生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
〒113-0033 東京都文京区本郷5-25-16 石川ビル3階 Ishikawa Building 3F, 5-25-26 Hongo, Bunkyo-ku Tokyo 113-0033, Japan
Journal of Japanese Biochemical Society 89(3): 359-367 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890359

特集Special Review

赤芽球の脱核:その仕組みと生物学的意義の考察Enucleation of human erythroblasts: Its mechanism and insights into biological significance

秋田大学大学院理工学研究科附属理工学研究センターResearch Center for Engineering Science, Graduate School of Engineering Science, Akita University ◇ 〒010–8502秋田県秋田市手形学園町1–1 ◇ Tegata-Gakuên 1–1, Akita 010–8502, Japan

発行日:2017年6月25日Published: June 25, 2017
HTMLPDFEPUB3

赤血球の役割は,酸素を各組織・細胞へ届けると同時に二酸化炭素を重炭酸イオンに変換することである.エネルギー産生を酸化的リン酸化に依存する多くの動物,特に陸に這い上がった動物群には酸素はなくてはならない.ヒトの全細胞数の70%以上を占める赤血球は低酸素環境の骨髄で1日あたり約2000億個産生され,約120日の間に20万回以上循環する.

赤芽球の脱核は哺乳類に特化した現象であるといってよい.換言すれば核のない赤血球はほぼ哺乳類だけで,同じ地上で重力に逆らって生活する鳥類の他,爬虫類や両生類,水中生活する魚類に至るまで赤血球には核がある.本稿では,生物進化学,特に環境適応を基盤に赤血球を特徴づけるヘモグロビン,脱核機構,エネルギー代謝,膜骨格構造の観点から多角的に赤芽球の脱核の意義を考察する.

1. はじめに

赤血球は「血液中の有形成分のひとつで,円盤状で血色素を含み酸素を身体の各部へ供給する」と国語辞典に書かれている.つまり,赤血球は「酸素を運搬できる血色素を含む血液細胞」ということになる.前半はヘモグロビンを指しているから,雑駁には「赤血球とはヘモグロビンを含む血液細胞」であるが,「酸素を運搬する袋」と表現されることもある.しかし,赤血球は単なる袋ではなく,ATPを産生しながら巧みにその形態と機能(酸素運搬)を維持して酸素を各組織・細胞へ届けると同時に二酸化炭素を重炭酸イオンに変換する.エネルギー産生を酸化的リン酸化に依存する多くの動物,特に陸に這い上がった動物群には酸素はなくてはならない.

ヒトの全細胞数(成人男子)は約37兆個と再計算された1).赤血球数には男女差があるが,平均して1 mm3あたり約500万個でおおよそ26兆個と計算されたことから,赤血球は全細胞数の約7割以上を占める.単純に数だけで細胞の重要性を論じることはできないが,ヒトが生命活動を営む上で少なくともこれくらいの数が必要であることを示している.また,ヒトの赤血球は骨髄で1日あたり約2000億個産生され,約120日の寿命の間に20万回以上循環して,脾臓の細網細胞に補食されて寿命を全うする2)

赤血球はアカガイなどの少数の例外を除けば脊椎動物特有の細胞であるといっても過言ではない.その中で,核を吐き出した無核[正確には細胞小器官(オルガネラ)全部がない]の赤血球は哺乳類に特異的な細胞であるといってよい.つまり,核のない赤血球は哺乳類だけで,同じ地上で重力に逆らって生活する鳥類の他,部分的に水中生活する爬虫類や両生類,そして水中生活する魚類に至るまで赤血球には核はある.なぜ,哺乳類だけがわざわざエネルギー使って脱核をしなければならなかったのか,仮に偶発的な自然淘汰の結果であるにしても,なぜ偶然に脱核した個体が優位に子孫を残すことになったのか,その明解な解答は得られていない.本稿では,ヘモグロビンから話を起こして,膜構造,エネルギー代謝の点から赤芽球の脱核の意義を考察したい.

2. ヘモグロビンの登場と進化赤血球の登場(脊椎動物)

生物進化の途上では,赤血球に先行してヘモグロビンが登場する3–8).酸素運搬に必要な分子の登場は細菌にまで溯る3).ミミズ(環形動物)の仲間は,エリスロクルオリン(erythrocruorin)という巨大な(多量体)ヘム結合グロブリンを持ち,また,チューブワーム(羽織虫)の巨大ヘモグロビンは体液中に拡散している3, 9).チューブワームは熱水噴出孔に棲息しており,多様な細菌とともに硫黄からエネルギー産生を行っている.一方,興味深いことに赤血球を持たない種のヘモグロビンは巨大化している傾向があるが,ヘムを結合する構造はチューブワームのヘモグロビンの単量体とヒトヘモグロビンでよく似ている7).生物進化の中でヘモグロビンの登場に比べて赤血球が登場するのはかなり遅く,脊椎動物以降の動物である.ただし,軟体動物のアカガイやユムシはヘモグロビンを細胞に閉じ込めたことから,赤血球の起源は軟体動物にあるかもしれないが,きわめて特殊例である3, 10).ヘモグロビンを体液中に拡散させておくのではなく,1個の細胞に入れる,つまり赤血球を分化させたことは,体内への酸素運搬効率を飛躍的に高めたと考えられる.また,ヘモグロビンは量と構造だけではなく,その「質(機能)」である酸素解離曲線も考慮しなければならない11).ヘモグロビンの酸素解離曲線は胎児から成人に変化するのと同じように,種によっても異なる12).たとえば,鳥類では酸素解離曲線は右へ偏っていることから相対的に酸素供給効率がよいことが知られている11, 12).ヘモグロビンを細胞に閉じ込め,核を小さくして,さらに核を捨てて収容容積の拡大を図ったと考えられる.

3. 赤血球造血と環境適応

南極の低温環境に棲息するコオリウオは血液細胞を有するがヘモグロビンの遺伝子がない13–16).南極では,凝固点降下により−1.9°Cまで下がっても凍らない.この低温環境では溶存酸素濃度が上昇する反面,代謝も下がることからヘモグロビンそのものが不必要になったと思われる.同属魚種でもヘモグロビンやミオグロビンの有無の組合わせがあり,南極環境への適応の多様性を象徴している.また,低温は水の粘性を増大させるため血液循環が停滞するので,心筋が発達している17).コウリウオとヒトの赤血球を比較すると環境適応と呼吸・エネルギー代謝との密接な関係がみえてくる.また,赤血球造血と寒冷応答の関係は,アフリカツメガエルなどの両生類と哺乳類で外温性と内温性の観点から解析されている18–20)

4. 赤血球造血

1)赤血球造血の場

赤血球造血は,動物種によって異なり,かつ,個体の発生に伴って変化する.ヒトの造血の場は,卵黄嚢に始まり中腎領域(aorta-gonad-mesonephros:AGM)に移り,肝造血を経て最終的に骨髄に落ち着く.卵黄嚢を一次造血,肝造血以降を二次造血という.造血の場の変遷の発生学的詳細については,他書を参照していただきたい21–24).以前は,一次造血および肝造血で産生された赤血球は有核だとされていたが,これらの初期の造血での赤血球も無核(脱核している)であることが明らかになっている21–24)

2)赤芽球が脱核をする環境

骨髄環境での赤芽球は脱核するまではマクロファージ(Mϕ)と接着しており,これを赤芽球島という25–29).Mϕは,赤芽球の脱核までの場を確保するとともに,ヘム合成に必要な鉄分の供給や脱核によって排出された核のすばやい処理を行う2).赤芽球とMϕは双方に発現するerythroblast macrophage protein(Emp)により結合する30).さらに,赤芽球とMϕの結合にはα4β1 integrin(赤芽球側)とvascular cell adhesion molecule-1(VCAM-1, Mϕ側),intercellular adhesion molecule-4(ICAM-4,赤芽球側)とαV integrin(Mϕ側)が関与している2).細胞外マトリックスを構成するfibronectinやlamininも赤芽球や網状赤血球の終末分化を調節すると考えられている2).たとえば,赤芽球に発現するα4β1 integrinはfibronectinとも結合してアポトーシスを回避していると考えられている31)

では,Mϕとの結合は赤芽球の脱核に直接作用するのか,つまり,Mϕは赤芽球の終末分化に必要であっても脱核に対して直接関与しているかどうかが疑問になる.脱核後の核は膜様構造物で網状赤血球の細胞膜とつながっているが,血流やMϕの貪食などによる物理的な力によって分断されると考えられている.マウス脾から分離された赤芽球はMϕとの接着なしに正常に脱核する2).脱核した核は網赤血球から離別した後,Mϕが核表面(核を覆っている細胞膜)の「eat me」シグナルであるホスファチジルセリン(PS)を認識して貪食することが示された32).筆者らのグループは,ヒト末梢血由来の赤芽球がMϕや遠心分離やピペット操作による機械的外力がなくても脱核すること,脱核に要する時間はおおよそ8分前後であることを明らかにした33).これらの実験的観察は,赤芽球の脱核は細胞に内在する機構によって起こり,脱核におけるMϕの主要な役割は脱核後の核の速やかな処理であると考えるのが妥当であろう.もし,分離された核がMϕに貪食されなければ,TNF(腫瘍壊死因子)やIFN-β(インターフェロンβ)による慢性関節炎などの自己免疫疾患誘発が懸念される.

3)脱核までの動的変化(増殖・核濃縮・細胞極性化・脱核)

赤芽球の増殖から成熟赤血球に至る分化過程には,この細胞ならではのユニークなプロセスがある22–26).造血幹細胞から骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞),赤血球・巨核球系前駆細胞,前期赤芽球系前駆細胞(burst-forming unit-erythroid:BFU-E),後期赤芽球系前駆細胞(colony-forming unit-erythrocyte:CFU-E),前赤芽球までに数回の細胞分裂をするがその後停止し,好塩基性赤芽球,多染性赤芽球,正染性赤芽球,網赤血球を経て赤血球に成熟する.この過程でオルガネラの空間的配置も変化する.細胞質基質での主体はヘモグロビンの産生であるが,その他にもリボソームの減少や細胞膜骨格の構築,微小構造の再構成などが起こる.正染性赤芽球では,核が細胞質の一方に偏在して細胞が極性化し,収縮環の収縮によって脱核する34)

一般的には,脱核する前の正染性赤芽球までを「赤芽球」と称されることが多く,本稿でも便宜的にCFU-Eから脱核までを赤芽球として扱っている.また,本稿ではこの間を終末分化(terminal differentiation)と呼ぶことにする.放出された核は細胞膜に覆われている事実から,赤芽球の脱核は極度な不均等細胞質分裂であると考えられており,事実,上皮細胞等の細胞質分裂で働くタンパク質が脱核に関わっていることがある23, 35).その一方で,細胞質分裂を制御する分子であるPar3などは赤芽球の脱核には関与しないことが報告されている36)

4)赤芽球の終末分化の分子基盤

赤芽球の終末分化では,細胞増殖,核濃縮,細胞極性化,脱核とともに形態,オルガネラの空間配置や膜骨格構成も変化することから,関わる分子群も変化する(図1).

Journal of Japanese Biochemical Society 89(3): 359-367 (2017)

図1 赤芽球終末分化で働く分子群

赤芽球の終末分化で働く分子群を記載した.マウスとヒトの結果を分けていないので,実際には種特異的な機能分子を含んでいる.赤芽球の終末分化では,CFU-Eは増殖をするが,分裂を停止し核濃縮(condensation)に続いて細胞極性化(核の偏在,polarization),小胞の脱核部位への集積の後,収縮環の収縮により核が分離される33).Day 7~13はCD34細胞からの培養日数であり,Day 7がCFU-EでありDay 13で脱核する47, 48).CSF, IL-3とEPO添加培地で培養を開始し,Day 7にCSFとIL-3がなくEPOを添加した培地に交換することで赤芽球の純度が上がる33, 47, 48).各分子および脂質ラフトの作用は本文に記載した.図1は文献23を基に筆者が改変・作成した.

a. 核濃縮

脱核前の特徴的なイベントの一つに核濃縮がある37–39).マウス胎仔肝由来赤芽球に発現するhistone deacetylase(HDAC)アイソザイム(1, 2, 3, 5)の中でHDAC2がクロマチン凝集と脱核に関与することが,HDACの阻害剤であるトリコスタチンA(trichostatin A)を用いて明らかにされた40).また,クロマチン凝集と脱核はc-Mycによって抑制される41).c-Mycの過剰発現により,histone acetyltransferase(HAT)のアイソザイムであるGcn5による核濃縮とヒストンの脱アセチル化が抑制された42).また,Gcn5の発現は,miR-191によりRIO kinase 3(Riok3)とMax interacting protein 1(Mxi1)の発現制御を介して抑制される42)

tight junctionの主要タンパク質の一つであるClaudin 13(Cldn13)はマウス赤血球造血において,赤芽球脱核前に起こる核の偏在(細胞極性化)に関わると考えられている43)

マウスの系で,小胞輸送関連分子の阻害による赤芽球の脱核の抑制と,クラスリン(clathrin)およびアポトーシス抑制タンパク質であるサバイビンとその結合タンパク質であるEPS15(epidermal growth factor receptor substrate 15)の発現抑制による脱核率の低下が示されたことから,脱核部位への小胞輸送による空胞形成の関与が示された44, 45).核は細胞膜に取り囲まれて出ていくことから,減少した膜成分の補償に使われるのかもしれないが実験的検証はない35)

b. オルガネラ

マウス赤芽球では,脱核直前に核近傍に中心体が局在し,紡錘糸形成の阻害剤であるコルセミドの投与(1.5時間)により核と細胞質の形態的な変形を誘導したことから,中心体とチュブリンの脱核への関与が示唆された46).しかし,その後の研究により,チュブリンそのものが脱核に直接関与する可能性はほとんどないことが示された47).我々は,ヒト赤芽球において中心体が核近傍に局在することを確認し,また,β-チュブリンのタンパク質レベルでの発現はCFU-Eから脱核にかけて減少する傾向があることを報告した47, 48).しかし,微小管は,脱核の直前に核を細胞膜近傍へ移動させるために必要であった.細胞質モータータンパク質であるダイニンとキネシンの一種であるEg5(ヒト赤芽球で発現)をそれぞれの阻害剤によって阻害すると,CFU-Eの増殖は抑制されたが脱核が阻害されたのはdyneinが阻害されたときだけでEg5の阻害は脱核には影響しなかった47, 48).また,ダイニンのATPase阻害剤[erythro-9-(2-hydroxy-3-nonyl)adenine:EHNA]は,脱核直前で核近傍にあるダイニンの中心体への局在を阻害して核の偏在を抑制した48).なお,中心体分離・紡錘体形成に関わるAurora kinase AとAurora kinase Bを阻害すると,CFU-Eの増殖はともに抑制されたが脱核には影響しなかった.これは,Aurora kinaseのタンパク質レベルの発現自体が減少することによると考えられる48)

ヒト赤芽球では核の偏在化にダイニンが関わることを報告したが,マウスでは大きく異なる49).マウスではダイニンがTrim58(E3ユビキンチンリガーゼ)によるユビキンチン化を受けて消化されることで(実験的証明),核が未解明のキネシンによって偏在化することが報告された49).事実,マウス赤芽球では分化に従ってダイニンのタンパク質レベルでの発現が減少するが,Trim58をノックダウンした細胞ではダイニンは一定の発現を示した.ヒト赤芽球では,終末分化の間恒常的にTrim58の発現がタンパク質レベルで確認されたが,ダイニンの発現(タンパク質レベル)には顕著な変化がなかった.つまり,ヒトではダイニンが細胞極性(核の偏在)に関わっているが,マウスでは異なる未知のメカニズムが存在すると考えられる.一方,タンパク質脱リン酸化酵素の阻害も同様に脱核には影響しなかったことから,脱核に至る終末分化では脱核に関わらない情報伝達経路のタンパク質の発現自体に抑制や停止が起きていると考えられる.

核の偏在化は微小管依存性で局在性のあるphosphoinositide 3-kinase(PI3K)が調節していると考えられる50).マウスの赤芽球で,PI3Kの生成物であるホスファチジルイノシトール3,4-ビスリン酸とホスファチジルイノシトール3,4,5-トリスリン酸は,脱核前に核細胞膜の細胞質側に蓄積していることが確かめられた50).また,PI3Kの阻害による脱核の遅延や核偏在化の消失がマウスとヒトの赤芽球で確認されている48, 50)

本文ではことさらにヒトとマウスを区別しているが,赤芽球と赤血球はこれらの両者間で異なることが多く,この分野の研究ではマウスでの実験結果が直接ヒトに当てはまらないことが多い.実際にヒトとマウスでは,血圧と心拍数が異なり赤血球の寿命も異なる51)

c. 収縮環

脱核の最終段階は収縮環(アクトミオシン)の収縮による34).また,脱核におけるアクチン重合の制御分子としてRho GTPaseが同定されており,Rho GTPaseを阻害剤で阻害すると脱核しなくなった52).マウスでは,Rac GTPaseの下流分子であるmDia2の発現を抑制すると後期赤芽球脱核の収縮環形成と脱核が抑制された52).また,脱核時網状赤血球側の分裂溝に形成される脂質ラフト(lipid raft)の形成が阻害されると脱核が抑制された53).Ubukawaらは,ヒト造血幹細胞から分化誘導した赤芽球の脱核におけるミオシン分子種を同定した47).非筋型ミオシンII重鎖(non-muscle myosin heavy chain II:NMHC II)にはIIA, IIB, IICの三つのアイソフォームがある23).ヒト赤芽球にはNMHC IIA, IIBが発現しているが,IICは発現していなかった.NMHC IIAもしくはIIBをアイソフォーム特異的に阻害すると,NMHC IIB阻害のみが脱核を抑制したことから,脱核には非筋型IIBが収縮環の収縮機能を果たしていることが明らかになった47)

d. 転写因子

赤芽球の分化誘導は,erythropoietin(EPO)刺激によるJAK/STAT系によるGAT A転写因子群(GAT A1とGAT A2)の転写活性による54, 55).EPOは,マウスでは腎臓の神経堤細胞において低酸素誘導因子(HIF)により産生される56, 57).EPOの産生される臓器(組織)は動物種によって異なる.たとえば,アフリカツメガエル(Xenopus laeves)では,EPOは肺と肝臓で産生され,主要な赤血球造血器官は肝臓である58, 59).加藤らは,下等脊椎動物においてEPOが神経細胞保護作用や赤血球(赤芽球)前駆細胞のアポトーシス回避作用などの非造血作用をも有するが,哺乳類では赤血球造血に機能特化したことが,進化の過程で酸素要求度が向上したことに関係すると指摘している20)

ヒトとマウスの赤芽球の終末分化では,GAT A1の発現は必須であるが同時にクロマチン凝集も始まる.活性化されたcaspase-3による分解から核内のGAT A1を保護するためにHsp70が発現することが明らかにされた60, 61)

e. その他

赤芽球の核は収縮環(アクトミオシン)の収縮によって分離される.その他のオルガネラでは,ミトコンドリアがオートファジー(マイトファジー)によって脱核後,網状赤血球で処分されることがわかっている62, 63).これは,ヘム合成経路の一部がミトコンドリアで行われることを考慮すると,ヘモグロビン合成の時間をできる限り長くとっているように思われる64)

一方,網状赤血球からHsc70などシャペロンを含んだエクソソームがin vitroで観察されている65).生理的な役割は詳細な検討が必要であるが,免疫との関連が示唆されている66)

CD34細胞からEPOによる赤芽球系細胞の分化・増殖にleucine-rich tandem repeats 1(MASL1)から始まるRaf-1, MEK1/2, ERK1/2の情報伝達が必要であることが示された67).MASL1は成熟赤血球にも検出されるが,単なる遺存の可能性もある.

マウスの系で,iPS細胞から成熟赤血球への分化誘導が試みられている68).iPS化に必要なc-Mycは,赤芽球の増殖にも必要だが脱核に向けて発現が減少する69).iPS細胞でもc-Mycの発現抑制による増殖の低下とともに,ヘム合成までは確認されている.しかし,in vitroでは脱核率が低いことからこの段階(正染赤芽球)でマウスに戻すと脱核することが確認されている70)

5)赤芽球脱核の意義

a. 仮説とその問題点

一般的に,無核の赤血球は哺乳類特有と思われているが例外もある.サラマンダー(Batrachosep,陸生傾向の強い有尾両生類)の中には,無核の赤血球を有する種がいる71).また,先述のとおり,赤血球の本格的な登場は脊椎動物であるが,実際にはヘモグロビンを内包する細胞を持つ無脊椎動物も確認されている3, 10)

赤芽球が脱核して,オルガネラのない赤血球が生じることの生体における有利性についていくつかの仮説が提唱されている72).第一に「酸素運搬の高効率化」である.哺乳類の中凹円盤状(biconcave)形態は,球体の中で最も表面積/体積比が大きくなる一方,核を含むオルガネラを排出した空間はすべてヘモグロビンに置き換えられる.第二に変形能の高度化であり,毛細血管の通過による形状の変化と復元を考えると,核をなくすことで,いわば「形状記憶細胞」に徹した方が120日間に20~30万回,総延長約10万kmを循環するのだから合理的である2).しかし,毛細血管の通過は哺乳類に限ったことではない.また,胎盤との関係を指摘する研究者もいるが,胎盤は軟骨魚類にもみられるし,進化学上胎盤を獲得した哺乳類の登場と無核赤血球の登場の時間的関係を説明する証拠がない.もう一つの興味深い仮説は,がん化の回避である.遺伝子変異によるがん化した赤血球が毎日2000億個も産生されたらあっという間に個体は死に至るだろう2, 72).確かに,排出された核は即座にMϕに処理されることからすればありうることかもしれない2, 72)

b. エネルギー代謝から見た脱核の意義の考察

オルガネラのない赤血球のエネルギー代謝は嫌気的解糖による基質レベルのリン酸化によるが,筆者らはヒト赤芽球のエネルギー産生も同様に嫌気的解糖によることを観察した73).興味深いことに,細胞分裂状態にあるCFU-E以降もミトコンドリアマトリックスに局在するピルビン酸脱水素酵素(PDH)のセリン残基(300番目)がリン酸化され,クエン酸回路が閉ざされたままになっていると考えられる73, 74)

ヒトとマウスの赤芽球のGlut1(グルコーストランスポーター1)によるグルコースの取り込みが,stomatin(ストマチン)の細胞膜の発現の増加に伴い減少することが報告された75).実際に細胞内のATP量は,脱核時には分裂時(CFU-E)の20%に低下した73).しかし,このATP量の減少は単にグルコースの取り込み抑制だけではなく,PDHのリン酸化,飢餓で活性化されるPDHリン酸化酵素(PDK)の継続的な発現による酸化的リン酸化の抑制による73).骨髄の酸素濃度は諸説あるがおおよそ5%以下の低酸素環境である76, 77).しかし,培養系でもこれらの低酸素適応に関連する分子がHIFαによって誘導されているかどうかは実験的に証明されてない.では,赤芽球の脱核のエネルギー獲得が酸化的リン酸化ではなく,嫌気的解糖によるエネルギー代謝を選択した背景は何か,哺乳類が誕生した中生代の環境から考察してみたい.

c. 中生代における低酸素適応との関連性

注目すべきことは,約2億5千万年前のペルム紀と三畳紀に起きた大量絶滅[(P–T境界(Permian–Triassic extinction event))後の中生代の低酸素環境下で,哺乳類と恐竜類が同時に進化したことだ78–80).この低酸素環境下(15%以下)で生き延びるために哺乳類は腹式呼吸を獲得したが,恐竜類は現存の鳥類のように肺に付属した気嚢という空気の貯留器官を手に入れた[気囊システム(airsac system)]78).気嚢システムによって,肺にはいつも新鮮な酸素が供給されるが,哺乳類の腹式呼吸は空気を吸ったり吐いたりの交互になっている(図2).インドガン(Anser indicus)やアネハヅル(Anthropoides virgo)が標高約8000 mのヒマラヤ上空を飛行し続けられるのも気嚢システムによると考えられ11, 12).中生代の約2億年の間,哺乳類は体長15 cm程度の大きさだった78).体が小さいことは寿命が短いことを示しており,世代交代が速く,つまり,進化速度が速いことを意味する.逆に巨大化した恐竜は寿命が長くなり,相対的に進化速度が遅くなったと思われる.哺乳類の祖先で,赤芽球が脱核する個体が誕生する確率は,恐竜類に比べて格段に高かったに違いない.ただし,哺乳類の祖先の化石が十分に発見されているわけではなく,無核赤血球の物的証拠(化石など)を見つけることは難しいだろう.

Journal of Japanese Biochemical Society 89(3): 359-367 (2017)

図2 中生代における哺乳類と恐竜類の進化

中生代とは2回の大量絶滅,約2.5億年前のP–T境界から約6550万年前のK–Pg境界までをいう.中生代の15%以下の低酸素環境下で,哺乳類と恐竜類は同時に進化したと考えられている78, 80).一部の恐竜は現代の鳥類と同じように気嚢システムを持っていたと考えられている78, 80).また,化石から有核の赤血球と思われる構造物が証明されているが,血液を循環していた赤血球の核の有無は不明である97–99).獣脚類から鳥類が進化したと考えられていることから,恐竜類も有核の赤血球であった可能性が高い.一方,哺乳類は,腹式呼吸をしていたと考えられるが,中生代の哺乳類の赤血球が現代の哺乳類と同じように無核であったかどうか,また,いつ無核になったかは不明である.ここに示した図は上記の仮定の上に考案した.なお,古生代のP-T境界直前は高い酸素濃度だった78, 80)

5. 赤血球膜骨格の進化

1)赤血球の大きさと数

両生類を除く脊椎動物(爬虫類,鳥類,哺乳類)441種類の平均赤血球容積(mean corpuscular volume:MCV)と単位体積あたりの赤血球数の関係が調べられ,生物進化にしたがって赤血球のサイズを小さくして数を増やした傾向があることがわかった81).また,36種類の無顎類を含む魚類でも同様な傾向があった82).以上の結果は,生物進化の中で赤血球のサイズを小さくして数を増やした傾向があるように思われる.しかし,この傾向の中で両生類には突出して大きいサイズの赤血球を持つ種がいるが,その理由はわかっていない82)

2)赤血球の形態と膜骨格構造

哺乳類の赤血球の基本形態はラクダを除けば中凹円盤状であるが,有核赤血球は核を中心部に保持するために楕円形である(図3).表面積/体積比は,中凹円盤状が最も大きくなることからガス交換効率は向上する.つまり,同じ体積ならば饅頭よりは白玉団子の方が表面積は大きくなる.これは哺乳類が赤血球から核をなくした利点の一つであり,また,サイズの小型化にも貢献したといえる.

Journal of Japanese Biochemical Society 89(3): 359-367 (2017)

図3 赤血球膜骨格とprotein 4.1Rの構造

赤血球膜裏打ち構造の概略(A)ヒトおよび(B)ニワトリを示す83, 86, 91).ここでは,主だったタンパク質のみを描いているが,実際には他にも多くのタンパク質が同定されている100–102).膜貫通タンパク質Glycophorin Cはprotein 4.1R(4.1R80)を,band 3はankyrinを介してspectrinヘテロ二量体と結合する.4.1RはN末端部でp55とともに,SAB(spectrin-actin binding)ドメインでアクチン繊維と三者複合体を形成する.CaMはカルモジュリンを示す.(C) 2種類のprotein 4.1Rの一次構造の概略を示す.4.1R135(赤芽球型)と4.1R80(赤血球型)は,選択的スプライシングにより発現が制御されており,4.1R80のN末端にHP(head-piece)が付加されている.成熟赤血球には,4.1R135(赤芽球型)はほとんど検出されない.30 kDa(FERM)ドメインは膜貫通タンパク質と結合し,続くU(unique)ドメインは4.1のアイソフォームによってアミノ酸配列が大きく異なっている86, 91).CTD(C-terminal domain)は核タンパク質であるNuMAなどと結合する91, 100).Ca2+依存性のCaMの結合部位が4.1R135のHPにあり,4.1R135のCaM結合部位はHPのみである91).4.1R135のHPにはCa2+依存性のCaM結合部位が1か所あり,4.1R135ではHPのみにCaMが結合し,30 kDa(FERM)ドメインには結合しない.4.1R80の30 kDa(FERM)ドメインにはCa2+非依存性に結合するpep11(A264KKLWKVCVEHHTFFRL)と,Ca2+濃度の上昇により結合するS185残基がある88).CaMがこの2か所同時に結合すると(1分子の4.1R80に1分子のCaM),4.1R80の膜タンパク質との結合が緩められる88, 91).(D) 4.1R80の30 kDa(FERM)ドメインの立体構造とpep11とS185残基の3D上の位置を示す(PDB:1GG3)103).NとCはN末端とC末端を示す.

赤芽球の脱核を考える上で,赤血球膜の裏打ち構造も看過できない.赤血球膜赤血球裏打ち膜構造タンパク質はヒト赤血球膜の電気泳動法により解析され,また,細胞膜骨格構造とその構築過程は,最初にニワトリの赤血球で解析された83, 84).基本的な赤血球膜構骨格構造はヒト(無核)もニワトリ(有核)も似ている(図3).2種類の細胞膜貫通タンパク質でGlycophorin C(GPC)とband 3(anion exchanger 1)は,それぞれprotein 4.1Rとankyrinに結合している.protein 4.1Rはアクチン繊維とともに,ankyrinは直接に繊維状のspectrin αβのヘテロ二量体と結合して細胞膜を裏打ちしている85, 86).ヘテロ二量体のspectrinどうしは各々の末端部で結合して網目状構造を形成することで細胞膜構造を安定化する86).protein 4.1RのN-terminal 30 kDa domain(FERM domain:four one-ezrin- radexin-moesin domain)はそのA264KKLWKVCVEHHTFFRL配列でカルモジュリン(CaM)とCa2+非依存性に結合しているが,CaMがCa2+で飽和されると(Ca2+/CaM)S185残基との結合が強まり,膜貫通タンパク質およびspectrinとの結合が平衡解離定数で10倍程度弱まる87, 88).毛細血管内を通過するときに,膜骨格タンパク質間の結合を緩めることによって,細胞の形状変形をしやすくするためだと考えられる87).ただし,有核赤血球のprotein 4.1RはS185がプロリンやアラニンに置換されており,Ca2+/CaMの効果がない89).これは,血流速や血管の太さなどが関係していると思われる.では,脱核のようにオルガネラが抜け出るためには,平衡解離定数の10倍程度の変化では不十分であろうか.

protein 4.1Rは,選択的スプラインシングにより赤芽球に特徴的に発現する135 kDa型(4.1R135)と,赤芽球終末分化で発現し成熟赤血球膜骨格を構成する80 kDa型(4.1R80)がある90–92).4.1R135は4.1R80のN末端に209アミノ酸(head-piece:HP)が付加されており,HPにはCa2+依存性のCaM結合配列(S76 RGLSRLFSSFLKRPKS)がある91, 92).HPにCa2+/CaMが結合すると4.1R135の膜貫通タンパク質(band 3とGPC-p55複合体)への結合を完全に抑制するか,平衡解離定数で100倍程度弱める92).これは,4.1R80に対する作用,つまり,平衡解離定数で10倍程度の制御とはまったく異なる88, 92).脱核のときに,種々のリン酸化酵素の発現が低下や消失する中で,Ca2+/CaMによる4.1R135を介した制御系は有効であり,また,成熟赤血球での4.1R80の適度な結合・解離によって変形能を維持することは理にかなっていると思われる.赤芽球の脱核におけるCa2+の役割が報告され,CaMの阻害剤であるW-7によって脱核は抑制された93).ただし,この報告は,膜骨格ではなくCa2+によるシグナル伝達についての解析であり,実際の細胞内Ca2+濃度については明らかにされてない93).4.1R135は,アフリカツメガエルやニワトリの有核赤血球でも発現しており,CaM結合部位も保存されていることから,進化学的にはCa2+/CaMによる膜骨格の制御系だけでは説明できないことがあり,さらに詳細な解析が必要である94)

有核赤血球,たとえばニワトリの赤血球では,中間径フィラメントを形成する2種類のタンパク質,ビメンチン(vimentin)とシネミン(synemin)によって核が固定されている(図383, 84).しかし,ニワトリやヤツメウナギなどの有核赤血球において,これらのタンパク質が結合する細胞膜骨格タンパク質についてさらに詳細な解析が必要である95).ニワトリ赤血球も哺乳類同様に赤芽球の段階で核濃縮が起り,オルガネラの消化を行うことでヘモグロビン量の増大を図っている.脱核するかしないかの違いがあるだけである.なお,有核赤血球の核の遺伝子発現については異論があり,さらに詳細な検討を要する96)

6. おわりに

ヒトを中心に赤芽球の脱核のメカニズムに関する知見を総括し,その生物学的意義について考察を試みた.実際には未解明なことが多く,また,種差(種の多様性)の問題や培養源(赤芽球の由来が臍帯血,胎児肝,末梢血などで異なる)の問題もあり,結論を出すにはほど遠い状況である.しかし,哺乳類が中生代から現代まで大量絶滅の危機を乗り越えて生き延びた背景と酸素運搬の効率化の間には密接な関係があることは確かだろう.この視点からの研究は今後重要になると思われる.脱核のメカニズム問題は,一見,基礎研究にみえるが,実際には輸血用血液の確保,特に特殊な型を持つ赤血球の確保は解決すべき問題であり,基礎医学と臨床の連携研究がますます必要になると思われる.その先に脱核の意義が完全に解明されると私は思う.

謝辞Acknowledgments

本稿執筆にあたりご意見・ご指導をいただいた元秋田大学学長澤田賢一先生,秋田大学大学院医学系研究科血液腎臓膠原病内科赤芽球グループの皆様,同理工学研究科生命科学専攻疾患生物学分野涌井秀樹先生,東京女子医科大学医学部生化学講座高桑雄一先生に深く感謝いたします.また,研究資金の一部は科学研究費補助金および佐藤顕先生(さとう内科クリニック,酒田市)の御寄附によりました.厚く御礼申し上げます.

引用文献References

1) Bianconi, E., Piovesan, A., Facchin, F., Beraudi, A., Casadei, R., Frabetti, F., Vitale, L., Pelleri, M.C., Tassani, S., Piva, F., Perez-Amodio, S., Strippoli, P., & Canaider, S. (2013) Ann. Hum. Biol., 40, 463–471.

2) Chasis, J.A. & Mohandas, N. (2008) Blood, 112, 470–478.

3) Glomski, C.A. & Pica, A. (2006) Erythrocytes of the Poikilotherms: A phylogenetic odyssey, Foxwell & Davies Limited., UK.

4) Vinogradov, S.N. (1985) Comp. Biochem. Physiol. B, 82, 1–15.

5) Glomski, C.A. & Tamburlin, J. (1989) Histol. Histopathol., 4, 509–514.

6) Weber, R.E. & Vinogradov, S.N. (2001) Physiol. Rev., 81, 569–628.

7) Royer, W.E. Jr., Zhu, H., Gorr, T.A., Flores, J.F., & Knapp, J.E. (2005) J. Biol. Chem., 280, 27477–27480.

8) Gow, A.J., Payson, A.P., & Bonaventura, J. (2005) J. Inorg. Biochem., 99, 903–911.

9) Flores, J.F., Fisher, C.R., Carney, S.L., Green, B.N., Freytag, J.K., Schaeffer, S.W., & Royer, W.E. Jr. (2005) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 102, 2713–2718.

10) Furuta, H., Ohe, M., & Kajita, A. (1977) J. Biochem., 82, 1723–1730.

11) Storz, J.F. (2016) J. Exp. Biol., 219, 3190–3203.

12) Mairbäurl, H. & Weber, R.E. (2012) Compr. Physiol., 2, 1463–1489.

13) Beers, J.M. & Jayasundara, N. (2015) J. Exp. Biol., 218, 1834–1845.

14) Cheng, C.H. & Detrich, H.W. 3rd. (2007) Philos. Trans. R. Soc. Lond. B Biol. Sci., 362, 2215–2232.

15) di Prisco, G., Cocca, E., Parker, S., & Detrich, H. III. (2002) Gene, 295, 185–191.

16) Near, T.J., Parker, S.K., & Detrich, H.W. 3rd. (2006) Mol. Biol. Evol., 23, 2008–2016.

17) 布村 渉,澤田賢一(2012)血液フロンティア,22, 86–89.

18) Maekawa, S., Iemura, H., Kuramochi, Y., Nogawa-Kosaka, N., Nishikawa, H., Okui, T., Aizawa, Y., & Kato, T. (2012) J. Exp. Biol., 215, 3087–3095.

19) Maekawa, S. & Kato, T. (2015) BioMed Res. Int., 2015, 747052.

20) 加藤尚志,前川 峻,永沢和道,奥井武仁,谷崎裕太(2016)臨床血液,57, 925–949.

21) Baron, M.H., Isern, J., & Fraser, S.T. (2010) Blood, 119, 4828–4837.

22) Palis, J., Malik, J., McGrath, K.E., & Kingsley, P.D. (2010) Int. J. Dev. Biol., 54, 1011–1018.

23) 鵜生川久美,澤田賢一(2012)日本内科学会雑誌,101, 2002–2009.

24) 杉山大介,田中由香,湯岑綾子,小島直子(2016)臨床血液,57, 944–932.

25) Migliaccio, A.R. (2010) Haematologica, 95, 1985–1988.

26) Keerthivasan, G., Wickrema, A., & Crispino, J.D. (2011) Stem Cells Int., 2011, 139851.

27) Giger, K.M. & Kalfa, T.A. (2015) BioMed Res. Int., 2015, 873628.

28) Hom, J., Dulmovits, B.M., Mohandas, N., & Blanc, L. (2015) Immunol. Res., 63, 75–89.

29) Jacobsen, R.N., Perkins, A.C., & Levesque, J.P. (2015) Curr. Opin. Hematol., 22, 212–219.

30) Soni, S., Bala, S., Gwynn, B., Sahr, K.E., Peters, L.L., & Hanspal, M. (2006) J. Biol. Chem., 281, 20181–20189.

31) Eshghi, S., Vogelezang, M.G., Hynes, R.O., Griffith, L.G., & Lodish, H.F. (2007) J. Cell Biol., 177, 871–880.

32) Yoshida, H., Kawane, K., Koike, M., Mori, Y., Uchiyama, Y., & Nagata, S. (2005) Nature, 437, 754–758.

33) Hebiguchi, M., Hirokawa, M., Guo, Y.M., Saito, K., Wakui, H., Komatsuda, A., Fujishima, N., Takahashi, N., Takahashi, T., Sasaki, T., Nunomura, W., Takakuwa, Y., & Sawada, K. (2008) Int. J. Hematol., 88, 498–507.

34) Koury, S.T., Koury, M.J., & Bondurant, M.C. (1989) J. Cell Biol., 109, 3005–3013.

35) Bell, A.J., Satchwell, T.J., Heesom, K.J., Hawley, B.R., Kupzig, S., Hazell, M., Mushens, R., Herman, A., & Toye, A.M. (2013) PLoS ONE, 8, e60300.

36) Wölwer, C.B., Gödde, N., Pase, L.B., Elsum, I.A., Lim, K.Y., Sacirbegovic, F., Walkley, C.R., Ellis, S., Ohno, S., Matsuzaki, F., Russell, S.M., & Humbert, P.O. (2017) PLoS ONE, 12, e0170295.

37) Zhao, B., Yang, J., & Ji, P. (2016) Nucleus, 7, 425–429.

38) Zhao, B., Mei, Y., Schipma, M.J., Roth, E.W., Bleher, R., Rappoport, J.Z., Wickrema, A., Yang, J., & Ji, P. (2016) Dev. Cell, 36, 498–510.

39) Baron, M.H. & Barminko, J. (2016) Dev. Cell, 36, 481–482.

40) Ji, P., Yeh, V., Ramirez, T., Murata-Hori, M., & Lodish, H.F. (2010) Haematologica, 95, 2013–2021.

41) Jayapal, S.R., Lee, K.L., Ji, P., Kaldis, P., Lim, B., & Lodish, H.F. (2010) J. Biol. Chem., 285, 40252–40265.

42) Zhang, L., Flygare, J., Wong, P., Lim, B., & Lodish, H.F. (2011) Genes Dev., 25, 119–124.

43) Thompson, P.D., Tipney, H., Brass, A., Noyes, H., Kemp, S., Naessens, J., & Tassabehji, M. (2010) PLoS One, 5, e12667.

44) Keerthivasan, G., Small, S., Liu, H., Wickrema, A., & Crispino, J.D. (2010) Blood, 116, 3331–3341.

45) Keerthivasan, G., Liu, H., Gump, J.M., Dowdy, S.F., Wickrema, A., & Crispino, J.D. (2012) Haematologica, 97, 1471–147.

46) Skutelsky, E. & Danon, D. (1970) Exp. Cell Res., 60, 427–436.

47) Ubukawa, K., Guo, Y.M., Takahashi, M., Hirokawa, M., Michishita, Y., Nara, M., Tagawa, H., Takahashi, N., Komatsuda, A., Nunomura, W., Takakuwa, Y., & Sawada, K. (2012) Blood, 119, 1036–1044.

48) Kobayashi, I., Ubukawa, K., Sugawara, K., Asanuma, K., Guo, Y.M., Yamashita, J., Takahashi, N., Sawada, K., & Nunomura, W. (2016) Exp. Hematol., 44, 247–256.

49) Thom, C.S., Traxler, E.A., Khandros, E., Nickas, J.M., Zhou, O.Y., Lazarus, J.E., Silva, A.P., Prabhu, D., Yao, Y., Aribeana, C., Fuchs, S.Y., Mackay, J.P., Holzbaur, E.L., & Weiss, M.J. (2014) Dev. Cell, 30, 688–700.

50) Wang, J., Ramirez, T., Ji, P., Jayapal, S.R., Lodish, H.F., & Murata-Hori, M. (2012) J. Cell Sci., 125, 340–349.

51) Synyder, G.K. & Sheafor, B.A. (1999) Am. Zool., 39, 189–198.

52) Ji, P., Jayapal, S.R., & Lodish, H.F. (2008) Nat. Cell Biol., 10, 314–332.

53) Konstantinidis, D.G., Pushkaran, S., Johnson, J.F., Cancelas, J.A., Manganaris, S., Harris, C.E., Williams, D.A., Zheng, Y., & Kalfa, T.A. (2012) Blood, 119, 6118–6127.

54) Shimizu, R. & Yamamoto, M. (2016) Exp. Hematol., 44, 696–705.

55) Nogueira-Pedro, A., dos Santos, G.G., Oliveira, D.C., Hastreiter, A.A., & Fock, R.A. (2016) Front. Biosci., 8, 100–112.

56) Tanaka, M., Asada, M., Higashi, A.Y., Nakamura, J., Oguchi, A., Tomita, M., Yamada, S., Asada, N., Takase, M., Okuda, T., Kawachi, H., Economides, A.N., Robertson, E., Takahashi, S., Sakurai, T., Goldschmeding, R., Muso, E., Fukatsu, A., Kita, T., & Yanagita, M. (2010) J. Clin. Invest., 120, 768–777.

57) Souma, T., Suzuki, N., & Yamamoto, M. (2015) Front. Physiol., 6, 167.

58) Nogawa-Kosaka, N., Hirose, T., Kosaka, N., Aizawa, Y., Nagasawa, K., Uehara, N., Miyazaki, H., Komatsu, N., & Kato, T. (2010) Exp. Hematol., 38, 363–372.

59) Okui, T., Hosozawa, S., Kohama, S., Fujiyama, S., Maekawa, S., Muto, H., & Kato, T. (2016) Zoolog. Sci., 33, 575–582.

60) Hermine, O., Arlet, J.B., Ribeil, J.A., Guillerm, F., Vandekerkhove, J., & Courtois, G. (2013) Transfus. Clin. Biol., 20, 144–147.

61) Ribeil, J.A., Zermati, Y., Vandekerckhove, J., Cathelin, S., Kersual, J., Dussiot, M., Coulon, S., Moura, I.C., Zeuner, A., Kirkegaard-Sørensen, T., Varet, B., Solary, E., Garrido, C., & Hermine, O. (2007) Nature, 445, 102–105.

62) Mortensen, M., Ferguson, D.J., & Simon, A.K. (2010) Cell Cycle, 9, 1901–1906.

63) Mortensen, M., Ferguson, D.J., Edelmann, M., Kessler, B., Morten, K.J., Komatsu, M., & Simon, A.K. (2010) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 107, 832–837.

64) Fujiwara, T. & Harigae, H. (2015) BioMed Res. Int., 2015, 278536.

65) Carayon, K., Chaoui, K., Ronzier, E., Lazar, I., Bertrand-Michel, J., Roques, V., Balor, S., Terce, F., Lopez, A., Salomé, L., & Joly, E. (2011) J. Biol. Chem., 286, 34426–34439.

66) Bobrie, A., Colombo, M., Raposo, G., & Théry, C. (2011) Traffic, 12, 1659–1668.

67) Kumkhaek, C., Aerbajinai, W., Liu, W., Zhu, J., Uchida, N., Kurlander, R., Hsieh, M.M., Tisdale, J.F., & Rodgers, G.P. (2013) Blood, 12, 3216–3227.

68) Hirose, S., Takayama, N., Nakamura, S., Nagasawa, K., Ochi, K., Hirata, S., Yamazaki, S., Yamaguchi, T., Otsu, M., Sano, S., Takahashi, N., Sawaguchi, A., Ito, M., Kato, T., Nakauchi, H., & Eto, K. (2013) Stem Cell Rep., 1, 499–508.

69) Takayama, N., Nishimura, S., Nakamura, S., Shimizu, T., Ohnishi, R., Endo, H., Yamaguchi, T., Otsu, M., Nishimura, K., Nakanishi, M., Sawaguchi, A., Nagai, R., Takahashi, K., Yamanaka, S., Nakauchi, H., & Eto, K. (2010) J. Exp. Med., 207, 2817–2830.

70) 廣瀬正一(2014)血液フロンティア,24, 63–69.

71) Mueller, R.L., Gregory, T.R., Gregory, S.M., Hsieh, A., & Boore, J.L. (2008) Zoology (Jena), 111, 218–230.

72) 鵜生川久美(2014)血液フロンティア,24, 55–61.

73) Kobayashi, I., Sugawara, K., Goto, T., Asanuma, K., Yamashita, J., Ubukawa, K., Guo, Y.M., Takahashi, N., Wakui, H., Sawada, K., & Nunomura, W.(2016) Regulation of ATP production during terminal differentiation of human erythropoiesis. 12th International Congress of Cell Biology (ICCB), Prague Congress Centre, Czech Republic, P319 (Program & Abstract Book, p286).

74) Jeoung, N.H. (2015) Diabetes Metab. J., 39, 188–197.

75) Montel-Hagen, A., Kinet, S., Manel, N., Mongellaz, C., Prohaska, R., Battini, J.L., Delaunay, J., Sitbon, M., & Taylor, N. (2008) Cell, 132, 1039–1048.

76) Nombela-Arrieta, C., Pivarnik, G., Winkel, B., Canty, K.J., Harley, B., Mahoney, J.E., Park, S.Y., Lu, J., Protopopov, A., & Silberstein, L.E. (2013) Nat. Cell Biol., 215, 533–543.

77) Spencer, J.A., Ferraro, F., Roussakis, E., Klein, A., Wu, J., Runnels, J.M., Zaher, W., Mortensen, L.J., Alt, C., Turcotte, R., Yusuf, R., Côté, D., Vinogradov, S.A., Scadden, D.T., & Lin, C.P. (2014) Nature, 508, 269–273.

78) Ward, P.D.(2006) Out of Thin air, Joseph Henry Press, USA.

79) Svensmark, H. (2007) Astron. Geophys., 48, 1.18–1.24.

80) NHK恐竜プロジェクト編,小林快次監修(2006)恐竜VSほ乳類,ダイヤモンド社.

81) Hawkey, C.M., Bennett, P.M., Gascoyne, S.C., Hart, M.G., & Kirkwood, J.K. (1991) Br. J. Haematol., 77, 392–397.

82) 布村 渉,澤田賢一(2014)血液フロンティア.24, 21–30.

83) Woods, C.M. & Lazarides, E. (1998) Annu. Rev. Med., 39, 107–122.

84) Granger, B.L., Repasky, E.A., & Lazarides, E. (1982) J. Cell Biol., 92, 299–312.

85) Fairbanks, G., Steck, T.L., & Wallach, D.F. (1971) Biochemistry, 10, 2606–2617.

86) Bennett, V. & Baines, A.J. (2001) Physiol. Rev., 81, 1353–1392.

87) Takakuwa, Y. & Mohandas, N. (1988) J. Clin. Invest., 82, 394–400.

88) Nunomura, W., Takakuwa, Y., Parra, M., Conboy, J., & Mohandas, N. (2000) J. Biol. Chem., 275, 6360–6367.

89) Nunomura, W., Takakuwa, Y., Cherr, G.N., & Murata, K. (2007) Comp. Biochem. Physiol. B Biochem. Mol. Biol., 148, 124–138.

90) Parra, M.K., Gee, S.L., Koury, M.J., Mohandas, N., & Conboy, J.G. (2003) Blood, 101, 4164–4171.

91) Nunomura, W., Gascard, P., & Takakuwa, Y. (2011) Int. J. Cell Biol., 2011, 943272.

92) Nunomura, W., Parra, M., Hebiguchi, M., Sawada, K., Mohandas, N., & Takakuwa, Y. (2009) Biochem. J., 417, 141–148.

93) Wölwer, C.B., Pase, L.B., Russell, S.M., & Humbert, P.O. (2016) PLoS ONE, 11, e0146201.

94) Kelly, G.M., Zelus, B.D., & Moon, R.T. (1991) J. Biol. Chem., 266, 12469–12473.

95) Hägerstrand, H., Danieluk, M., Bobrowska-Hägerstrand, M., Kralj-Iglic, V., Lindqvist, C., & Nikinmaa, M. (1999) Mol. Membr. Biol., 16, 195–204.

96) Morera, D., Roher, N., Ribas, L., Balasch, J.C., Doñate, C., Callol, A., Boltaña, S., Roberts, S., Goetz, G., Goetz, F.W., & MacKenzie, S.A. (2011) PLoS ONE, 6, e26998.

97) Schweitzer, M.H., Wittmeyer, J.L., Horner, J.R., & Toporski, J.B. (2005) Science, 307, 1952–1955.

98) Schweitzer, M.H., Wittmeyer, J.L., & Horner, J.R. (2007) Proc. Biol. Sci., 274, 183–197.

99) Bertazzo, S., Maidment, S.C., Kallepitis, C., Fearn, S., Stevens, M.M., & Xie, H.N. (2016) Nat. Commun., 6, 7352.

100) Krauss, S.W., Heald, R., Lee, G., Nunomura, W., Gimm, J.A., Mohandas, N., & Chasis, J.A. (2002) J. Biol. Chem., 277, 44339–44346.

101) Salomao, M., Zhang, X., Yang, Y., Lee, S., Hartwig, J.H., Chasis, J.A., Mohandas, N., & An, X. (2008) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 105, 8026–8031.

102) Nunomura, W., Wakui, H., Takakuwa, Y., & Gascard, P. (2013) J. Proteomics & Bioinformatics., S4, 004.

103) Han, B.G., Nunomura, W., Takakuwa, Y., Mohandas, N., & Jap, J.K. (2000) Nat. Struct. Biol., 7, 871–875.

著者紹介Author Profile

布村 渉(ぬのむら わたる)

秋田大学大学院理工学研究科附属理工学研究センター准教授.博士(医学).

略歴

富山市生れ.北海道大学水産学部水産増殖学科卒業.北海道大学医学部生化学第一講座,日本バイオテスト研究所,基礎腫瘍学研究所附属腫瘤研究所,東京女子医科大学医学部生化学講座,ローレンス・バークレー国立研究所(UC Berkeley)を経て2011年より現職.

研究テーマと抱負

ヒト赤芽球の脱核機構と意義について進化生物学の観点から完全解明したい.また,赤血球膜構造,動物の環境適応と酵素反応の関係および魚類の性成熟機構の生化学的解析を進行中です.

ウェブサイト

http://www.gipc.akita-u.ac.jp/~nunomura/bu_cun_shezi_ji_shao_jie.html

趣味

ピアノ,ヴァイオリン,地酒と温泉巡り.

This page was created on 2017-04-27T10:42:02.303+09:00
This page was last modified on 2017-06-19T11:42:58.244+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。