高分子量タンパク質の動態に迫るNMR技術の開発
1 名古屋大学大学院学理学研究科付属構造生物学研究センター ◇ 〒464–8601 愛知県名古屋市千種区不老町
2 熊本大学大学院生命科学研究部構造生命イメージング分野 ◇
3 首都大学東京大学院理工学研究科 ◇ 〒192–0397 東京都八王子市南大沢1–1
発行日:2016年8月25日
タンパク質構造生物学において,NMR法に期待される主要な役割は単なる立体構造決定から,より幅広い時間領域にまたがる構造動態の解明へと展開しつつある.その中で,これまでもタンパク質NMR研究の発展に深く関わってきた安定同位体標識技術のさらなる高度化に寄せる期待はますます大きくなっている.我々は,長年にわたり生体高分子のNMR解析技術の高度化を視野に入れ安定同位体標識技術開発に取り組んできた.SAIL(stereo-array isotope labeling:立体整列同位体標識)法はその成果のいわば集大成である.本稿では,SAIL法をさらに発展させることにより初めて実現する高分子量タンパク質の多様な構造情報の取得,および大きな振幅を持つタンパク質動態の検出手法に関して紹介する.
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