Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 88(1): 86-93 (2016)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2016.880086

総説Review

細胞外分泌因子FGF21による生体機能調節Secreted factor, FGF21, regulates diverse biological processes

神戸薬科大学・微生物化学研究室Department of Microbial Chemistry, Kobe Pharmaceutical University ◇ 〒658–8558 兵庫県神戸市東灘区本山北町4–19–1 ◇ 4–19–1 Motoyama-kitamachi, Higashinadaku, Kobe 658–8558, Japan

発行日:2016年2月25日Published: February 25, 2016
HTMLPDFEPUB3

多機能性細胞間シグナル因子である線維芽細胞増殖因子(FGF)は22種類存在し,それぞれ独自の生理的意義を有する.その一つであるFGF21は,肥満症や肥満症を発症基盤とする糖脂質代謝異常を改善する薬理作用を持つため,医学薬学分野において注目を集めており,医療への応用を目指した研究が世界中で進められている.また,近年では,薬理作用の解析や医療応用とともに,FGF21の生理的な意義についても解析が進められ,生体内でFGF21が誘導される条件や,エネルギー代謝調節を含むさまざまな生理的意義についても,次々と興味深い知見が集まりつつある.そこで,本稿ではFGF21について,その薬理作用から医療応用に向けた取り組み,さらにはその生理的意義を概説する.

This page was created on 2015-12-22T20:51:02.351+09:00
This page was last modified on 2016-02-18T13:53:06.118+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。