低分子量Gタンパク質Arf6の個体における多彩な生理機能
筑波大学医学医療系・人間総合科学研究科・生理化学教室 ◇ 〒305–8575 茨城県つくば市天王台1–1–1
発行日:2016年2月25日
Arf6は,シグナル伝達系において分子スイッチとして機能する低分子量Gタンパク質の一つであり,その生理機能が明らかになりつつある.これまでに細胞レベルでのArf6の機能に関する解析が精力的に展開されており,Arf6は細胞膜タンパク質のエンドサイトーシスやリサイクリング,細胞遊走などのアクチン細胞骨格の再構築を介した細胞膜ダイナミクスに伴う多岐にわたる細胞現象に関与することが知られている.それに加えて,近年,Arf6遺伝子改変マウスの作出やArf6シグナル伝達系阻害剤の開発によって,個体レベルでのArf6の生理機能も徐々に明らかになりつつある.本稿では,多様な生理機能を担うArf6のシグナル伝達系を概説し,我々のArf6遺伝子ノックアウトマウスを用いた最新の知見を含めて,近年明らかとなってきたArf6の個体レベルでの生理機能を紹介したい.
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