植物スフィンゴ脂質の構造多様性と代謝経路の解析
1 甲南大学大学院自然科学研究科 ◇ 〒658–8501 兵庫県神戸市東灘区岡本8–9–1 14号館 植物生化学研究室
2 甲南大学統合ニューロバイオロジー研究所 ◇ 〒658–8501 兵庫県神戸市東灘区岡本8–9–1 14号館
発行日:2016年2月25日
植物スフィンゴ脂質を網羅的に分析すると,グリコシルイノシトールホスホセラミド,グルコシルセラミドで全体のほぼ9割を占める.植物スフィンゴ脂質を動物や酵母に存在するスフィンゴ脂質と比較すると,スフィンゴ脂質の基本骨格である長鎖塩基の構造多様性により,非常に多くのセラミド分子が存在する.一方で,植物スフィンゴ脂質におけるセラミド分子の構造多様性は,グルコシルセラミドにのみ見つかるようで,その生理的意義は何か.本稿では,植物スフィンゴ脂質の構造と,その多様性をもたらす代謝酵素に関する最近の知見を概説したい.また,植物スフィンゴ脂質が持つ構造多様性を解析するための液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析(LC-MS/MS)による分析法のポイントとその課題について述べるとともに,最近の分析結果についても紹介したい.
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