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公益社団法人日本生化学会
Journal of Japanese Biochemical Society 88(5): 593-599 (2016)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2016.880593

特集

疾患におけるA-to-I RNA編集酵素ADAR1の役割

島根大学医学部微生物学講座 ◇ 〒693–8501 島根県出雲市塩冶町89–1

発行日:2016年10月25日
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DNAから転写されたRNAは,100種類を超えるさまざまな修飾を受けている.これらRNA修飾は,RNAの機能および発現量にさまざまな影響を与え,RNAに多様性を生み出している.RNA修飾の一つ,二本鎖RNAのアデノシンをイノシンへと変換するA-to-I RNA編集は,当初神経細胞のmRNAに生じるまれな現象であると思われていたが,microRNA前駆体に変異を挿入することが明らかとなり,大きな注目を集めている.さらに次世代シーケンス技術の登場により多くの基質が同定され,免疫疾患やがんなどさまざまな疾患に関わることが明らかとなってきた.本稿では,A-to-I RNA編集酵素ADAR1の歴史的経緯から,ヒトの疾患に関連した最新の知見を紹介する.

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