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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 89(2): 273-277 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890273

みにれびゅうMini Review

“観るだけでわかるタンパク質間相互作用解析法(VIPアッセイ)”を活用した繊毛内タンパク質輸送複合体IFT-Bの構築様式の解明Overall architecture of the intraflagellar transport (IFT)-B complex revealed by a visible immunoprecipitation (VIP) assay

京都大学大学院薬学研究科生体情報制御学分野Department of Physiological Chemistry, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Kyoto University ◇ 〒606–8501 京都市左京区吉田下阿達町46–29 ◇ 46–29 Yoshida-Shimoadachi-cho, Sakyo-ku, Kyoto 606–8501, Japan

発行日:2017年4月25日Published: April 25, 2017
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1. 一次繊毛と繊毛病

ヒトなどの動物のほとんどの細胞には繊毛が存在する(図1).細胞膜から突出したオルガネラである繊毛の裏打ちは,中心体が変化した基底小体と,そこから伸びる微小管の軸糸からなる.繊毛は,運動性繊毛(鞭毛とも呼ばれる)と非運動性繊毛(一次繊毛)の二つのタイプに分類される.運動性繊毛は微小管の9+2構造からなる軸糸と軸糸ダイニンを持ち,自発的に運動するのに対して,一次繊毛は9+0構造の軸糸で軸糸ダイニンを持たず,運動しない.運動性繊毛の代表例として,精子の鞭毛や,卵管や気道の上皮細胞の多繊毛がある.排卵された卵は卵管の繊毛上を転がって子宮に到達し,精子は鞭毛を動かして卵にまで到達して受精する.気道上皮細胞は,繊毛を波打たせてゴミを体外へと(痰として)排出する.運動性繊毛の役割はこのように明確であるのに対して,運動しない一次繊毛は痕跡器官のようなものとみなされていた.そんな折,繊毛内タンパク質輸送複合体[intraflagellar transport(IFT)複合体]のサブユニットの一つであるIFT88の変異によって一次繊毛が極端に短くなり,嚢胞腎になることが報告され,一次繊毛がにわかに注目されだした1)

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図1 IFT複合体による繊毛内タンパク質輸送

一次繊毛は細胞膜から突出したオルガネラである.中心体が変化した基底小体から軸糸が伸びている.IFT複合体(IFT-A複合体とIFT-B複合体に分けられる)は,モータータンパク質のキネシン-2によって軸糸上を順行輸送され,先端で方向転換をした後,ダイニン-2によって逆行輸送される.

その後の研究によって,一次繊毛はさまざまな受容体やチャネルを有し,外部からのシグナル(機械的シグナルやヘッジホッグなどの発生シグナル分子)を感知するアンテナのような働きをすることがわかった2).さらに,一次繊毛の形成や繊毛内タンパク質輸送の異常によって,多岐にわたる重篤症状(網膜色素変性,囊胞腎,多指症,脳や骨格の形成異常,病的肥満など)が引き起こされることから,その重要性が再認識されるようになった.繊毛異常に起因する遺伝性疾患には,Bardet–Biedl症候群(BBS),Joubert症候群(JBTS),Meckel症候群(MKS),ネフロン癆(NPHP),短肋骨性胸郭異形成(SRTD)などがあり,繊毛病と総称される3)

2. 繊毛内タンパク質輸送とIFT複合体

2本の鞭毛を持つ単細胞緑藻のクラミドモナスは,遺伝学的解析や生化学的解析が容易なことから,鞭毛研究における重要なモデル生物となっている.クラミドモナスとヒトは進化的にかけ離れているが,鞭毛・繊毛の基本的な仕組みは両者の間で驚くほど保存されている.繊毛内タンパク質輸送という仕組み自体がクラミドモナス鞭毛の観察によって発見されたものである4).Rosenbaumらのグループは,鞭毛内を根元から先端に向かって動く粒子と,先端から根元へ向かう粒子があることを報告した.発見当初の実態は謎であったにも関わらず,intraflagellar transport(IFT)粒子と名づけたのはRosenbaumらの慧眼であった.その後,IFT粒子が,モータータンパク質のキネシン-2とダイニン-2によってそれぞれ順行輸送と逆行輸送されることや,軸糸の形成に必要なチューブリンなどの積み荷タンパク質を運んでいることが明らかになった.また,クラミドモナスの鞭毛からIFT粒子が生化学的に単離され,IFT粒子は多数のタンパク質からなる複合体であることが初めてわかった5).さらには,IFT粒子は順行輸送に関与するIFT-B複合体と,逆行輸送に関与するIFT-A複合体に分けられることも判明した(図1).

IFTの基本的な仕組みは繊毛(鞭毛)を持つ生物に共通と考えられる.我々が研究を始めた当初には,クラミドモナスIFT-B複合体のサブユニット間の相互作用の一部はわかっていたが,複合体の全体像は不明であった6–8).一方,ヒトのIFT-B複合体は,二つの候補タンパク質を含めて16のサブユニットからなると考えられていたが,詳細な解析はほとんど行われていなかった(図2A).

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図2 IFT-BサブユニットとIFT-B複合体の相互作用マップ

(A) IFT-B複合体は16のサブユニットからなる.小さなものから大きなものまであり,ドメイン構成も多様である.研究開始時点では,IFT38(Cluap1)とIFT56(TTC26)はIFT-Bサブユニットの候補であった.Coil:coiled-coil領域,GTPase:GTPaseドメイン,NN-CH:NDC80-NUF2 calponin homologyドメイン,GIFT:GldG/IFTドメイン,TPR:tetratricopeptide repeatドメイン,WD40:WD40 repeatドメイン.(B)1対1の総当たりVIPアッセイの結果.白く光っているマス(カラーの電子版では赤)は相互作用があることを表す.(C)さまざまなVIPアッセイから予想されるIFT-B複合体の全体構成.10サブユニットからなるコアサブ複合体と,6サブユニットからなるペリフェラルサブ複合体に分けられ,両者はIFT38/52/57/88が関与する複雑な相互作用によって連結される.

3. “観るだけでわかるタンパク質間相互作用解析法(VIPアッセイ)”の開発

ヒトのIFT複合体の研究が進んでいなかった理由の一つは,多数のIFTサブユニット間の相互作用を網羅的に調べるよい方法がなかったことである.ヒトのIFTタンパク質(特にIFT172のように1000アミノ酸を超える大きなタンパク質)を酵母や大腸菌に可溶性で発現させるのは難しい場合が多いので,酵母2ハイブリッド法やGSTプルダウン法での相互作用解析は困難である.しかし,微生物ではなく哺乳類の培養細胞を用いれば,ヒト由来の大きなタンパク質でも発現させるのは比較的容易である.タンパク質が可溶性で発現さえすれば,共免疫沈降法による相互作用解析が可能である.ただし,共免疫沈降法でのタンパク質間相互作用の検出には電気泳動とウェスタンブロッティングが必要であり,網羅的に解析するには手間も時間もかかりすぎるという難点がある.IFT-B複合体は16ものサブユニットからなるので,単純な総当たり解析だけでも16×16=256回も免疫沈降をしなくてはならない.したがって,IFT複合体について網羅的に解析するためには技術的なブレイクスルーが必要であった.

筆者らは最近,タンパク質間相互作用を簡便かつ迅速に調べることのできる“観るだけでわかるタンパク質間相互作用解析法(visible immunoprecipitation assay:VIPアッセイ)”を開発した9).VIPアッセイは,緑色蛍光タンパク質(GFP)を融合させたタンパク質IFT-Xと赤色蛍光タンパク質(RFP)を融合させたタンパク質IFT-Yを共発現させた細胞の溶解液に対して,抗GFP-Nanobody(ラクダ科動物由来の単鎖抗体で,GFPと高親和性で結合する)を用いて免疫沈降を行う相互作用解析法である(図3).原理は通常の共免疫沈降法と同じであるが,相互作用の検出にウェスタンブロッティングではなく顕微鏡を使うところが重要なポイントである.GFP融合IFT-XとRFP融合IFT-Yが相互作用している場合,沈降したビーズ上には両者が共存しているので,GFPとRFPの両方の蛍光が観察される.一方,これらが相互作用していない場合には,GFPの蛍光のみが観察される.つまり,「ビーズが赤く光っているかどうかを観るだけで,タンパク質間相互作用の有無がわかる」という単純な仕組みである.VIPアッセイを使えば,IFT-B複合体の16サブユニット間の網羅的な相互作用解析が可能であると考え,以下に述べる実験を行った.

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図3 VIPアッセイの原理

GFP融合IFT-XとRFP融合IFT-Yの発現ベクターをHEK293T細胞にトランスフェクションしてタンパク質を発現させる.次に,細胞の溶解液と抗GFP-Nanobody結合ビーズを混合して免疫沈降を行う.最後に,沈降後のビーズを蛍光顕微鏡で観察する.GFP融合IFT-XとRFP融合IFT-Yが相互作用する場合,GFPとRFPの両方の蛍光がビーズ上に観察される.GFP融合IFT-XとRFP融合IFT-Yが相互作用しない場合には,GFPの蛍光のみが観察される.

4. VIPアッセイを用いたIFT-B複合体の構築様式の解明

1)1対1の相互作用の総当たり解析

VIPアッセイの開発により,IFT-Bサブユニット間の網羅的相互作用解析のめどが立った.そこでまず,IFT-B複合体の16サブユニットのcDNAをクローニングし,GFP融合型とRFP融合型の発現ベクターを作製した.蛍光タンパク質タグによって本来の機能や相互作用が阻害されてしまう可能性があるため,蛍光タンパク質をN末端またはC末端に付加した各IFTタンパク質を細胞に発現させて局在を観察し,正常な細胞内局在を示す方をVIPアッセイに用いることにした.次に,16×16=256通りの“総当たり”VIPアッセイを行った.IFT-Bサブユニット間相互作用の断片的な解析はこれまでにもあったが,全サブユニットに関するシステマティックな解析はこれが初めてである.1対1の総当たりアッセイによって,既知の相互作用(IFT25-IFT27, IFT46-IFT52, IFT52-IFT88, IFT74-IFT81, IFT20-IFT54, IFT20-IFT57)の他に,複数の新たな相互作用(IFT46-IFT56, IFT20-IFT38, IFT38-IFT80)を発見することができた(図2B,白く光るマス(カラーの電子版では赤)に対応する組合わせを「相互作用あり」と判定).これらの結果から相互作用マップを作成すると,IFT20/38/54/57/80/172の六つのサブユニットが複合体(ペリフェラルサブ複合体と呼ぶ)を形成すると予想された(図2C).しかし,IFT22とIFT70については他のどのサブユニットとも相互作用がみられず,断片的なサブユニットのつながり(IFT25-IFT27のヘテロ二量体など)を検出できても,それらを他のサブユニットとはつなげることができないものもあった.

2)1対多および多対多の相互作用解析

クラミドモナスのIFTサブユニットに関する先行研究では,複数のサブユニットを組み合わせたときのみ相互作用がみられる例が報告されていた8).たとえば,IFT74やIFT81は単独ではIFT22に結合できないが,IFT74-IFT81のヘテロ二量体になるとIFT22に結合する.そこで次に,ヒトでも複数サブユニットが関与する相互作用が保存されているのかどうかを確かめるために,VIPアッセイとウェスタンブロッティングによる1対2や2対2の相互作用解析を行った.その結果,IFT22はIFT74-IFT81のヘテロ二量体と,IFT70はIFT52-IFT88と,IFT81はIFT46-IFT52とそれぞれ1対2で結合すること,IFT25-IFT27とIFT74-IFT81のヘテロ二量体どうしが2対2で結合することが判明した.これらの結果から,IFT22/25/27/46/52/56/70/74/81/88の10個のサブユニットが複合体(コアサブ複合体と呼ぶ)を形成することが明らかになった.

3)3ハイブリッドVIPアッセイ:相互作用のヒエラルキー解析

ここまでの解析で判明した相互作用マップについて検証するために,GFPとRFPの融合タンパク質に青色蛍光タンパク質(BFP)融合タンパク質を加えた三者間のVIPアッセイ(3ハイブリッドVIPアッセイ)を行った.ペリフェラルサブ複合体を形成するIFT20-IFT38-IFT80がこの順番で結合しているのかどうかの確認を例にあげる(IFT80-GFP, BFP-IFT38, IFT20-RFPの組合わせ).IFT80-GFPとIFT20-RFPが直接相互作用することはない(ビーズが赤く光ることはない)が,ここにBFP-IFT38を加えるとビーズは青と赤の両方で光り,IFT38をはさんでIFT80とIFT20が間接的に結合することが確認された.同様の実験をさまざまな組合わせで行い,ペリフェラルサブ複合体のサブユニットは,予想される相互作用マップの順番どおりに結合することが確認された.

4)ペリフェラルサブ複合体の形成

次に,ペリフェラルサブ複合体の六つのサブユニットが本当に一つの複合体を形成するのかどうかを確認するために,mCherry-IFT54とGFP融合のIFT20, IFT38, IFT57, IFT80, IFT172をまとめて細胞に発現させ,抗mCherry-Nanobodyを用いてVIPアッセイを行った.さらに抗GFP抗体でウェスタンブロッティングを行うと,5本のIFTサブユニットのバンドが検出されたことから,6サブユニットによる複合体形成が確認された.

5)サブトラクションVIPアッセイによるコアサブ複合体とペリフェラルサブ複合体の連結様式の解明:「全部まとめてやっちゃえ」

ここまでの解析によって,IFT-B複合体では,10サブユニットからなるコアサブ複合体と6サブユニットからなるペリフェラルサブ複合体が形成されることが明らかになった.ただし,これら二つのサブ複合体はどこかで相互作用して一つの複合体を形成するはずであるが,その連結様式を確定できていなかった.そこで,すべてのサブユニットをまとめて細胞に発現させてVIPアッセイを行えば,相互作用を発見できるのではないかと考えた.GFP融合のコアサブユニット10個とRFP融合のペリフェラルサブユニット6個(全部で16サブユニット)をまとめて細胞にトランスフェクションしてVIPアッセイを行ったところ,実際にビーズが赤く光った.このことは,二つのサブ複合体がどこかでつながっていることを示唆する.次に,相互作用に必要なサブユニットを特定するためには,16個のサブユニットから1個ずつ抜いていって,赤く光らなくなるものを探せばよい.一つずつ地道に引いていくサブトラクションVIPアッセイを行ったところ,IFT38, IFT52, IFT57, IFT88のどれかを引いたときにのみ赤い光が失われた.次に,二つのサブ複合体の連結のためにこの四つのサブユニットだけで十分なのかどうかを調べた.すると,IFT52+IFT88とIFT38+IFT57の2対2のときにのみ相互作用が検出された.このようにして,コアとペリフェラルサブ複合体を連結するサブユニットの特定に成功し,IFT-B複合体全体の構築モデルが完成した(図2C10)

6)ノックアウト細胞を用いたIFT-B複合体の検証実験

IFT-B複合体の相互作用マップは完成したが,VIPアッセイはあくまでも蛍光タンパク質を付加したタンパク質を過剰発現させて行う実験系なので,偽陽性・偽陰性が含まれる可能性は否定できない.したがって内在性のIFT-B複合体が相互作用マップどおりに構築されるのかどうかについて,別の角度から検証する必要がある.そこでIFT38のノックアウト(KO)マウス由来の細胞を利用することにした.IFT38のKOマウスは胎生致死であり,繊毛をまったく形成しない11).IFT-B複合体のマップから,IFT38がなければコアとペリフェラルサブ複合体が連結されず,IFT-B複合体全体が構築されないために,繊毛を形成できなくなったと考えられる.IFT38のKO細胞に対してレスキュー実験を行ったところ,野生型IFT38の発現によって繊毛形成が回復するのに対して,IFT80との相互作用に必要なドメインを欠くIFT38ΔNを発現させても繊毛形成は回復しなかった.一方,他のサブユニットとの相互作用には関与しないC末端領域を欠失したIFT38ΔCを発現させると繊毛形成は回復した.これらの結果から,IFT38と他のサブユニットとの相互作用は,IFT-B複合体の構築にとって必須であることが裏づけられた.

他の研究者らが作製したIFT-Bサブユニットの変異マウスやKOマウスの繊毛形成に関する表現型も,予想されるIFT-B複合体の構築様式を考えるとうまく説明できる.たとえば,IFT38と同じくサブ複合体どうしの連結に必須のIFT88の変異マウスでは繊毛はほとんど形成されない1).一方,マップからIFT-B複合体の中心部分の構築には必須ではないと予想されるIFT25やIFT27のKOマウスでは,繊毛自体は形成される12, 13).ただし,ヘッジホッグシグナル伝達は異常であり,マウスが正常に発生することはない.

筆者らは,上記のようなVIPアッセイを活用した研究と並行して,CRISPR/Cas9システムを利用して,さまざまなIFT-BサブユニットのKO細胞を樹立している.複合体の中心に位置するIFT20やIFT88のKO細胞では繊毛は形成されないのに対して14),複合体の中心部分の構築には必須ではないと予想されるIFT56のKO細胞は繊毛を形成する15)

5. おわりに

筆者らの研究とほぼ同時期に,二つのグループからIFT-B複合体の構築様式に関する論文が発表された16, 17).Lorentzenらのグループは,精製したクラミドモナスのIFTタンパク質を使って,IFT-B複合体の全体構成を解明した.Boldtらは,217種類の繊毛関連タンパク質のプロテオミクス解析を行い,IFT-B複合体の全体構成を解明した.三つのグループのアプローチはまったく異なるが,IFT-B複合体の構築様式に関して最終的に同様の結論に至った.

IFT-B複合体の全体構成は解明できたが,各サブユニットの機能はほとんどわかっていない.IFT複合体の各サブユニットの変異が繊毛病の原因になることから,それぞれ必須の役割を担うと考えられる.そこで筆者らの研究室では,IFTサブユニットをKOした細胞を順次樹立して機能解析を進めている.また,IFT-A複合体の全体構成と逆行輸送の調節機構に関する研究18),IFT複合体とキネシン-2やダイニン-2の相互作用と輸送制御機構に関する研究15),IFT複合体と低分子量GTPaseのArl13bとの相互作用に関する研究19)なども行っている.今後はVIPアッセイだけでなく,ゲノム編集やライブイメージングなどを用いて多角的な解析を行い,IFT複合体の機能を解明し,ひいては繊毛病の分子基盤解明につなげていきたい.

謝辞Acknowledgments

IFT38(Cluap1)のcDNAやKO細胞は濱田博司先生(理化学研究所多細胞システム形成研究センター)にご供与いただいた.ここに謝意を表します.

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著者紹介Author Profile

加藤 洋平(かとう ようへい)

京都大学大学院薬学研究科生体情報制御学分野助教.博士(薬学).

略歴

1979年栃木県に生まれる.2002年筑波大学第2学群生物学類卒.07年京都大学大学院薬学研究科博士課程修了.McGill大学ポストドクトラルフェローを経て,09年より現所属助教.

研究テーマと抱負

一次繊毛内のタンパク質輸送のメカニズムとその破綻が引き起こす繊毛病に興味を持って研究を行っている.独自の手法を開発することで新発見を目指したい.

ウェブサイト

http://www.pharm.kyoto-u.ac.jp/physchem/

趣味

熱帯魚の飼育.実験器具の自作.

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