ALKBHファミリーによるRNAメチル化制御とエピジェネティクス効果
大阪大学薬学研究科細胞生理学分野 ◇ 〒565–0871 大阪府吹田市山田丘1–6
発行日:2016年6月25日
エピジェネティクスはDNAの塩基配列の変化を伴わない後天的な遺伝子発現制御を対象とする研究分野であり,DNAやヒストンの化学修飾に関するDNAエピジェネティクスに関しては多くの知見が蓄積されてきている.一方,RNAにおいても種々の修飾がなされていることは以前から知られていた.しかし,一部を除いて多くのRNA修飾に関して,その詳細な存在状態,制御機構や生物学的意義は十分解決されていなかった.最近,RNA塩基の脱メチル化を制御する分子としてAlkBホモログ(ABH, ALKBH)ファミリー分子が同定され,さらにN6-メチルアデニンの制御分子機構や生物学的意義の研究が進展し,RNAエピジェネティクスという新たな学問領域において大きな展開がなされてきた.またALKBHファミリー分子の多義にわたる機能も明らかになってきた.
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