転写後調節と代謝
北海道大学大学院医学研究科生化学講座分子生物学分野 ◇ 〒060–8638 北海道札幌市北区北15条西7丁目
発行日:2016年6月25日
解糖系を含めた種々の代謝経路の活性変化が,がん化の「原因」としても寄与しうることが次第に明らかにされており,これまで見過ごされてきた代謝と細胞の機能・運命との深い連関は,がんのみならずさまざまな研究分野で注目されている.本稿では,他稿で詳述されている「代謝によるエピジェネティックな転写制御」以降に起こる,「代謝による遺伝子発現の転写後調節」について概説する.最も代表的な転写後調節であるRNAのプロセシングや翻訳の制御に関する昨今の知見に加えて,タンパク質の発現および活性の制御と密接に関与する「輸送および分解の制御」における代謝の重要性についても,筆者自身の最近の研究結果を交えながら議論したい.
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