比較することで,特徴的な形質がいかに獲得されてきたのか,また共通性はあるのかどうかを明らかにしようと試みられている40).気をつけなければならないのは,種間比較から見いだされた種特異的な配列変化などが必ずしも機能と相関しているとは限らないことである.たとえば,ハダカデバネズミの無毛という表現型は,hair growth associated(HR)タンパク質の機能ドメインの変異が原因であると示唆されていた.実際,ハダカデバネズミと相同な位置のアミノ酸が変異することでマウスやラット,ヒトの無毛表現型を生じることが報告されている.しかし多くの齧歯類のHR遺伝子を比較した結果,この変異はダマラランドデバネズミやモルモットなど有毛の近縁種にも広く認められ,機能と相関するというよりむしろ系統特異的な変化であることが明らかとなった41).また,ハダカデバネズミには低酸素応答のカギとなる因子であるhypoxia-induced factor 1a(HIF1a)にも変異があり,これがHIF1aの分解抑制を引き起こすのではないかと考えられていた3).だが,我々が調べた限りでは,ハダカデバネズミのHIF1aがマウスよりも安定的に存在しているという証拠は得られていない.このように大規模データはさまざまな示唆を与えてくれるが,種特異的な特徴をきちんと説明するためには,そこから得られる情報の取捨選択と地道な検証が重要になってくる.

5. おわりに

個体の寿命と疾患を制御するメカニズムに関して,従来のモデル生物だけでなく,いわゆる非モデル生物を用いた分子生物学的研究が可能となってきた.我々は,ハダカデバネズミの老化・がん化耐性という有用な特徴を解明すべく,iPS細胞誘導の実験系やトランスクリプトーム・メタボローム解析の系を取り入れて研究を進めている.がん化のバリアとしての遺伝子発現制御や細胞老化,低酸素適応による代謝動態の変化など,まだ多くの可能性を検証している段階ではあるが,今後根本的なメカニズムの証明に向けてさらなる解析に取り組んでいきたい.オミックス技術のさらなる発展,そしてゲノム編集技術の進歩によって,今まで研究対象とすることが難しかった多くの「面白い」動物を用いた分子生物学的研究が,今後10~20年で飛躍的に発展していくと期待される.

謝辞Acknowledgments

本稿で紹介した研究の一部は,北海道大学遺伝子病制御研究所動物機能医科学研究室ならびに慶應義塾大学医学部生理学IIで行われたものです.また,研究を推進するにあたり,非常に多くの共同研究者の方々にご協力いただきました.特に慶應義塾大学医学部生理学IIの岡野栄之先生および研究室の皆様,ハダカデバネズミをお譲りいただいた,東京大学大学院総合文化研究科の岡ノ谷一夫先生,MRI解析に関して,実験動物中央研究所の疋島啓吾先生,関史子先生,代謝解析に関して,慶應義塾大学医学部医化学教室の末松誠先生,南嶋洋司先生,杉浦悠毅先生,東京大学大学院医学系研究科循環器内科の武田憲彦先生,和氣正樹先生,トランスクリプトーム解析に関して,岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構の清水厚志先生,八谷剛史先生,情報・システム研究機構ライフサイエンス統合データベースセンターの坊農秀雅先生に大変お世話になりました.この場をお借りして,心よりお礼申し上げます.

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著者紹介Author Profile

岡 香織(おか かおり)

北海道大学遺伝子病制御研究所博士研究員.博士(生命科学).

略歴

2010年北海道大学理学部卒業.15年同大学院生命科学院博士課程修了.核内受容体研究からハダカデバネズミの老化研究へと大きく分野を変え,同年4月より現職.

研究テーマと抱負

なぜハダカデバネズミはがんにもならず,長く生きることができるのか,その低代謝や低酸素適応メカニズムに着目して研究を行っている.不思議な生き物の謎を解き明かしていきたい.

ウェブサイト

http://www.igm.hokudai.ac.jp/debanezumi/

趣味

食べること,サイクリング.

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