生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 88(6): 704-722 (2016)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2016.880704

総説Review

カルパインは阻害すればよいのか?Does calpain inhibition always rescue us?

公益財団法人東京都医学総合研究所生体分子先端研究分野カルパインプロジェクトCalpain Project, Department of Advanced Science for Biomolecules Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science ◇ 〒156–8506 東京都世田谷区上北沢2–1–6 ◇ 2–1–6 Kamikitazawa, Setagaya-ku, Tokyo 156–8506, Japan

発行日:2016年12月25日Published: December 25, 2016
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カルパインは細胞内Ca2+要求性プロテアーゼである.プロテアソームやオートファジーとは異なり,基質タンパク質の限定切断によりその機能や構造を調節・変換する.さまざまな生命現象に関与するが,我々は依然その生理機能を明示的に記述できずにいる.一方で,神経疾患,虚血性疾患,筋・心疾患,がん,早老症,マラリア,カンジダ症,歯周病等々,広範な病態にカルパインが登場する.ほぼすべての場合カルパイン阻害が症状緩和をもたらす.まるでカルパインはない方が病気は早く治るとでもいうかのように.もちろんそれは過当な一般化で,そこには落とし穴がある.主にノックアウトマウスの解析から,カルパインの欠損・慢性的抑制は予想外の悪影響を及ぼすことがわかってきた.本稿ではカルパイン関連疾患,カルパインの機能と阻害剤治療の関係,阻害特異性向上に基質認識機構が与えるヒントを紹介し,阻害剤開発の今後の可能性を考察する.

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