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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 88(2): 182-191 (2016)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2016.880182

総説Review

遊離N型糖鎖(FNG)—その存在と多様な生成,分解機構Free N-glycans (FNG)—occurrence and diverse mechanisms for their formation and degradation

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発行日:2016年4月25日Published: April 25, 2016
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アスパラギン結合(N)型糖鎖はタンパク質の最も重要な翻訳後修飾の一つであり,タンパク質のフォールディングや細胞内/細胞外のタンパク質の局在,生理活性などに重要な役割を果たす例が数多く知られている.最近N型糖鎖およびその前駆体(ドリコール結合型糖鎖)から遊離される,構造上N型糖鎖と類似性を持つ遊離の糖鎖(遊離N型糖鎖,free N-glycan:FNG)がさまざまな生物種で生成することが示されてきている.その生成機構は単一でなく,生物種によっても大きく異なる.本稿では遊離N型糖鎖の生成,代謝機構について,主に出芽酵母と哺乳動物における研究について最新の知見を紹介したい.

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