生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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Journal of Japanese Biochemical Society 89(2): 293-297 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890293

みにれびゅうMini Review

Affinity clamp法を用いたタンパク質間相互作用ネットワークにおける特定相互作用の機能解析Functional analyses of specific protein-protein interaction networks using affinity clamping technology

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, Okayama University ◇ 〒700–8530 岡山市北区津島中1–1–1 ◇ 1–1–1, Tsushima-naka, Kita-ku, Okayama 700–8530, Japan

発行日:2017年4月25日Published: April 25, 2017
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1. はじめに

細胞内では,多数のタンパク質が互いに結合と解離を繰り返している.タンパク質間の結合と解離は,一対一の単純な様式ではなく多対多のタンパク質間で起こる.近年の網羅的計測技術や大規模データの解析技術の開発と発展に伴い,多数のタンパク質間相互作用が同定され,タンパク質間相互作用ネットワークの形成も明らかになってきている.しかし,細胞内の相互作用ネットワークは非常に複雑であるため,実験で見いだされるタンパク質間相互作用のうちの少数かつ特定のタンパク質間相互作用が関与する細胞内シグナル伝達のプロセスを解析することは,挑戦的な課題の一つである.本稿では,タンパク質を人工的に改変し,それらを利用することで,この課題に挑んだ最近の研究を概説する.

2. 相互作用ドメインとマルチドメインタンパク質

細胞内におけるタンパク質間相互作用ネットワークの形成には,タンパク質の相互作用ドメインが重要な役割を果たす.なかでも,タンパク質中の短いペプチドモチーフとそれを認識する相互作用ドメインが,相互作用ネットワークの形成に関与する例がよく知られている1).おなじみのSH2ドメインとリン酸化チロシン含有モチーフの相互作用や,SH3ドメインとプロリンリッチ配列の相互作用は,その代表例である.相互作用ドメインは,他のタンパク質とプロミスキャスな(区別のない)相互作用を行う,すなわちタンパク質中の標的ペプチドモチーフに対し比較的低い親和性とアミノ酸配列に対し広範な特異性を示す,という特徴を持つ2).これに起因して,細胞内において多数のタンパク質と相互作用することが可能になる.また,相同な相互作用ドメインが多数のタンパク質中に見いだされており,複数のタンパク質が同じペプチドモチーフに結合しうる3).加えて,細胞内のタンパク質の多くが,複数種類の相互作用ドメインから構成されるマルチドメインタンパク質である1).以上のような相互作用ドメインとペプチドモチーフ間相互作用の特徴のために,タンパク質間相互作用ネットワークの構造は,きわめて複雑になる(図1を参照).

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図1 タンパク質間相互作用ネットワークの例

Grb2を中心に,わずか30種類のタンパク質に限って実験的に同定されたそれらの相互作用を描写した.円はタンパク質を,円と円をつなぐ線は相互作用をそれぞれ示す.単純化してもなお,相互作用ネットワークは複雑であることがわかる.Search Tool for the Retrieval of Interacting Genes (STRING)[Szklarczyk, et al. (2011) Nucleic Acids Res., 39, D561–D568]を用いて作成した.

3. 特定の相互作用ドメインとペプチドモチーフ間相互作用の機能解析

特定の相互作用ドメインと特定のペプチドモチーフ配列間相互作用の細胞内シグナル伝達における役割を調べるために,相互作用ドメインが欠失したタンパク質変異体の作製やペプチドモチーフへの親和性が欠失ないし減弱するような相互作用ドメインへの変異導入が,一般的には行われてきた.しかし,上述したとおり相互作用ドメインは,ペプチドモチーフ配列に対して広範な特異性を示すため,相互作用ドメインの欠失やそれらへの変異導入により,不特定の相互作用ドメイン–ペプチドモチーフ間の結合も消失してしまう.一方,ペプチドモチーフに変異を導入すると,着目するもの以外の相互作用ドメインとの結合に影響してしまう.結果として,観察された細胞の挙動が,不特定多数のタンパク質間相互作用に起因する可能性を排除できないため,既存の手法では特定の相互作用ドメインと特定ペプチドモチーフ配列との相互作用が機能的に重要であるのかどうか,どのような役割を果たすのかを解明することが事実上不可能である.この問題は,相互作用ネットワークの構造とそれが発揮する機能とを理解する上で本質的なものであるが,その解決には技術的な困難さを克服する必要があった.

遺伝学的な方法とは別に,タンパク質工学の手法を用いて細胞内におけるタンパク質間相互作用の機能を解析する研究もなされている.相互作用ドメインのペプチドモチーフ配列への親和性を向上させたり特異性を改変したりするアプローチや4, 5),特定の相互作用ドメインに特異的に結合する人工タンパク質の細胞内への導入によりタンパク質間相互作用を阻害するアプローチ6)がとられている.しかし,いずれにおいても,特定の相互作用ドメインと特定ペプチドモチーフ配列との相互作用の機能解明には至っていない.

4. 細胞内アダプタータンパク質Grb2を研究対象とした方法の開発

1)Grb2タンパク質とそのSH2ドメイン

細胞内アダプタータンパク質Grb2(growth factor receptor-bound protein 2)は,SH2ドメインとそれをはさむ2個のSH3ドメインから構成されるマルチドメインタンパク質で,タンパク質間相互作用ネットワークの中心で働くタンパク質の代表例である.これまでに,Grb2のSH2ドメイン,SH3ドメインともに,それらと細胞内で相互作用するタンパク質が大規模解析により多数同定されている7).相互作用する相手が多数同定されているだけでなく,SH2ドメインとSH3ドメインの両方ともがGrb2の機能発現に欠くことができない.たとえば,いずれかの相互作用ドメインを欠いたGrb2を有するマウスES細胞では,原始内胚葉への分化ができないことが報告されている8)

Grb2のSH2ドメインは,リン酸化チロシン(pY)含有モチーフを介して多種類のタンパク質と結合する.pY含有モチーフの中でも,特にpY-X-N-X(Xは任意のアミノ酸残基)というモチーフに広い特異性を示す9).前節であげた技術的な困難さのために,比較的研究が進んでいるGrb2 SH2ドメインに関しても,実験的に同定された個別のpY-X-N-Xモチーフとの相互作用の役割については,これまでほとんど明らかにされていなかった.

2)Grb2 SH2ドメインを改変したpY clampの作製

上述の問題を打開するために,筆者らは,広範な特異性を示すGrb2 SH2ドメインが特定のpY-X-N-Xモチーフ配列に単一特異的に結合するように,affinity clamp技術10)という手法を用いて,人工的に改変することを試みた.affinity clamp技術では,相互作用ドメインに,エンハンサードメインというまったく別のタンパク質ドメインを連結させる.相互作用ドメインとエンハンサードメインでペプチドモチーフ配列をはさみ込むことで,相互作用ドメインが単独の場合と比較して,ペプチドモチーフに対する親和性と特異性を向上させることができる10).また,affinity clamp技術では,進化分子工学の手法も用いる.すなわち,抗体分子のようにエンハンサードメインのアミノ酸配列を多様化したバリアントの組合わせライブラリーより,相互作用ドメインとペプチドモチーフ複合体に対して特異的に結合するエンハンサードメインのバリアントを選別するのである10)

特定のpY-X-N-Xモチーフに高い親和性と特異性で結合する人工タンパク質(pY clamp)を作製する具体的な方法の概要は,以下のとおりである(図2A).(1)エンハンサードメインとしてfibronectin type III(FN3)ドメイン11)を用いた.(2)pY-X-N-Xモチーフとの結合部位の近傍にFN3ドメインが配置されるよう,Grb2 SH2ドメインの円順列変異体(cpSH2)を作製した.(3)次いで,cpSH2のC末端にリンカー配列を介してFN3ドメインを連結した.(4)FN3ドメインのアミノ酸配列を多様化した組合わせライブラリー(約107種類のバリアントを含む)を構築した.(5)酵母ディスプレイ法12)により組合わせライブラリーを選別し,特定のpY-X-N-Xモチーフに高い特異性と親和性を示すバリアントを同定した(図2A).

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図2 pY clampの作製とpY-X-N-Xモチーフ含有ペプチドに対する結合特性

(A)pY clampの作製スキーム.SH2ドメインにおいて,N末端とC末端はpY-X-N-Xモチーフ結合部位とはまったく逆側に位置していることから,エンハンサードメインを連結するには不適である.そこで,SH2ドメインの円順列変異体(cpSH2)を作製し,新しいN末端とC末端をpY-X-N-Xモチーフ結合部位の近傍に導入する.次に,新しく導入したC末端に,エンハンサードメインとしてFN3ドメインをリンカー配列を介して連結する.FN3ドメイン中のループ領域のアミノ酸配列を多様化させた組合わせライブラリーを作製し(cpSH2-FNの図中,連続した“*”は配列を多様化したことを意味する),多数のバリアントの中から,特定のpY-X-N-Xモチーフに特異的に結合する“pY clamp”を選別する.(B)野生型Grb2 SH2ドメイン,cpSH2-FN3および3種類のpY clampのpY-X-N-Xモチーフ含有ペプチドに対する結合プロファイル.各ペプチドに対する解離定数(KD)を,nMを単位とする対数軸で表示した.グラフ右に記した各ペプチドのアミノ酸配列中,アラニンスキャニング解析においてpY clampに対する親和性が10倍以上低下したアミノ酸残基を枠で囲った.共通するリン酸化チロシン(pY)残基を基準に,N末端側のアミノ酸残基の位置をマイナス記号(−)をつけて,C末端側のアミノ酸残基の位置をプラス記号(+)をつけてそれぞれ表す.コア領域であるpY-X-N-X(すなわち0位~+3位のアミノ酸残基)を灰色の背景で強調した.文献13)の図を改変.

5. 特定のpY-X-N-Xモチーフ配列に対して高い結合特異性を示すpY clamp

1)pY clampのpY-X-N-Xモチーフ配列への結合特性

上述したaffinity clamp技術を基盤とした方法により,3種類のpY-X-N-Xモチーフにそれぞれ特異的に結合するGrb2 SH2の改変体を作製することに成功し,それらを“pY clamp”と命名した13).具体的には,Bcr pY177, Shc1 pY239/pY240およびPtpn11 pY580(タンパク質名とpY残基の残基番号を示した)を標的とするpY clampを作製することができた.Grb2 SH2ドメインの主要な相互作用配列である13種類のpY-X-N-Xモチーフ含有ペプチドに対する解離定数を評価したところ,Grb2の野生型SH2ドメインと比べた場合,いずれのpY clampも標的となるpY-X-N-Xモチーフに対して,きわめて高い親和性と特異性を示した(図2B).

2)pY clampのpY-X-N-Xモチーフに対する結合特異性発現メカニズム

さらに筆者らは,pY clampが標的となるpY-X-N-Xモチーフに対して高い特異性を示すメカニズムについて,詳細に調べることにした.まず,pY-X-N-Xモチーフ含有ペプチドに対しアラニンスキャニング法を適応し,結合の親和性の低下を指標として,pY clampとの相互作用に重要なアミノ酸残基を同定した(図2B,アミノ酸配列中の四角で囲ったアミノ酸残基).予想されたことだが,3種類のpY clampに共通して,pY-X-N-Xモチーフを構成するアミノ酸残基が相互作用に重要であった.これは,pY clampのcpSH2ドメインが,pY-X-N-Xモチーフのコア領域の認識に関与することを示している.一方で,pY-X-N-Xモチーフのコア領域よりもC末端側のアミノ酸残基が,特異的な相互作用に重要であることがわかった.中でもBcr pY177に特異的に結合するpY clampは,今回作製した3種類のpY clampの中でも,標的pY-X-N-Xモチーフに対して特に高い特異性を示す.実際,アラニンスキャニング法により決定した相互作用に重要なアミノ酸残基には,pY-X-N-Xモチーフのコア領域に加えて,そのC末端側3残基(+4位~+6位の残基)が含まれていた(図2B).他の2種類のpY clampについても,Ptpn11 pY580に特異的なpY clampはpY-X-N-Xモチーフのコア領域の他に,+4位のグリシン残基が結合に寄与すること,Shc1 pY239/pY240に特異的なpY clampはpY-pY-N-Dという連続した4残基が結合に重要であることが,それぞれ明らかになった.これらpY clampの結合に要求されるアミノ酸残基とそれらの位置は,今回調べた13種類のpY-X-N-Xモチーフ含有ペプチドの中で特徴的であり,pY clampがそれぞれの標的配列に対して高い特異性を示す理由を説明できる.

また,2種類のpY clamp(Ptpn11 pY580およびShc1 pY239/pY240に特異的なpY clamp)については,標的となるpY-X-N-Xモチーフ含有ペプチドとの共結晶化に成功し,結晶構造解析を行った(PDB ID:4JMGおよび4JMH)13).2種類のpY clampのいずれにおいても,cpSH2ドメインとFN3ドメインの両方ともがpY-X-N-Xモチーフ含有ペプチドを認識し,期待されたとおり両ドメインでペプチドをはさみ込んでいた.また,ペプチドに対して適用したアラニンスキャニング法で得られた結果と一致して,2種類のpY clampでpY-X-N-Xモチーフのコア領域の認識の機構は共通していたものの,FN3ドメインが結合するペプチド部分の位置やその相互作用様式は異なっていた.以上のように,pY clampのcpSH2ドメインがpY-X-N-Xモチーフのコア領域の認識に,エンハンサードメインであるFN3ドメインが特異性の獲得にそれぞれ寄与すること,でpY clampはそれらの標的モチーフ配列に高い特異性を示すことが明確に示された.

6. pY clampの利用で明らかになったマウスES細胞の原始内胚葉への分化に重要なGrb2とPtpn11 pY580サイト間の相互作用

上述したように,Grb2はマウスES細胞の原始内胚葉への分化の段階で重要な役割を果たす8, 14).また,Grb2を欠失したマウスES細胞(mESC Grb2−/−)では,原始内胚葉への分化誘導が起こらないが,野生型Grb2を再導入すると分化を誘導することができる8).そこで,これと類似した系を用いて,特定のpY-X-N-Xモチーフと特異的に相互作用するpY clampを,野生型のSH2ドメインの代わりにmESC Grb2−/−に導入することを考えた.

Grb2の機能発現にはSH2ドメインとSH3ドメインの両方が必要であることから,単純にpY clampをmESC Grb2−/−に発現させるのではなく,Grb2のSH2ドメインを上記の3種類のpY clampでそれぞれ置き換えたGrb2の変異体(chimeric Grb2;以降,chGrb2と略記する)を作製することにした.chGrb2は,SH3ドメインを介したタンパク質との結合を保持しつつ,SH2ドメインが単一特異的にpY-X-N-Xモチーフへと結合することが期待できる.

作製したchGrb2をmESC Grb2−/−に発現させ,野生型Grb2の機能を補完できるか否かを検討した.その結果,Ptpn11 pY580に特異的なpY clampを持つchGrb2タンパク質(chGrb2 Ptpn11_pY580)は,野生型Grb2と同様にmESC Grb2−/−細胞の分化誘導を引き起こした13).一方,他の2種類のpY clampをもとに作製したchGrb2では,mESC Grb2−/−の分化を誘導することはできなかった13)図3).

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図3 chGrb2の設計とその利用

(A)野生型Grb2のSH2ドメインを置換し,単一のpY-X-N-Xモチーフ配列に結合するchGrb2を設計し作製した.(B)chGrb2によるマウスES細胞分化の誘導の有無.図中,簡潔にするためにSH3ドメインは省略している.円はpY-X-N-Xモチーフ配列を示す.直線はpY-X-N-Xモチーフ配列とSH2ドメインないしpY clamp間相互作用を示し,その太さで親和性の大きさを表現した(太い線ほど高親和性).pY clamp Ptpn11_pY580から構成されるchGrb2のみが,野生型Grb2と同様にマウスES細胞の原始内胚葉への分化を誘導した.

mESC Grb2−/−において,chGrb2 Ptpn11_pY580がどのようなタンパク質とどの程度相互作用しているのかに興味が持たれたので,相互作用するタンパク質を定量的質量分析法15)で解析し,野生型Grb2場合と比較した13).SH3ドメインを介して相互作用するタンパク質として,野生型Grb2とchGrb2 Ptpn11_pY580ともに,SOS1やCblをはじめとする同種タンパク質が,ほぼ同程度の量検出された.このことから,狙いどおりにchGrb2はSH3ドメインを介したタンパク質との結合を保持していることが確認された.一方,SH2ドメインを介して相互作用するタンパク質として,野生型Grb2ではPtpn11, Frs2, Shc1, Snx18といった複数種類が検出されたのに対し,chGrb2 Ptpn11_pY580では,ほぼPtpn11のみが検出された.すなわち,chGrb2 Ptpn11_pY580は野生型Grb2とは異なり,Ptpn11のpY580サイトに対して特異的に結合することが確かめられた.

以上のmESC Grb2−/−におけるchGrb2の発現実験から,マウスES細胞における分化誘導の初期段階においては,Grb2 SH2は多数のpY-X-N-Xモチーフと相互作用する必要は必ずしもなく,単一のモチーフ(Ptpn11 pY580サイト)と相互作用すれば十分であることが初めて示された13)

7. おわりに

本稿では,特定のタンパク質間相互作用を消失ないし減弱させることなく,細胞機能の発現に重要な特定のタンパク質間相互作用を同定する方法を紹介した.従来の遺伝学的な方法とは異なり,特定の相互作用を構築することに立脚した方法である点ですぐれている.また,原理的には,SH2ドメインとpY含有モチーフ間相互作用に限らず,他の相互作用ドメインを介した特定のタンパク質間相互作用の機能の解明にも応用できる.一方で,多くの読者も感じると想像されるが,遺伝学的手法に比べて人工タンパク質の作製手順は煩雑であり,汎用性の高い方法とはいいがたい.それでもなお,本法は他の手法では決して行うことのできない解析を可能とし,予想もしなかった結果が得られる可能性も高い.したがって,従来の遺伝学的な方法を補完する手法として有用であると確信している.

謝辞Acknowledgments

本稿で紹介した筆者らの研究は,シカゴ大学において小出昌平先生(現ニューヨーク大学)のご指導の下行ったものです.小出先生をはじめとする共同研究者の皆様に,心より感謝いたします.

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著者紹介Author Profile

安井 典久(やすい のりひさ)

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)助教.博士(理学).

略歴

2001年徳島大学工学部卒業,03年同大学院工学研究科修了,07年大阪大学大学院理学研究科修了,博士(理学).大阪大学蛋白質研究所特任研究員・助教,10年シカゴ大学博士研究員を経て,13年より現職.

研究テーマと抱負

タンパク質,特に細胞膜受容体とそのリガンドタンパク質の構造と分子機能.有用な人工タンパク質の作製とその利用により,機能の消失や要素を差し引くことにもとづいた研究手法からの脱却をめざしたい.

ウェブサイト

http://www.pharm.okayama-u.ac.jp/lab/a_yama/Structure/Top.html

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