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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 88(3): 287-295 (2016)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2016.880287

特集Special Review

IDH変異によるエピジェネティック変化と細胞形質Epigenetic alterations and biological phenomena caused by mutation in an IDH gene

東北医科薬科大学薬学部感染生体防御学教室Department of Infection and Host Defense, School of Pharmacy, Tohoku Medical And Pharmaceutical University ◇ 〒981–8558 宮城県仙台市青葉区小松島4–4–1 ◇ 4–4–1 Komatsushima, Aoba-ku, Sendai, Miyagi 981–8558, Japan

発行日:2016年6月25日Published: June 25, 2016
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近年,「オンコメタボライト」と称される特定の代謝産物が,発がん・がん進展に関与することが判明し,着目されている.その発端は,イソクエン酸デヒドロゲナーゼ1(IDH1)およびIDH2のミスセンス変異の発見である.変異タンパク質が産生するD-2-ヒドロキシグルタル酸(D2HG)は,α-ケトグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼ遺伝子群である,5-メチルシトシン水酸化酵素やヒストン脱メチル化酵素などを拮抗阻害することがin vitroで示されていたが,in vivoにおいては不明であった.D2HGがどの局面で,どの分子を標的とし,どのような異常をもたらすのかについて,Idh1変異マウスの解析から判明した知見について概説し,IDH変異によるエピジェネティックな制御異常に起因する発がん・がん進展機構について議論したい.

1. はじめに

ヒトゲノム計画の進捗による完全解読に伴い,がん研究の主体は「がん遺伝子」や「がん抑制遺伝子」の発見,およびその機能解析に注力されてきた.これらの研究により,遺伝子レベルでのがん発生・進展についての理解が著しく進んだ一方で,恒常的に細胞内外に存在する代謝産物とがん発生・進展との関連性についての研究は遅れていた.2008~2009年に,がん組織・細胞を用いた大規模ゲノム配列決定プロジェクトにより,イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(isocitrate dehydrogenase:IDH)遺伝子のミスセンス変異が報告され1, 2),かつ,その後の研究により,変異IDHタンパク質により産生される代謝産物であるD-2-ヒドロキシグルタル酸(D-2-hydroxyglutarate:D2HG)が,がんの発生・進展に寄与することが示された.このような,がんの発生・進展に直接的に寄与する代謝産物を「オンコメタボライト」と称し,現在ではオンコメタボライトの同定やその産生系,細胞への影響,阻害剤開発などの研究に発展を遂げている.本稿では,「オンコメタボライト」研究の先駆けとなった,IDH遺伝子変異について,その変異マウスの解析から明らかになった生理的な影響について焦点を当て,概説する.

2. がんにおけるIDH変異とD2HG産生

哺乳動物細胞において存在する3種類のIDHのうち,近年,多くのがんで,IDH1IDH2遺伝子に体細胞性のミスセンス変異がみられることが明らかになった.両タンパク質はいずれもホモ二量体で機能し,NADPを補酵素に用いるが,IDH1は主に細胞質に局在するのに対し,IDH2はミトコンドリアに局在する.現在までに多くのがんにおいて,IDH1 Arg132(R132)変異,IDH2 R172変異,ならびにIDH2のR140変異が確認されている(表1).IDH1およびIDH2の変異はヘテロであり,両遺伝子座がホモで変異している例は見つからない.加えて,IDH1およびIDH2の両遺伝子変異を獲得した例も見つからず,いずれかのヘテロ変異のみで必要十分であることが予想される.がん種別の変異頻度は,神経膠腫(60~90%)やAML(10~40%),血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(angioimmunoblastic T-cell lymphoma:AITL, 10~40%),軟骨腫瘍(50~70%),胆管がん(10~20%)で高い.各がん・腫瘍において,詳細な悪性度分類や病理組織学的な分類ごとに変異率や置換されるアミノ酸に傾向がみられるが,臨床科学的な分類や変異の傾向については,各論文や他の総説を参考にしていただきたい3)

表1 IDH1およびIDH2のミスセンス変異とヒトのがん
がんIDH1IDH2
中枢神経系腫瘍[グリオーマ,テント上原始神経外胚葉性腫瘍(sPNET)]R132HR172K
R132CR172M
R132SR172G
R132GR172W
R132L
R132V
急性骨髄性白血病(AML)
骨髄異形成症候群(MDS)
骨髄増殖性腫瘍(MPN)
R132HR172KR140Q
R132CR172GR140W
R132SR140L
R132G
R132L
急性Bリンパ芽球性白血病R132H
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)R172KR140G
R172S
R172G
R172T
芽球型形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)R140Q
軟骨腫(軟骨肉腫,内軟骨腫)R132HR172S
R132CR172M
R132SR172C
R132GR172K
R132L
R132Q
骨巨細胞腫R172S
胆管がんR132CR172K
R132SR172W
R132GR172M
R132LR172G
R172N
大腸がんR132C
腸管腺がん(クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患と関連)R132C
乳腺がんR132L
黒色腫(メラノーマ)R132C
R132H
前立腺がんR132HR172K
R132C
膀胱がんR132?
傍神経節腫(パラガングリオーマ)R132C
R132H

IDH1/2変異患者の細胞代謝物を用いた網羅的解析から,IDH1/2変異細胞ではα-ケトグルタル酸(α-ketoglutarate:αKG)と構造の類似したD2HG[R(−)-2-ヒドロキシグルタル酸とも称される]が高濃度で蓄積していることが明らかとなった4–6)in vitroでの解析により,IDH1/2変異タンパク質は,イソクエン酸とNADPからαKGとNADPHを産生する機能を消失する一方で,αKGとNADPHから直接的にD2HGとNADPを産生する機能を獲得することが明らかとなった(図1).

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図1 IDH1/2変異タンパク質により産生されるD-2-ヒドロキシグルタル酸(D2HG)のα-ケトグルタル酸ジオキシゲナーゼ阻害効果

IDH1タンパク質は細胞質に,IDH2タンパク質はミトコンドリアに局在する.野生型IDH1/2タンパク質は,NADPを補酵素に用い,イソクエン酸からα-ケトグルタル酸(αKG)を産生する.変異型IDH1/2は,αKG産生能を失う一方,NADPHを補酵素に用い,αKGからD2HGを産生する.D2HGはαKGジオキシゲナーゼの(1)EGLNs, (2) P4HAs/PLODs, (3) TETs, および(4)KDMsを阻害する.(1) EGLNs阻害の結果,HIF-1/2αタンパク質は安定化,(2) P4HAs/PLODs阻害の結果,コラーゲンの成熟障害,(3) TETs阻害の結果,シトシンの脱メチル化障害(5-メチルシトシンの増加・5-ヒドロキシメチルシトシンの減少),(4) KDMs阻害の結果,ヒストンの脱メチル化障害(メチル化ヒストンの増加)をもたらす.

3. D2HGとα-ケトグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼ

哺乳動物細胞には60を超えるジオキシゲナーゼが存在し,それらはαKGを共基質として利用する.それらは基質の種類によりさらにいくつかのグループに分けられるが,ここでは以下の4グループについて解説する.

1)低酸素誘導因子-1 α(hypoxia-inducible factor 1α:HIF-1α),HIF-2 αプロリン水酸化酵素群(線虫EGL9のホモログ:EGLNs)

HIF-1/2αサブユニットは,通常の酸素分圧下では,EGLNタンパク質群によりPro残基の水酸化を受ける.水酸化HIF-1/2αサブユニットは,E3ユビキチンリガーゼであるVHL(von Hippel Lindau)によりユビキチン化を受け,分解される.一方,虚血性疾患やがんなどにより低酸素状態に陥るとEGLNs活性は低下し,HIF-1/2αサブユニットの分解が抑えられる結果,HIF-1/2αサブユニットは核内へ移行し,HIF-βサブユニットと会合することで転写因子として機能し,低酸素に応答する遺伝子群の発現を亢進させる7)

2)プロコラーゲンプロリン水酸化酵素群(P4HAs),プロコラーゲンリシン水酸化酵素群(PLODs)

コラーゲン分子は,プロコラーゲンの形で翻訳された後,小胞体において分子内のPro残基およびLys残基がそれぞれP4HAsおよびPLODsにより水酸化を受ける.前者はコラーゲンのトリプルヘリックスの会合や熱安定性,後者は糖鎖付加に重要な役割を果たす8)

3)5-メチルシトシン水酸化酵素群(tet methylcytosine dioxygenase:TETs)

哺乳動物ゲノムのCpG配列中のシトシンは,DNAメチル基転移酵素により5位メチル化を受けることにより,遺伝子発現の抑制などの制御に関与している.TETsタンパク質は,5-メチルシトシン(5mC)を水酸化し,5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)を産生することで,5mCの脱メチル化に寄与し,エピジェネティクス制御に重要な役割を果たしている9)

4)ヒストン脱メチル化酵素群(lysine-specific demethylase:KDMs)

JmjCドメインを有するヒストン脱メチル化酵素群(KDMs)は,αKG存在下で,ヒストンタンパク質のメチル化リシン残基のメチル基の水酸化と,それに続くホルムアルデヒドの脱離による脱メチル化反応を触媒する.DNAのシトシンメチル化と同様,ヒストンタンパク質の修飾は遺伝子発現の制御に深く関わり,特にヒストンH3やヒストンH4の特定のLys残基のメチル化状態は,遺伝子発現のオン・オフに深く関わることが明らかとなり,ヒストンマークとして注目されている10)

D2HGはαKGと分子構造が近似しているため,αKG依存性ジオキシゲナーゼのうち,EGLNs, P4HAs, TETsおよびKDMsに対しての競合的な阻害活性が示された11, 12).一方,Koivunenらは,D2HGのエナンチオマーであるL-2-ヒドロキシグルタル酸がEGLNs阻害活性を有するのに対し,D2HGはEGLNsを活性化することを示しており13),D2HGのEGLNsに対する効果については,議論の余地が残されている.いずれにせよ,変異IDH1/2タンパク質により産生されたD2HGにより,多くのαKG依存性ジオキシゲナーゼ活性を変化させる結果,低酸素応答やエピジェネティクス制御を撹乱し,発がんに深く寄与する可能性が示唆された(図1).

4. Idh1変異ノックインマウスの表現型

IDH1/2変異が実際どのような生理的な影響をもたらすかを検討する目的で,我々はIdh1変異を有するコンディショナルノックイン(knock-in:KI)マウスを作製し,これまでに,Nestin-Creトランスジェニック(transgenic:Tg)マウスとの交配による神経幹細胞特異的14),LysM-Cre/Vav-Cre Tgマウスとの交配による造血幹細胞・ミエロイド系特異的15),Col2a1-Cre Tg/Col2a1Cre-ERT2(Col2-ERT2)Tgマウスとの交配による軟骨細胞特異的Idh1 KIマウスの解析を行った16).いずれのマウスも高度なD2HGの蓄積を認め,固有の表現型を呈した(図2).Idh1変異はNADPH産生の変化に起因する酸化ストレスとも関連があるが,その点については表2および文献14を参考にしていただきたい.

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図2 Idh1変異マウスの表現型

(A)胎生14.5日(E14.5),E16.5および生直後(P0)における,Nes-WTおよび,Nes-KIマウスの脳.Nes-KIマウスの脳ではE14.5から出血が確認され(矢印),発生に伴い出血が悪化する.(B) P0におけるNes-WTおよび,Nes-KIマウス脳の組織切片.Nes-KIマウスでは,極度の出血,細胞増殖低下,ならびに細胞死の亢進により,中脳を除く脳内の全領域において空洞化がみられる.(C)コントロール(ctrl)およびLysM-KIマウスの脾臓.LysM-KIマウスは脾腫を呈し,髄外造血がみられる.(D) ctrlマウスおよびLysM-KIマウスの骨髄と脾臓より単離した,Lineage細胞のフローサイトメトリー解析.LysM-KIマウスでは,造血幹細胞の指標であるcKitおよびSca1の陽性細胞数の増加が観察される.(E) Col2-WTおよびCol2-KIマウスのホールマウント・アルシアンブルー・アリザリンレッド骨格染色像.Col2-KIマウスは全身骨格の小型化(小人症)を呈し,胸骨の異形性を認める(矢頭).(F) Col2-WTおよびCol2-KIマウスのE16.5脛骨切片像.H&E染色(上段),アルシアンブルー・von Kossa染色(下段).Col2-KIマウスでは,脛骨の成長軟骨板の骨化の減少が観察される.(G) Col2ERT2-WTおよびCol2ERT2-KIマウスのタモキシフェン投与3か月後の大腿骨(上段)および脛骨(下段)のサフラニンO染色像.Col2ERT2-KIマウスでは,成長軟骨板近傍に内軟骨腫様の病変を認める.(A, B:文献14, C,D:文献15, E~G:文献16より引用)

表2 Idh1 KIマウスで観察された表現型
標的臓器(Creマウス)D2HGNADPHHIFsコラーゲン5mC/5hmCメチル化ヒストン
神経幹細胞(Nestin Cre)蓄積減少(ROSは減少)HIF-1α安定化IV型プロコラーゲンの水酸化Pro減少,水酸化Lys減少(未成熟化,小胞体ストレス惹起)5hmC減少変化なし
HIFs標的遺伝子発現増加
造血幹細胞・ミエロイド系(LysM Cre)蓄積変化なしHIFs標的遺伝子発現に変化なし未検討5mC増加H3K4me3増加
H3K36me3増加
H3K79me2増加
軟骨細胞(Col2a1 Cre)蓄積未検討HIFs安定化?(Vhl KOと類似表現型)Col10a1発現増加(D2HGによる阻害効果については未検討)未検討未検討

1)神経幹細胞特異的Idh1 KI(Nes-KI)マウス

Nes-KIマウスは器官形成期に死亡し,その原因を解析したところ,E14.5から脳内の出血を認め,それ以降極度の出血,さらに,それに伴う細胞死の亢進と細胞増殖の減弱に起因する脳内の空洞化が観察された(図2A, B).

Idh1変異が神経幹細胞分化に及ぼす影響を検討する目的で,神経幹細胞,グリア制限前駆細胞および両マーカー陰性細胞群に分け,それぞれの細胞数比較を行ったが,各群間で細胞数に顕著な差はみられず,少なくとも胎生期における神経分化過程への影響は小さいと考えられた.

2)造血幹細胞・ミエロイド系特異的Idh1 KI(LysM-KI/Vav-KI)マウス

LysM-KIマウスはメンデル比で生まれ,生存率についてもコントロールマウスと比較して有意な差は認められない.しかしながら,生後45週以降,貧血傾向,脾腫,ならびに髄外造血が観察された(図2C).血球系細胞の細胞表面マーカーを用いた詳細な検討から,LysM-KIでは,骨髄および脾臓において,造血幹細胞(Lineage,Sca1,cKit: LSK)と系列限定前駆細胞[lineage-restricted progenitors:LRPs(Lineage,Sca1,cKit,CD150,CD48)]の有意な増加が観察された(図2D).同様の傾向は,造血幹細胞特異的Vav-Creとの交配で得られたVav-KIマウスでも観察された.特筆すべき点として,LysM-KIマウスは髄外造血の亢進を認めたものの,白血病にまでは至らない.したがって,白血病への進行には,Idh1変異に加え,さらなる何らかの遺伝子異常が伴うことが推測された.

3)軟骨細胞特異的Idh1 KI(Col2-KI/Col2ERT2-KI)マウス

Col2-KIマウスは多くが胎生期に死亡し,誕生したマウスも離乳前に全例死亡した.全身の骨格染色像解析では,Col2-KIマウスは胸骨の異形性と気管支軟骨の奇形を認め,これらが致死の原因であると考えられた(図2E).E16.5の胚では,脛骨の成長軟骨板の骨化の減少と,軟骨細胞による円柱構造の破綻,軟骨細胞マーカーのX型コラーゲンの異所性の発現が観察された(図2F).初代培養軟骨細胞を用いた解析から,Col2-KI軟骨細胞は増殖亢進傾向を示し,軟骨細胞の分化マーカーであるRunx2,およびX型コラーゲン(Col10a1)の発現が上昇していた.さらに,内軟骨腫で発現亢進することが知られているGli1およびPtch1の発現亢進も確認された.

生後のマウスの解析のため,タモキシフェンによる誘導を可能にするCol2a1-CreERT2 Tgマウスを用いて解析を行った.Col2ERT2-KIマウスは,成長軟骨板近傍に内軟骨腫様の病変を認め,さらに,異所性のX型コラーゲンの発現がみられることから,軟骨分化異常が疑われた(図2G).

5. Idh1変異マウスの疾患発症メカニズム

1)EGLNs阻害による影響

Nes-KIマウスの胎仔脳における,D2HGによるEGLNsへの効果について,Hif-1αタンパク質量およびHIFs標的遺伝子発現を指標に解析を行った結果,Nes-KIマウスではHif-1αタンパク質の増加(安定化)と標的遺伝子の発現亢進が観察されたことから,D2HGによるEGLNs阻害を支持する結果が得られた(図3A, B).しかしながら,Nes-KIマウスは脳出血により虚血状態に陥っている可能性もあり,観察されたHif-1αタンパク質の安定化は,低酸素によるEGLNs阻害の結果による可能性も否定できない.Col2-KIでは,成長軟骨板の骨化の減少と軟骨細胞による円柱構造の破綻が観察されたが,これらはVhl欠損マウスでも観察されることから17),D2HGがHif-1/2αタンパク質の安定化を引き起こす可能性が考えられた.一方,LysM-KIの解析では,HIFs標的遺伝子の発現に変動がみられなかった(図3C).以上のことから,D2HGによるEGLNsへの効果は細胞種により異なることが示唆された.

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図3 D2HGによるプロリン・リシン水酸化酵素阻害

(A) Nes-WTおよびNes-KIマウスにおける,Hif-1αおよびアクチンタンパク質のウェスタンブロット解析.Nes-WTと比較してNes-KIではHif-1αタンパク質量の増加(安定化)が観察される.(B) Nes-WTおよびNes-KIマウスにおける,Hifs標的遺伝子群のmRNA発現.Nes-WTと比較してNes-KIではHif1a遺伝子発現に差がない一方で,Hifs標的遺伝子であるVascular endothelial growth factorVegf), Glucose transporter-1Glut-1), およびPhosphoglycerate kinase 1Pgk1)遺伝子の発現亢進が観察される.陰性コントロールには,Hifs非標的遺伝子としてAngiopoietin-1Ang1)を用いた.(C)コントロール(ctrl)およびLysM-KIマウスにおける,Hifs標的遺伝子群のmRNA発現.いずれの遺伝子においても発現に差はない.Pyruvate dehydrogenase kinase 1Pdk1), Hexokinase 1HK1), BCL2/adenovirus E1B interacting protein 3Bnip3). (D) Nes-WTおよびNes-KIマウスにおける,IV型プロコラーゲンαおよびアクチンタンパク質のウェスタンブロット解析.Nes-WTと比較してNes-KIではIV型プロコラーゲンαタンパク質量の増加(蓄積)および低分子量化(糖鎖付加障害)が観察される.(A, B,D:文献14, C:文献15より引用)

2)P4HAs/PLODs阻害による影響

Nes-KIマウスの出血の原因を探る目的で,基底膜の主要成分であるIV型コラーゲンの発現をSDS-PAGEにより確認した結果,Nes-KIマウスの胎仔脳細胞では,Nes-WTと比較して高度なIV型プロコラーゲンα1/α2の細胞内蓄積が認められた.プロコラーゲンは小胞体においてPro残基の水酸化後,細胞外へ輸送される.Nes-KI細胞ではD2HGによりP4HAsが阻害された結果,未成熟なプロコラーゲンが細胞内に蓄積したと考えられる.加えて,Nes-KIにおけるIV型プロコラーゲンα1/α2の泳動度はNes-WTと比較して早く泳動されることから,その分子量が小さいことが判明した.プロコラーゲンはPLODsによりLys残基の水酸化を受け,さらにその水酸基を介して糖鎖修飾を受ける.したがって,D2HGによるPLODs阻害は,糖鎖付加の障害をもたらし,低分子量化を引き起こしたと考えられた(図3D).これらの異常の結果,IV型コラーゲンの成熟が障害され,脆弱な基底膜が形成されたことが脳内出血の一因であると考えられた.

3)TETs阻害と5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)レベルによる影響

Nes-WTおよびNes-KIマウスにおける5hmCレベルを解析した結果,Nes-KIマウスでは5hmC量の減少がみられ,D2HGによるTETs阻害の結果であると考えられた(図4A).5hmCレベルは幹細胞およびその分化過程において変動するが,Nes-WTとNes-KIマウスにおける神経幹細胞およびグリア制限性前駆細胞の割合に差がないことから,幹細胞の維持とその細胞分化に大きな影響を与えないと推測された.

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図4 D2HGによるエピジェネティック変化

(A) Nes-WTおよびNes-KIマウスの神経幹細胞(NSC)とグリア制限前駆細胞(GPC)における,5hmCのドットブロット解析.Nes-KIマウスでは5-hmC量の減弱が観察される.(B)コントロール(ctrl)およびLysM-KIマウスにおける,ゲノム中のCpG部位メチル化シトシンの割合.LysM-KIマウスでは高度にメチル化されている割合が高い.(C) Nes-WTおよびNes-KIマウスのNSCとGPCにおける,ヒストンH3タンパク質のメチル化状態のウェスタンブロット解析.いずれのLys残基においてもメチル化状態に変化はみられない.(D)コントロール(ctrl)およびLysM-KIマウスの骨髄細胞から分化させたマクロファージ細胞における,ヒストンH3タンパク質のメチル化状態のウェスタンブロット解析.H3の4番目のLys (K4), K36, K79において,メチル化の亢進が観察される.(A, C:文献14, B,D:文献15より引用)

LysM-KIマウスのLSK細胞を用いた解析では,CpGメチル化シトシンの割合がコントロール群と比較して高く,染色体全体にわたり高度にメチル化を受けていた(図4B).さらに,発現遺伝子のパスウェイ解析では,造血細胞の増殖分化に関与するWntやNotch, TGFβパスウェイなどに関与する遺伝子群がメチル化の標的となっていることが示唆された.

AMLではIDH1/2変異とは別に,TET2の変異が高率でみられる.興味深いことに,TET2の変異とIDH1/2変異は排他的であり,両遺伝子変異を共有しない18).また,Tet2の遺伝子欠損マウスは白血病様の症状を呈する19, 20).これはD2HGがTET2の阻害活性を有することからも矛盾せず,5hmCレベルの変動が白血病発症に大きく寄与することを意味している.

4)KDMs阻害とヒストンメチル化による影響

Nes-KIマウスでは,ヒストンメチル化状態に顕著な差はみられない(図4C).詳細な原因は不明であるが,胎仔期の脳では,メチル化の制御が脱メチル化を上回っているため,D2HGによるKDMs阻害効果が表現型として現れなかった可能性が考えられる.さらに,神経膠腫発症とは異なり,脳の発生・分化は急速に発達を遂げる時期であるため,直接的な転写制御と異なり,エピジェネティックな制御は,影響を受けにくい可能性も考えられる.

一方,骨髄分化マクロファージを用いた解析では,LysM-KI細胞において転写の活性化に寄与するヒストンH3の4番目のリシン(K4),K36およびK79においてメチル化の亢進が観察された.しかしながら,すべてのLys残基がメチル化の亢進を示さなかった(図4D).IDH1およびIDH2変異体導入細胞を用いた解析においても,特定のLys残基のメチル化状態のみが変動を示し21),メチル化・脱メチル化酵素バランスや,さまざまなKDMsに対するD2HGの阻害効率の違いがメチル化状態に反映されると考えられる.

6. おわりに

我々の作製した変異マウスの解析により,IDH1/2変異によるD2HGの生物学的影響に関して,多くのことが明らかとなってきた.特に,in vitro解析と異なり,変異マウスではすべてのαKG依存性ジオキシゲナーゼ酵素に対して一様の阻害効果を示さず,臓器・細胞種により,その影響は大きく異なることが判明した(表2).また,ヒストンのメチル化酵素とKDMsのバランスや,どのLys残基を標的とするKDMかにより阻害の程度が異なることが示唆された点は非常に興味深い.臨床科学的な解析では,IDH1/2変異によるエピジェネティックな変化が,がん発症・悪性化に非常に密接に関与していることが示唆されている.たとえばグリオーマではIDH1変異とCpG配列やCTCF結合部位のメチル化状態が相関すること22–24),AMLではIDH1/2変異とTET2変異が排他的であることなどがあげられる18).我々の解析では,いずれのマウスにおいても悪性腫瘍化には至らなかった.その理由として,エピジェネティックな遺伝子制御異常から腫瘍形成に至るには,比較的長時間を要することが予想される.また,単独の遺伝子変異では不十分である可能性も否定できない.しかしながら,Idh1変異マウスでは,D2HGが悪性腫瘍の形成に寄与するいくつかの可能性についても見いだすことができた.さらに,他の研究グループにより作製されたIdh2R140Q Tgマウスは,Idh2変異タンパク質の発現が,Flt3ITDマウスで発症する骨髄異形性症候群を増悪させ,白血病へ進展させることを示している25).今後,Idh1/2変異が,がん発症や悪性化に対してどのような条件が必要であるかなどの解析が求められる.さらに,変異型IDH1・IDH2特異的な阻害剤も開発されており26–28),それらがいかに効率的にD2HG産生を抑制するか,阻害剤の効果はエピジェネティックな遺伝子制御に対して可逆的であるのか,それとも不可逆的であるのか,さらには,それらの知見から,変異IDH1/2タンパク質が治療標的として適しているかなど,重要な知見が得られると期待される.

引用文献References

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3) Cairns, R.A. & Mak, T.W. (2013) Cancer Discov., 3, 730–741.

4) Ward, P.S., Patel, J., Wise, D.R., Abdel-Wahab, O., Bennett, B.D., Coller, H.A., Cross, J.R., Fantin, V.R., Hedvat, C.V., Perl, A.E., Rabinowitz, J.D., Carroll, M., Su, S.M., Sharp, K.A., Levine, R.L., & Thompson, C.B. (2010) Cancer Cell, 17, 225–234.

5) Dang, L., White, D.W., Gross, S., Bennett, B.D., Bittinger, M.A., Driggers, E.M., Fantin, V.R., Jang, H.G., Jin, S., Keenan, M.C., Marks, K.M., Prins, R.M., Ward, P.S., Yen, K.E., Liau, L.M., Rabinowitz, J.D., Cantley, L.C., Thompson, C.B., Vander Heiden, M.G., & Su, S.M. (2009) Nature, 462, 739–744.

6) Gross, S., Cairns, R.A., Minden, M.D., Driggers, E.M., Bittinger, M.A., Jang, H.G., Sasaki, M., Jin, S., Schenkein, D.P., Su, S.M., Dang, L., Fantin, V.R., & Mak, T.W. (2010) J. Exp. Med., 207, 339–344.

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9) Ko, M., An, J., & Rao, A. (2015) Curr. Opin. Cell Biol., 37, 91–101.

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11) Chowdhury, R., Yeoh, K.K., Tian, Y.M., Hillringhaus, L., Bagg, E.A., Rose, N.R., Leung, I.K., Li, X.S., Woon, E.C., Yang, M., McDonough, M.A., King, O.N., Clifton, I.J., Klose, R.J., Claridge, T.D., Ratcliffe, P.J., Schofield, C.J., & Kawamura, A. (2011) EMBO Rep., 12, 463–469.

12) Xu, W., Yang, H., Liu, Y., Yang, Y., Wang, P., Kim, S.H., Ito, S., Yang, C., Wang, P., Xiao, M.T., Liu, L.X., Jiang, W.Q., Liu, J., Zhang, J.Y., Wang, B., Frye, S., Zhang, Y., Xu, Y.H., Lei, Q.Y., Guan, K.L., Zhao, S.M., & Xiong, Y. (2011) Cancer Cell, 19, 17–30.

13) Koivunen, P., Lee, S., Duncan, C.G., Lopez, G., Lu, G., Ramkissoon, S., Losman, J.A., Joensuu, P., Bergmann, U., Gross, S., Travins, J., Weiss, S., Looper, R., Ligon, K.L., Verhaak, R.G., Yan, H., & Kaelin, W.G. Jr. (2012) Nature, 483, 484–488.

14) Sasaki, M., Knobbe, C.B., Itsumi, M., Elia, A.J., Harris, I.S., Chio, I.I., Cairns, R.A., McCracken, S., Wakeham, A., Haight, J., Ten, A.Y., Snow, B., Ueda, T., Inoue, S., Yamamoto, K., Ko, M., Rao, A., Yen, K.E., Su, S.M., & Mak, T.W. (2012) Genes Dev., 26, 2038–2049.

15) Sasaki, M., Knobbe, C.B., Munger, J.C., Lind, E.F., Brenner, D., Brüstle, A., Harris, I.S., Holmes, R., Wakeham, A., Haight, J., You-Ten, A., Li, W.Y., Schalm, S., Su, S.M., Virtanen, C., Reifenberger, G., Ohashi, P.S., Barber, D.L., Figueroa, M.E., Melnick, A., Zúñiga-Pflücker, J.C., & Mak, T.W. (2012) Nature, 488, 656–659.

16) Hirata, M., Sasaki, M., Cairns, R.A., Inoue, S., Puviindran, V., Li, W.Y., Snow, B.E., Jones, L.D., Wei, Q., Sato, S., Tang, Y.J., Nadesan, P., Rockel, J., Whetstone, H., Poon, R., Weng, A., Gross, S., Straley, K., Gliser, C., Xu, Y., Wunder, J., Mak, T.W., & Alman, B.A. (2015) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 112, 2829–2834.

17) Pfander, D., Kobayashi, T., Knight, M.C., Zelzer, E., Chan, D.A., Olsen, B.R., Giaccia, A.J., Johnson, R.S., Haase, V.H., & Schipani, E. (2004) Development, 131, 2497–2508.

18) Figueroa, M.E., Abdel-Wahab, O., Lu, C., Ward, P.S., Patel, J., Shih, A., Li, Y., Bhagwat, N., Vasanthakumar, A., Fernandez, H.F., Tallman, M.S., Sun, Z., Wolniak, K., Peeters, J.K., Liu, W., Choe, S.E., Fantin, V.R., Paietta, E., Löwenberg, B., Licht, J.D., Godley, L.A., Delwel, R., Valk, P.J., Thompson, C.B., Levine, R.L., & Melnick, A. (2010) Cancer Cell, 18, 553–567.

19) Moran-Crusio, K., Reavie, L., Shih, A., Abdel-Wahab, O., Ndiaye-Lobry, D., Lobry, C., Figueroa, M.E., Vasanthakumar, A., Patel, J., Zhao, X., Perna, F., Pandey, S., Madzo, J., Song, C., Dai, Q., He, C., Ibrahim, S., Beran, M., Zavadil, J., Nimer, S.D., Melnick, A., Godley, L.A., Aifantis, I., & Levine, R.L. (2011) Cancer Cell, 20, 11–24.

20) Quivoron, C., Couronné, L., Della Valle, V., Lopez, C.K., Plo, I., Wagner-Ballon, O., Do Cruzeiro, M., Delhommeau, F., Arnulf, B., Stern, M.H., Godley, L., Opolon, P., Tilly, H., Solary, E., Duffourd, Y., Dessen, P., Merle-Beral, H., Nguyen-Khac, F., Fontenay, M., Vainchenker, W., Bastard, C., Mercher, T., & Bernard, O.A. (2011) Cancer Cell, 20, 25–38.

21) Lu, C., Ward, P.S., Kapoor, G.S., Rohle, D., Turcan, S., Abdel-Wahab, O., Edwards, C.R., Khanin, R., Figueroa, M.E., Melnick, A., Wellen, K.E., O’Rourke, D.M., Berger, S.L., Chan, T.A., Levine, R.L., Mellinghoff, I.K., & Thompson, C.B. (2012) Nature, 483, 474–478.

22) Noushmehr, H., Weisenberger, D.J., Diefes, K., Phillips, H.S., Pujara, K., Berman, B.P., Pan, F., Pelloski, C.E., Sulman, E.P., Bhat, K.P., Verhaak, R.G., Hoadley, K.A., Hayes, D.N., Perou, C.M., Schmidt, H.K., Ding, L., Wilson, R.K., Van Den Berg, D., Shen, H., Bengtsson, H., Neuvial, P., Cope, L.M., Buckley, J., Herman, J.G., Baylin, S.B., Laird, P.W., & Aldape, K.; Cancer Genome Atlas Research Network (2010) Cancer Cell, 17, 510–522.

23) Turcan, S., Rohle, D., Goenka, A., Walsh, L.A., Fang, F., Yilmaz, E., Campos, C., Fabius, A.W., Lu, C., Ward, P.S., Thompson, C.B., Kaufman, A., Guryanova, O., Levine, R., Heguy, A., Viale, A., Morris, L.G., Huse, J.T., Mellinghoff, I.K., & Chan, T.A. (2012) Nature, 483, 479–483.

24) Flavahan, W.A., Drier, Y., Liau, B.B., Gillespie, S.M., Venteicher, A.S., Stemmer-Rachamimov, A.O., Suvà, M.L., & Bernstein, B.E. (2016) Nature, 529, 110–114.

25) Kats, L.M., Reschke, M., Taulli, R., Pozdnyakova, O., Burgess, K., Bhargava, P., Straley, K., Karnik, R., Meissner, A., Small, D., Su, S.M., Yen, K., Zhang, J., & Pandolfi, P.P. (2014) Cell Stem Cell, 14, 329–341.

26) Rohle, D., Popovici-Muller, J., Palaskas, N., Turcan, S., Grommes, C., Campos, C., Tsoi, J., Clark, O., Oldrini, B., Komisopoulou, E., Kunii, K., Pedraza, A., Schalm, S., Silverman, L., Miller, A., Wang, F., Yang, H., Chen, Y., Kernytsky, A., Rosenblum, M.K., Liu, W., Biller, S.A., Su, S.M., Brennan, C.W., Chan, T.A., Graeber, T.G., Yen, K.E., & Mellinghoff, I.K. (2013) Science, 340, 626–630.

27) Wang, F., Travins, J., DeLaBarre, B., Penard-Lacronique, V., Schalm, S., Hansen, E., Straley, K., Kernytsky, A., Liu, W., Gliser, C., Yang, H., Gross, S., Artin, E., Saada, V., Mylonas, E., Quivoron, C., Popovici-Muller, J., Saunders, J.O., Salituro, F.G., Yan, S., Murray, S., Wei, W., Gao, Y., Dang, L., Dorsch, M., Agresta, S., Schenkein, D.P., Biller, S.A., Su, S.M., de Botton, S., & Yen, K.E. (2013) Science, 340, 622–626.

28) Stein, E.M. (2015) Best Pract. Res. Clin. Haematol., 28, 112–115.

著者紹介Author Profile

佐々木 雅人(ささき まさと)

東北医科薬科大学薬学部准教授.医学博士.

略歴

1997年東北薬科大学卒業,99年東北大学大学院薬学研究科修士課程修了,2004年東北大学大学院医学系研究科博士課程修了,同年東北大学加齢医学研究所博士研究員,05年秋田大学大学院医学系研究科COE博士研究員,06年同助教,08年キャンベルファミリー乳癌研究所・オンタリオがん研究所博士研究員,14年より現職.

研究テーマと抱負

研究の歴史で長らく原因不明な事象や,見過ごされた事象に再び光をあて,生命現象を解き明かしたい.現在,代謝関連遺伝子による発がん機構の解明,代謝系ヒト化マウスの作製,新たな糖タンパク質検出系の創生に挑戦している.

ウェブサイト

http://www.tohoku-pharm.ac.jp/laboratory/kansen/index.html

趣味

旅,音楽鑑賞.

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