生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 88(5): 600-608 (2016)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2016.880600

特集Special Review

神経疾患とRNA編集異常—孤発性ALSの分子病態モデルマウスを用いたALSの治療法開発Abnormal RNA editing and treatment strategy in neurological diseases; towards cure for ALS

1東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻神経病理学分野Department of Neuropathology, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo ◇ 〒113–0033 東京都文京区本郷7–3–1 ◇ 7–3–1, Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113–0033, Japan

2東京大学大学院医学系研究科/国際医療福祉大学臨床医学研究センターGraduate School of Medicine, The University of Tokyo. /International University of Health and Welfare ◇ 〒113–0033 東京都文京区本郷7–3–1/〒272–0827 千葉県市川市国府台6–1–14, 化学療法研究所附属病院 ◇ 7–3–1, Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113–0033, Japan/ 6–1–14, Kounodai, Ichikawa, Chiba 272–0827, Japan

発行日:2016年10月25日Published: October 25, 2016
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RNA編集酵素ADAR2の活性低下によるAMPA受容体サブユニットGluA2グルタミン/アルギニン(Q/R)部位のRNA編集低下は,孤発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)運動ニューロンにみられる疾患特異的分子変化である.我々はADAR2活性低下によるQ/R部位未編集型GluA2の発現が運動ニューロン死の直接原因であることを,この分子病態を再現する孤発性ALSモデルマウスの開発とその解析から明らかにした.またALSの病理学的指標であるTDP-43病理(核内RNA結合タンパクであるTDP-43の核からの喪失と細胞質封入体の形成)がRNA編集低下に伴うAMPA受容体からのCa2+流入増大により引き起こされるメカニズムを明らかにした.本稿では,ALSでわかってきたRNA編集異常が細胞死を引き起こすに至る分子カスケードを概説し,そこから導き出された新規分子標的治療法の可能性にふれるとともに,他の神経疾患とRNA編集についてもふれたいと考える.

1. はじめに

RNA編集とはDNAから転写されたpre-mRNAが塩基置換,塩基挿入や塩基欠損などの転写後修飾を受けることをいう.その中で塩基置換にはアデノシンがイノシンに置換されるA-to-I RNA編集とシトシンがウラシルに置換されるC-to-U RNA編集が知られているが,哺乳類ではほとんどの場合がA-to-I RNA編集で,特に中枢神経系で活発である.A-to-I RNA編集では,pre-mRNAのアデノシンがイノシンに置換され,イノシンは翻訳時にグアノシンとして認識されるため,遺伝子のコーディング領域に編集部位がありコドン変化を伴えば,アミノ酸置換が起こる.また非翻訳領域にあれば,mRNAの安定性やスプライシングの制御などにより,遺伝子の機能調整に関与する.このRNA編集と神経疾患の関連は,1995年にアルツハイマー病(AD),ハンチントン病(HD),統合失調症1),1999年に筋萎縮性側索硬化症(ALS)2)で報告があり,それによるとそれぞれの疾患の病巣部位におけるグルタミン酸受容体(GluA2)のグルタミン/アルギニン(Q/R)編集部位の未編集型のRNAの割合が11倍(AD),13倍(HD),4倍(統合失調症),5倍(ALS)に増加した.その後,ADでは海馬におけるGluA2 mRNAのQ/R部位でのRNA編集率低下とAD危険因子であるアポリポタンパク質ε4の関連3)と,いろいろな遺伝子のRNA編集部位の編集率低下の報告がある4).しかしながらADでは疾患病巣部位でのRNA編集酵素ADAR(adenosine deaminase acting on RNA)発現量とGluA2 Q/R部位との相関がないことや,複数の論文によって異なる結果であることから,さらなる調査と議論が必要である.HDにおいてはそれに続く報告はまだない.統合失調症などの精神疾患とRNA編集はその後も積極的に研究が進められ,セロトニン受容体(5-HT2C)とグルタミン酸受容体などにおけるRNA編集異常が疾患とつながる可能性が高いことが報告されている.しかしながら5-HT2C受容体の編集部位での編集率が向精神薬による影響で変化するとの指摘があり,まだ解決には至っていない5, 6).本稿では神経疾患とA-to-I RNA編集のテーマに沿って,病因的意義が明らかになっている孤発性ALSにおけるRNA編集酵素ADARとグルタミン酸受容体のRNA編集異常についての我々の研究結果を中心に,概説したい.

2. ADAR2とGluA2 Q/R部位

RNA編集酵素ADARは,アミノ基(N)末端領域に二重鎖RNA結合領域,カルボキシル基(C)末端領域にデアミナーゼ領域を有する.ヒトのADARファミリーはADAR1, ADAR2, ADAR3の3種類が知られ(図1),ADAR1, ADAR2は多くの組織に発現する.一方で,ADAR3は脳特異的に発現し,その中でもグリア細胞に発現することが確認されている7).しかしながらADAR3はA-to-I RNA編集活性がいまだ報告されていない8).ADAR1, ADAR2はセロトニン受容体,グルタミン酸受容体,GABA受容体,カリウムチャネル,microRNAなど表1に示すように数多くの基質編集部位を持つ(表16, 8–10).そのA-to-I RNA編集が行われないと,分子としての機能異常が起こること,がんをはじめ,神経・精神疾患などの多くの疾患でA-to-I RNA編集効率が変化していることが報告され,それが疾患発症に関与しているのではないかと想定されている(表16)

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図1 RNA編集(A-to-I RNA編集)酵素ADARファミリー

ADAR1は二つのアイソフォームを持ち,p150は細胞質に分布し,p110は核に分布する.ADAR2は核に局在する.GluA2 Q/R部位のA-to-I RNA編集はADAR2が特異的に触媒している.

表1 RNA編集と精神・神経疾患
遺伝子基質編集部位責任酵素機能精神・神経疾患
GRIA2GluA2 (GluR2)Q/RADAR2Ca2+透過性孤発性ALS, 統合失調症?,HD?,AD?
R/GADAR1, 2受容体脱感作
GRIA3GluA3 (GluR3)R/GADAR1, 2受容体脱感作
GRIA4GluA4 (GluR4)R/GADAR1, 2受容体脱感作
GRIK1GluK1 (GluR5)Q/RADAR1, 2Ca2+透過性
GRIK2GluK2 (GluR6)Q/RADAR1, 2Ca2+透過性てんかん
I/VADAR1, 2Ca2+透過性
Y/CADAR2Ca2+透過性
HTR2Cセロトニン受容体2C (5-HTR2C) A, B部位I/V, I/MADAR1Gタンパク質の結合うつ病
C, E部位N/S, N/G, N/DADAR1, 2Gタンパク質の結合統合失調症
D部位I/VADAR2Gタンパク質の結合不安症・双極性障害
KCNA1電位依存性Kチャネル(Kv1.1)I/VADAR2チャネル不活性
GABRA3GABAA受容体サブユニットa3I/MADAR1, 2チャネル活性・不活性/受容体の輸送
NEIL1DNA修復酵素NEI-like protein 1K/RADAR1DNA損傷を修復
GLI1Glioma-associated oncogene 1R/GADAR1, 2転写の活性化
NOVA1neuro-oncological ventral antigen 1S/G選択的スプライシングの促進・制御
ADARB1ADAR2self-editing sitesADAR2発現を制御
—は,疾患報告なし.文献1, 2, 6, 8, 9, 10を改編.

グルタミン酸のイオンチャネル型受容体のサブタイプであるAMPA(α-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazole propionic acid)受容体はGluA1~GluA4の四つのサブユニットの組み合わせからなる四量体である.AMPA受容体のCa2+透過性は四量体を形成するサブユニットにGluA2サブユニットがあるかどうかで大きく異なり,四量体に一つでもGluA2サブユニットが含まれるとCa2+透過性は低くなり,まったく含まれないと透過性が高くなる(図2).GluA2のこのような性質は第2細胞膜領域にあるRNA編集部位のQ/R部位が他のサブユニットと異なりアルギニン(R)であるために獲得される(図2図3).

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図2 AMPA受容体依存的神経細胞死とALS

AMPA受容体(AMPAR)はサブユニットによる四量体構造をとる.GluA2を含む受容体(正常は編集型GluA2R;青)は,カルシウム非透過性でニューロンに発現するAMPA受容体の大多数を占める.GluA2を含まないGluA1, GluA3, GluA4で構成される受容体はカルシウム透過性である.孤発性ALSではRNA編集異常によりGluA2のQ/R部位が編集されないままの未編集型GluA2Q(赤)が発現し,GluA2Qをサブユニットに持つAMPA受容体はカルシウム透過性になる.正常ニューロンではGluA2Qは発現していない.

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図3 正常と孤発性ALS細胞におけるGluA2とADAR2

(A)正常細胞では,GluA2遺伝子(GRIA2)のエクソン11にあるQ/R部位はCAGでグルタミン(Q)をコードするが,pre-mRNAに転写後にイントロン11と二重鎖構造をとることでRNA編集酵素ADAR2によってアデノシンがイノシンに置換されCIGになる(C, D).翻訳時にイノシンはグアノシンと認識されるため,CIGはアルギニン(R)に翻訳される.Q/R部位がチャネルに面しており,Rは陽性アミノ酸であるために二価陽イオンであるカルシウムが透過できない.(B)孤発性ALSではQ/R部位が中性アミノ酸のQであるためカルシウムが透過し,過剰にカルシウムが流入すると神経細胞死を引き起こす.(C, D)GluA2 pre-mRNAはエクソン11とイントロン11[イントロン11内にあるエクソン相補配列(exon complementary sequence:ECS)]で二重鎖構造を取り,二本鎖RNA結合ドメイン(赤矢印)とデアミナーゼドメイン(オレンジ)を有するADAR2が結合しQ/R部位のアデノシンのイノシン置換を行う.その結果,CAGでコードされていたグルタミン(Q)がCIGに置換され,翻訳時にイノシンはグアノシン(G)と認識されるためCGGのアルギニン(R)として翻訳される.

GluA2遺伝子(GRIA2)が転写されたGluA2 pre-mRNAのエクソン11はQ/R部位を含むが,この領域に対する相補配列(exon complementary sequence:ECS)がイントロン11内にあるので,エクソン11とイントロン11のECSとが二重鎖構造をとる.そのRNAの二重鎖構造にADAR2タンパク質がRNA結合ドメインにより結合し,RNA編集を行う.その結果,Q/R部位CAG(グルタミンQコドン)のアデノシン(A)はイノシン(I)に置換され,イノシンは翻訳時にグアノシン(G)と認識される(図3).そのためA-to-I RNA編集を受けたQ/R部位(CIG)はCGG(アルギニンRコドン)と読まれ,タンパク質レベルではアルギニン(R)に一アミノ酸置換される(図3).図3A, Bのように,チャネルのポア部分に面するQ/R部位のアミノ酸が陽性電荷を有するアミノ酸であるアルギニンの場合,二価陽イオンであるCa2+の透過を阻害するが,中性アミノ酸であるグルタミンの場合はCa2+の透過を阻害しない.GluA2以外のAMPA受容体サブユニットはECSをイントロン11に持たないため,Q/R部位はゲノムどおりQであるので,この部位がRである編集型GluA2を含むAMPA受容体のみがCa2+非透過性となる.

3. 筋萎縮性側索硬化症と興奮性神経細胞死仮説

ALSは大脳皮質の上位運動ニューロン,脳幹脊髄の下位運動ニューロンが進行性に変性脱落する神経難病で,骨格筋の筋力が進行性に低下するため,壮年層を数年のうちに死に至らしめる神経難病で,有効な治療法はまだない.発症原因は未解明であるが,患者の90%以上が孤発性であり,10%弱を占める家族性発症の患者では,これまでに30種以上の疾患関連遺伝子が見いだされている11).またALSを病理学的にみると,孤発例の大多数と家族性ALSの一部には運動ニューロンにTAR DNA binding protein of 43 kDa(TDP-43, ALS関連遺伝子の一つであるTARDBPによってコードされるタンパク質)の局在異常(封入体形成と核からの喪失;TDP-43病理)が認められるため,孤発性ALSの原因は大多数例において共通していると考えられる12, 13).また,孤発性ALSの最も有力な仮説として興奮性神経細胞死仮説が提唱されている.

この仮説は,中枢神経の興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸が過剰になるとニューロンを殺すというものである.脳幹や脊髄にある下位運動ニューロンはグルタミン酸受容体を持ち,一次運動野の上位運動ニューロンの下降路である錐体路の神経終末から放出されたグルタミン酸により興奮する.作用が終わったグルタミン酸は神経伝達を終了させるために主にグリアに多く発現するグルタミン酸トランスポーターにより取り込まれ,シナプス間隙のグルタミン酸濃度は減少する.したがって,このトランスポーターが減少すると脊髄運動ニューロンは常に興奮刺激にさらされ,神経細胞死に陥る.歴史的には,1992年にALS患者脊髄で高親和性グルタミン酸取り込み能が低下していること14),ALSではグリア細胞のグルタミン酸トランスポーターの一つであるEAAT2/GLT-1のタンパク質量の減少15)および転写物の減少16)がそれぞれ報告され,さらにEAAT2 pre-mRNAが異常なスプライシングを受け,一部のエクソンの欠失,イントロンの転写により,異常なmRNAが出現していることがわかり,この仮説が実証されたと思われた16, 17).しかしながらこれらのスプライシング異常は健常者にもあることがわかり18),仮説の解決には至らなかった.最近になって,ALSの疾患関連遺伝子として報告されたC9orf72変異19, 20)を持つ患者大脳皮質21),患者iPS細胞(induced pluripotent stem cell)分化運動ニューロン22)で,孤発性ALS同様ニューロンの興奮性が亢進していることが報告され,さらにC9orf72関連ALSの原因とされているC9orf72遺伝子イントロン内6塩基(G4C2)リピート配列伸長部位からATG配列によらず翻訳される2アミノ酸繰り返しペプチド依存的にEAAT2のタンパク質が減少することが報告された23).これらのことから上記の仮説メカニズムの解明が導かれるのではないかという期待が一部に持たれている.

もう一つの興奮性神経細胞死仮説が我々の研究しているGluA2のRNA編集異常であり,異常なCa2+透過型AMPA受容体発現による過剰な細胞内Ca2+流入が運動ニューロンを死に導くという仮説である24)図2図3).

我々のグループは,興奮性神経細胞死仮説の根拠となる孤発性ALSで引き起こされる分子カスケードをこれまで一つ一つ検討してきた(図4).孤発性ALS患者の凍結剖検脊髄からlaser microdissector(ライカマイクロシステムズ)を用いて単一運動ニューロンを切り出し,発現しているGluA2 mRNAのQ/R部位のRNA編集の有無を検討すると,正常対照ではすべての運動ニューロンが編集型GluA2Rのみを発現しているのに対し,半数前後の運動ニューロンが未編集型GluA2Qを発現していることが明らかになった2, 25, 26).GluA2のQ/R部位はADAR2特異的に編集されることから孤発性ALSの運動ニューロンでは,ADAR2活性の失活が細胞死の直接原因であるとの仮説を立て,運動ニューロン特異的にADAR2遺伝子を欠損するADAR2のコンディショナルノックアウト(ADAR2flox/flox/VAChT-Cre.Fast;AR2)マウスを作製し,解析を行った.AR2マウスの神経細胞は,ADAR2欠損により未編集型GluA2Qを発現し,細胞死に至った(図3Bのカスケード).未編集型GluA2Qの発現がCa2+透過を亢進させることで細胞死を引き起こすことを示すためにAR2マウスにGluR-BR/Rマウス(遺伝子に編集型GluA2RをコードするcDNAを組み込み,A-to-I RNA編集活性がなくても編集型GluA2Rを発現する遺伝子改変マウス)を掛け合わせ(AR2resマウス)検討したところ,編集型GluA2Rを発現した運動ニューロンは,ADAR2を欠損していても細胞死を引き起こさなかった27, 28).つまり細胞死には,もっぱら未編集型GluA2Qの発現が関与しており,他のADAR2標的部位を持つ基質分子のRNA編集の不活性化は細胞死に関与していないことが明らかになった28)図4右上).このことからADAR2活性の失活により引き起こされる未編集型GluA2Qの発現が細胞死を導く直接原因であることがわかった.さらに孤発性ALS剖検脊髄運動ニューロンでADAR2免疫染色性の低下29),ADAR2 mRNA発現量の著明な減少,ADAR2特異的RNA編集部位におけるA-to-I RNA編集活性低下が認められている30)ので,孤発性ALSでもこのカスケードにより神経細胞死が引き起こされていることが強く示唆された(図4).

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図4 孤発性ALS運動ニューロンで起きている細胞死カスケード

ALS患者とAR2マウスの両者で検証がされているカスケード(黄色)とAR2マウスでのみ検証されているカスケード(ベージュ色)を示した.細胞内カルシウム増加,カルパインの活性化,TDP-43病理形成から細胞死につながる未解明のカスケード(?で示す)など今後の研究課題も記載した.

4. ADAR2活性低下による運動ニューロン死カスケード

1)ADAR2活性

解析した40例以上の孤発性ALS全例の剖検脊髄運動ニューロンにおいて未編集型のGluA2が発現しているのに対し,SOD1関連ALSトランスジェニック動物[初めての家族性ALSの原因遺伝子として1993年に同定されたCu/Zn superoxide dismutase(SOD1)遺伝子の変異型遺伝子を導入したALSモデル動物(SOD1トランスジェニックマウス・ラット)]や球脊髄性筋萎縮症患者,健常対照者の運動ニューロンでは編集型のGluA2Rのみを発現していること,孤発性ALSの小脳のプルキンエ細胞では未編集型のGluA2Qが発現していないことから,この分子異常は孤発性ALSに広範にみられる疾患特異性が高く,しかも病的部位である運動ニューロンへの選択性が高い分子異常であるといえる.さらに細胞死の原因であることが動物実験から証明されている点,特にAR2マウスの脊髄運動ニューロンでは未編集型のGluA2Qの発現により細胞死が引き起こされるが,動眼神経核においては未編集型GluA2Qを発現しながら神経細胞死を認めなかったことは,ALSの病変の選択性を再現しており,病因との関連が強い分子異常であることを意味している.我々の研究室では孤発性ALSの病態変化からRNA, RNA結合タンパク質や核の形態的・機能的変化に着目し,これまで研究を進めてきた.近年,家族性ALSの責任遺伝子にRNA制御に関係するタンパク質をコードする遺伝子(TARDBPFUS/TLSなど)12, 13, 31, 32)が発見され,ALSの病因としてのRNA代謝異常が注目されてきており,我々の研究結果と併せてみると,ALSの病因理解にはRNA制御異常の検索が必須であることを示唆している.

2)TDP-43病理とADAR2低下

孤発性ALSの病理的指標である運動ニューロンのTDP-43病理は,家族性ALSの20%を占めるSOD1関連ALSでは観察されない33, 34).SOD1変異マウスではRNA編集異常も起こらないことから35),TDP-43病理もRNA編集異常と同様に疾患特異的分子異常であると考えられる.

そのため我々は,孤発性ALSで起きているADAR2活性低下とTDP-43病理変化との間に分子連関があるのではないかと考えた.免疫組織化学的検討から孤発性ALSの剖検脊髄において半数前後の運動ニューロンがADAR2陰性で,その運動ニューロンでは,すべてにリン酸化TDP-43陽性の封入体が観察され,核のTDP-43も消失していた(TDP-43病理).逆にADAR2陽性運動ニューロンにはTDP-43病理は観察されず,ADAR2陽性である健常者の剖検脊髄運動ニューロンと同様であることを見いだした29).このことよりADAR2活性低下とTDP-43病理との間に分子連関があることが強く示唆された.

AR2マウスを用いてADAR2活性低下とTDP-43の細胞内局在変化を検討すると,脊髄前角の大型ニューロンの細胞質にTDP-43の異常な凝集体が観察され(図4左下,TDP-43病理),ウエスタンブロットにおいてTDP-43が断片化されていることがわかった36).ADAR2活性低下・GluA2 RNA編集異常によるAMPA受容体からのCa2+流入増大が運動ニューロン死の原因であることを突き止めていたので,カルシウム依存性プロテアーゼの関与が推測された.実際に,種々のプロテアーゼを検討したところカルシウム依存性システインプロテアーゼであるカルパインがTDP-43のC端領域を切断することがわかった36).このTDP-43の断片化やTDP-43の細胞内局在異常は,ADAR2を欠損しながらもAMPA受容体からのCa2+流入が正常なAR2resマウスでは起こらない.しかし内因性カルパイン阻害物質であるカルパスタチンのトランスジェニックマウス37)脳/脊髄組織ではTDP-43切断が抑制され,カルパスタチンのノックアウトマウス38)組織では促進された.さらにカルパスタチンノックアウトマウスの脊髄運動ニューロンを観察すると,TDP-43の異常な細胞質局在が免疫組織化学的に観察された.このin vitro, in vivoの結果は,TDP-43がカルパインにより切断を受けること,それにより異常な細胞内局在が起こることを示す.また,カルパインはTDP-43のC末端を切断し,そのN端側断片は高い凝集性を持つことがわかった36).このN末端断片はC末端領域にある凝集性に富むプリオンドメインを含んでおり,TDP-43の凝集性はC末端側のプリオンドメインが規定しているとする今までの知見とも合致した39).さらにALS患者組織ではTDP-43が過剰にリン酸化されることが知られているため40),リン酸化がカルパイン切断に及ぼす影響を調べた.カルパインはTDP-43をC末端側から順次切断し高い活性の下では可溶性断片にまで切断してしまう.一方,リン酸化TDP-43とカルパイン依存性TDP-43のN末端断片は,全長のTDP-43よりカルパイン切断に抵抗性を示したことから,リン酸化と断片化は,TDP-43の凝集体形成を促進することが示唆された41).このメカニズムを患者大脳皮質・脊髄で検討したところ,カルパインの活性化とカルパイン依存性TDP-43断片相同のC末端を欠いた断片が検出され,AR2マウスと同様の分子カスケードが孤発性ALS患者でも働いていると考えられる36)

両者の分子連関として,TDP-43がRNA制御タンパク質であることからも,これとは逆に,TDP-43病理がADAR2低下を引き起こす可能性も考えられる.そのため培養細胞で検討した結果,TDP-43全長/断片,ALS関連変異TDP-43の全長/断片の過剰発現,TDP-43のノックダウンのいずれもADAR2発現,ADAR2活性にまったく影響を及ぼさず,このようなメカニズムの可能性は否定された42)

3)ADAR2活性低下から運動ニューロン死へ至る分子カスケード

ALSにおける運動ニューロン死のメカニズムは未解明の部分が多いが,核の機能変化が古くから提唱され,細胞死との関与が示唆されている43).最近,ALSの疾患関連遺伝子の一つであるC9orf7219, 20)の6塩基(G4C2)繰り返し配列伸長が核と細胞質間の分子輸送阻害に関与することが報告された44, 45).さらに,核と細胞質の分子輸送のチャネルである核膜孔複合体(nuclear pore complex:NPC)を構成するヌクレオポリン(NUPs)の一つであるGle1をコードする遺伝子Gle1がALS疾患責任遺伝子として報告された46).これらのことからALSの細胞死の原因因子として,核と細胞質の輸送障害による核の機能不全が想定されている.

我々もAR2マウスで引き起こされる運動ニューロン死のメカニズムを調べる目的で,AR2マウスの初期変化に着目し,行動解析値の低下が現れる前の脊髄運動ニューロンにも,核に異常な空胞がすでに形成されていることを見いだした47).この空胞はAR2resマウスでは観察されないことから,核と細胞質の輸送がCa2+流入増大により障害を受けることが強く示唆される.今後はこの変化がどのように細胞死につながるかを突き止め,ALSの早期治療法の開発に結びつけたいと考える.

5. 筋萎縮性側索硬化症を含めた神経疾患の治療戦略

上記のように孤発性ALSのRNA編集酵素ADAR2活性低下とGluA2のRNA編集異常という分子異常はAMPA受容体からのCa2+流入増大を通じて緩徐な運動ニューロン死を引き起こし48),その過程でCa2+依存性プロテアーゼであるカルパインを活性化し,TDP-43を易凝集性断片へ切断することを通してTDP-43病理を引き起こす49).したがって,AMPA受容体からのCa2+流入を正常化することで,この細胞死カスケードを止めることが可能であると考えられる.我々は,この最上流の変化を止める治療法の開発を試み,ADAR2をターゲットにしたAR2マウスを用いた遺伝子治療実験において,外来性ADAR2遺伝子を導入することで,ADAR2をまったく欠損した運動ニューロンにも細胞死のレスキューとともにTDP-43病理も正常化するに足るレベルで遺伝子を発現させることが可能であることを証明した50).これらの検討からAR2マウスと相同の分子病態が働いていると考えられる孤発性ALSにも同様の方法による治療が適用可能であると期待できる.さらに,TDP-43の細胞内局在異常が孤発性ALSにおける運動ニューロン死,および治療の有効性のバイオマーカーになることがわかり,今後の治療法開発の評価指標として役立つと考えられる.

上記の遺伝子治療は分子病態モデルマウスで成功したものの,臨床応用にはさまざまなハードルがある.そのため,ALSの根本治療法を可及的速やかに患者に届けることを念頭に置き,我々が証明したカスケードを標的とした既存薬による治療法を開発中である51).ALS関連遺伝子であるFUS変異の一つがRNA編集異常を引き起こすことがわかり52),この治療法が一部の家族性ALSにも適用できる可能性がみえてきている.しかしながら孤発性ALSでADAR2の発現がなぜ低下するのか,またどのような機構で制御されているのかは未解明である.

現在承認されているALS治療薬は,rilzoleとedarabon(本邦のみ)の2種のみであり,いずれも有効性がきわめて限られている.その他,現在臨床試験が行われているものの中にHGF(hepatocyte growth factor,肝細胞増殖因子)などの薬剤による治療,SOD1関連ALSを対象としたアンチセンスオリゴ核酸治療などがある他,iPS細胞の移植など新たな戦略による治療法が開発されているが,実用化はかなり先のことになりそうである.従来変異ヒトSOD1トランスジェニックマウスを用いたALS治療薬開発が主流であったが,有効性を示した薬剤のことごとくが臨床的な効果を見いだせなかったこともあり,孤発性ALSと家族性ALSでは病態に関わる細胞死カスケードが異なり,大多数のALSの治療のためには孤発性ALSの分子病態を反映するモデル動物の必要性が認識されつつある53).これらの失敗を教訓にし,いろいろなALS関連遺伝子変異の患者から複数のiPS細胞を作製し,既存の薬剤ライブラリーや網羅的な遺伝子解析などから治療薬になりうるものの探索を行っている.注意を要するのは,iPSから目的の細胞への分化後,組織特異的マーカーを元に分化が完成したとの判断を行うが,これが実際の生体の中で起きる病態を完全に再現できているか,薬剤スクリーニングを評価する病態のマーカーの選択が適切か,など課題が少なからず残っている点である.病態解明に基づいた治療法の開発は,我々の仮説を含め,実際に患者に適用して初めて成否の判定が可能になるというジレンマがある.

そのため,病態仮説に基づいた標的治療を実現性のある方法や薬剤で検証しつつ,将来治療法を望める可能性があるものの開発を並行していく必要がある.病態仮説に基づいた治療法による臨床試験が適切に行われれば,その仮説の評価が可能になり,ALSの病態解明にも寄与するものと期待できる.

6. おわりに

神経疾患の病態へのRNA編集の関与に関するエビデンスは2016年現在,ALS以外では,統合失調症などの精神疾患を含めまだまだ限定的である.しかしながら上記で記載したアルツハイマー病をはじめ,技術の進歩により疾患により変動するRNA編集基質が新たに同定されてきている.またmicroRNAやlong non-coding RNAはがんや神経疾患などいろいろな疾患の病態に関与していることが報告されている.さらにRNA編集もmicroRNA, non-coding RNA, Alu配列などさまざまなRNAが基質になり,スプライシング,遺伝子の発現制御,神経のチャネルなどの制御に関与することが知られているので,今後,RNA編集と疾患の新たな関わりがわかってくるのかもしれない.ただし,RNA編集は分子の機能調節が主たる役割と考えられており,環境の変化への適応として編集効率が変化することからも54, 55),病態を引き起こす原因というより,病態に対する代償機能を反映している可能性も考えられる.その意味からは孤発性ALSにおけるGluA2 Q/R部位のようにRNA編集が病態を直接に惹起するような変化は例外的なのかもしれない.

今後,我々はRNA編集酵素ADAR2の発現調節機構とRNA編集より下流の孤発性ALSの細胞死を引き起こすカスケードを解明し,さらに候補治療標的分子をつけ加えることで,ALSの根本治療法の開発に取り組んでいきたいと考える.さらにCa2+流入増大が原因である疾患は多数存在するので,Ca2+流入増大が細胞死を引き起こす分子カスケードが解明されれば,ALS以外の疾患の根本的治療薬・治療法の開発や早期診断に使用可能な診断マーカーの開発にも期待できると考える.

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著者紹介Author Profile

山下 雄也(やました たけなり)

東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻神経病理学分野特任研究員.博士(医学).

略歴

1974年奈良に生る.2000年大阪市立大学理学部卒業,02年同大学院理学研究科前期課程修了,06年同大学院医学研究科博士課程修了,06年東京大学医学部附属病院リサーチ・フェロー,07年財団法人精神神経科学振興財団リサーチ・レジデント,09年東京大学医学部附属病院特任研究員,12年東京大学大学院医学研究科臨床医工学特任研究員,16年より現職.

研究テーマと抱負

筋萎縮性側索硬化症の病因を明らかにし,解明した分子カスケードを利用した治療法の開発を進めたい.

ウェブサイト

http://square.umin.ac.jp/teamkwak/index.html

趣味

野菜栽培.

郭 伸(かく しん)

東京大学大学院医学系研究科客員研究員・非常勤講師/国際医療福祉大学特任教授(臨床医学研究センター)/東京医科大学兼任教授(神経内科).医学博士(東京大学医学部医学科).

略歴

1977年東京大学医学部医学科卒業.84年東京大学助手(神経内科).89年国立精神・神経センター神経研究所室長.94年東京大学講師(神経内科).97年同大学院准教授(神経内科学).2012年より現職.

研究テーマと抱負

筋萎縮性側索硬化症の治療を目指した病因解明研究.理論的に導き出された治療法の有効性を臨床試験で確認したい.さらに,病因メカニズムの全貌の解明から治癒という神経内科医としての夢を実現したい.

ウェブサイト

http://square.umin.ac.jp/teamkwak/index.html

趣味

美的調和の追究.

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