生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
〒113-0033 東京都文京区本郷5-25-16 石川ビル3階 Ishikawa Building 3F, 5-25-26 Hongo, Bunkyo-ku Tokyo 113-0033, Japan
Journal of Japanese Biochemical Society 89(3): 343-350 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890343

特集Special Review

血流による物理的力が招く血栓性疾患TTPと出血性疾患VWDShear-induced unfolding and cleavage of VWF by ADAMTS13:pathophysiology of von Willebrand disease and thrombotic thrombocytopenic purpura

国立研究開発法人国立循環器病研究センター研究所分子病態部Department of Molecular Pathogenesis, National Cerebral and Cardiovascular Center Research Institute ◇ 〒565–8565 大阪府吹田市藤白台5丁目7番1号 ◇ 5–7–1 Fujisiro-dai, Suita, Osaka 565–8565, Japan

発行日:2017年6月25日Published: June 25, 2017
HTMLPDFEPUB3

血管内皮細胞から超高分子量マルチマーとして分泌されるvon Willebrand因子(VWF)は,血小板と血管損傷部位に露出した内皮下組織のコラーゲンの双方に接着して血小板血栓形成を促進する.VWF遺伝子の変異によるVWFの量的・質的欠損は出血性疾患von Willebrand病を引き起こす.血中にはVWF切断酵素ADAMTS13が存在し,VWFのマルチマーサイズを調節することでVWFの血栓形成能を適度な状態に維持している.ADAMTS13がVWFのC末端側領域に結合すると,コンホメーション変化によりADAMTS13のN末端側領域のメタロプロテアーゼドメインおよび隣接ドメイン上のVWF結合エキソサイトが露出する.この領域がずり応力下でアンフォールディングしたVWF A2ドメインと特異的に相互作用し,A2ドメイン内のTyr1605-Met1606間を切断する.ADAMTS13活性の著減は超高分子量VWFマルチマーの蓄積をもたらし,血栓性血小板減少性紫斑病の原因となる.

This page was created on 2017-04-25T10:29:20.188+09:00
This page was last modified on 2017-06-19T11:40:31.176+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。