生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 88(5): 630-638 (2016)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2016.880630

総説Review

二つのタンパク質分解系による統合的なNrf2の制御メカニズムIntegrated regulation of Nrf2 by two protein degradation systems

東北大学大学院医学系研究科医化学分野Department of Medical Biochemistry, Graduate School of Medicine, Tohoku University ◇ 〒980–8575 宮城県仙台市青葉区星陵町2–1 ◇ 2–1 Seiryo-machi, Aoba, Sendai, Miyagi 980–8575, Japan

発行日:2016年10月25日Published: October 25, 2016
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ヒトは,さまざまな環境由来のストレスに曝露されている.Nrf2(NF-E2-related factor 2)は,そのような環境ストレスに応答して,生体防御遺伝子群の発現を制御する転写因子である.Nrf2はKeap1(Kelch-like ECH-associated protein 1)によるユビキチン化により,プロテアソーム分解を基盤とした抑制制御を受けているが,一方,このNrf2制御の破綻は重篤な病態に関わる.Nrf2はこのような恒常的な分解からの脱抑制(誘導)制御を受けることで,環境ストレスに対する即応性を獲得しているが,それを誘発する多くのNrf2活性化剤が知られており,その一部はサプリメントや治療薬として上市されている.最近,Nrf2が関わる病態に注目が集まっている.特に,がん細胞におけるNrf2の異常な活性化が発見され,Nrf2は抗がん剤の分子標的として期待されている.本稿では,プロテアソームとオートファジーという二つのタンパク質分解系によるKeap1–Nrf2システムの制御メカニズムについて紹介したい.

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