生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
〒113-0033 東京都文京区本郷5-25-16 石川ビル3階 Ishikawa Building 3F, 5-25-26 Hongo, Bunkyo-ku Tokyo 113-0033, Japan
Journal of Japanese Biochemical Society 89(3): 325-332 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890325

特集Special Review

バイスペシフィック抗体を用いた血友病A治療への新たな挑戦New challenge for treatment of hemophilia A by using bispecific antibody

1中外製薬株式会社研究本部Research Division, Chugai Pharmaceutical Co., Ltd. ◇ 〒412–8513 静岡県御殿場市駒門1–135 ◇ 1–135 Komakado, Gotemba, Shizuoka 412–8513, Japan

2奈良県立医科大学小児科Department of Pediatrics, Nara Medical University ◇ 〒634–8522 奈良県橿原市四条町840 ◇ 840 Shijo-Cho, Kashihara, Nara 634–8522, Japan

発行日:2017年6月25日Published: June 25, 2017
HTMLPDFEPUB3

血友病Aは血液凝固第VIII因子(FVIII)の先天性欠乏に起因する出血性の疾患であり,小児期より重篤な出血傾向を呈する.標準治療としてFVIII製剤による補充療法が実施されるが,頻回の静脈注射の必要性,およびFVIIIインヒビター(抗FVIII中和抗体)の発現とその後の治療は未解決の課題である.この解決のため,我々は抗体工学技術を駆使し,活性型第IX因子(FIXa)および第X因子(FX)に対するヒト化バイスペシフィック抗体“エミシズマブ”を創出した.エミシズマブは長期持続型皮下投与製剤であり,FVIIIと同様FIXaが触媒するFX活性化を促進する作用を有する.国内第I相臨床試験では,週1回の皮下投与により,FVIIIインヒビターの有無に関わらず重症血友病A患者の出血頻度を激減させた.本稿では,本剤の基礎研究を臨床応用につなぐこれまでの道のりを概説する.

This page was created on 2017-04-24T16:07:50.686+09:00
This page was last modified on 2017-06-19T11:38:15.532+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。