生化学 SEIKAGAKU
Journal of Japanese Biochemical Society

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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
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Journal of Japanese Biochemical Society 89(3): 391-399 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890391

総説Review

GATA2遺伝子エンハンサーの異常による疾患発症機構Diseases associated with GATA2 gene enhancer abnormalities

東北大学大学院医学系研究科ラジオアイソトープセンターCenter for Radioisotope Sciences, Tohoku University Graduate School of Medicine ◇ 宮城県仙台市青葉区星陵町2–1 ◇ 2–1 Seiryo-machi, Aoba-ku, Sendai, Miyagi 980–8575, Japan

発行日:2017年6月25日Published: June 25, 2017
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転写因子GATA2は血球,泌尿器,血管,神経などさまざまな組織の発生および恒常性維持に重要な役割を果たしている.GATA2遺伝子は,組織特異的なエンハンサーによってその発現が制御されており,これらのエンハンサーはGATA2遺伝子の周囲約200 kbという広範囲に分布している.GATA2遺伝子の血球および血管特異的エンハンサーの変異は,MonoMAC症候群などの疾患の原因として同定されている.また3番染色体転座および逆位では,血球エンハンサーがGATA2遺伝子から解離し,がん原遺伝子EVI1に結合することによってEVI1遺伝子の発現を活性化することが白血病発症の原因となっている.本稿では,GATA2遺伝子の発現制御機構とその破綻による疾患の発症メカニズムについて解説する.

1. はじめに

現在,アレイ技術やシークエンス技術等の解析技術の飛躍的な進歩により,コーディング領域だけでなく,ゲノム全体を解析対象とすることが可能となっている.これにより,遺伝子間領域やイントロン領域に存在する遺伝子制御領域の変異が,さまざまな疾患の原因として次々と同定されており,注目されている.疾患の原因となる遺伝子制御領域の異常は,転写活性化に働く領域であるエンハンサーや抑制に働く領域であるサイレンサーが欠失する場合1–4)だけでなく,塩基挿入などによって新たな遺伝子制御領域が創出される場合5, 6),さらに染色体転座や逆位によって制御領域が本来の遺伝子から離れて他の遺伝子を制御する場合7–9)などがあり,さまざまである.

この総説では,ゲノム上に広範囲に制御領域が分布しているGATA2遺伝子に着目し,その制御機構と,制御領域の破綻による疾患発症機構を解説する.また筆者らの研究により明らかとなったGATA2遺伝子の血球特異的エンハンサーによるがん原遺伝子の活性化が引き起こす白血病の発症機構について紹介する.

2. 転写因子GATA2

1)GATA2の機能

GATA2は,GATAファミリー転写因子の一つをコードしている.GATAファミリー転写因子は,GATA1からGATA6まであり,DNA上のGATA配列[5′-(A/T)GAT AA-3′]を認識して結合し,標的遺伝子の発現を制御する10–14).GATA2は他のGATAファミリー転写因子間で高度に保存された二つのジンクフィンガーを持っている.この二つのジンクフィンガーの役割は,GATA1において詳細に解析されている.C末端側のジンクフィンガー(Cフィンガー)は,DNA上のGATA配列への結合に必須のドメインである15, 16).一方で,N末端側のジンクフィンガー(Nフィンガー)は,DNAとの結合を安定化させるとともに,転写共役因子との結合も担っている17–20)

GATA2は血球,血管,泌尿器,神経など幅広い組織に発現しており,組織の発生や恒常性維持に重要な役割を果たしている.Gata2遺伝子欠失マウスは貧血を呈し,胎生10.5日で致死となる21).血球においてGata2遺伝子欠損マウスの解析から,GATA2は胎仔における造血幹細胞の出現とその維持に必要であること,さらに成体においても造血幹細胞や前駆細胞の維持に重要であることが示されている22–24).また,GATA2は造血幹細胞,前駆細胞以外でも肥満細胞や樹状細胞の分化にも重要な役割を果たしていることが知られている24, 25).さらに,GATA2は血球だけでなく血管においても重要であり,血管内皮においてGATA2を欠失させたマウスでは,出血や浮腫がみられる26)

GATA2の泌尿器における役割は,ノックダウンマウスにおいてよく解析されている.Gata2遺伝子の発現が野生型の約20%まで減少したノックダウンマウスは,胎生致死を逃れるものの,生後約3週間で泌尿器系の異常を示す27, 28).このマウスでは,胎仔期にウォルフ管から尿管芽が出芽する位置がずれることにより,異所性尿管開口が起こり,二次性の尿管拡張が発生する.Gata2遺伝子ノックダウンマウスの表現型はヒトの先天性腎尿路異常(CAKUT)と類似している.

2)GATA2欠損症

近年,GATA2の生殖細胞系列変異が,いくつかの疾患(DCML欠損症29),MonoMAC症候群30),Emberger症候群31))の原因として相次いで見つかった.それぞれ症状の違いはあるものの,これらは先天性の免疫不全症であり,患者は感染を繰り返す.また,これらの疾患はいずれも骨髄異形成症候群(MDS)や急性骨髄性白血病(AML)に移行しやすいことがわかっている.さらに,家族性AMLの原因としても,GATA2遺伝子の生殖細胞系列変異が報告されている32)

これらの疾患で見つかるGATA2タンパク質の変異は,N末端からN末端側ジンクフィンガーにかけて存在するフレームシフト変異とC末端側ジンクフィンガーに存在するミスセンス変異や欠失が主である29–32).C末端側のジンクフィンガーは,GATA2がDNA上のGATA配列を認識して結合するのに重要なドメインである.N末端側のフレームシフト変異はC末端側ジンクフィンガーを含めた部位を欠失させる.また,C末端ジンクフィンガーの変異はDNAとの結合を減弱させることが示されている32).このことから,これらの変異によって,GATA2の機能不全がもたらされていると考えられている.また,これらのGATA2生殖細胞系列変異は,どれも片側のアリルにのみ見つかっていることから,GATA2のハプロ不全が疾患の原因とされている.

3. GATA2遺伝子の制御機構

1)Gata2遺伝子のエンハンサー

Gata2遺伝子自身の大きさは約13 kbであり,それほど大きな遺伝子ではないが,血球,血管,神経,泌尿器など幅広い組織にGata2遺伝子を発現させるためのエンハンサーはGata2遺伝子の周囲約200 kbに分布している.Gata2遺伝子のエンハンサーの同定には,酵母人工染色体(YAC)クローンを用いたトランスジェニックマウスが大きな役割を果たした.YACは100 kb以上の長いDNAを挿入できるベクターであり,YACを用いたヒトゲノムライブラリが作製されている.Engelらは,Gata2遺伝子周辺を含むさまざまなYACクローンを用いてトランスジェニックマウスを作製し,それぞれのYACクローンに含まれる制御領域による発現様式を解析した33).これらの解析から,血球と神経におけるエンハンサーは主にGata2遺伝子の上流側に,泌尿器におけるエンハンサーは下流側に位置していることが明らかになった.

2)血球分化におけるGATA2からGATA1へのGATAスイッチング

血球においてGata2遺伝子は,造血幹細胞および前駆細胞に強く発現しており,分化とともにその発現は抑制される34, 35).赤血球分化の過程において,Gata2遺伝子の発現はGATA2と同じGATAファミリー転写因子であるGATA1によって抑制されることがわかっている14)Gata2遺伝子のプロモーター付近(転写開始点から3.9, 2.8, 1.8 kb上流)およびイントロン内(転写開始点から9.5 kb下流)には複数のGATA1結合配列が存在している.GATA1が発現し始めると,これらの部位にGATA1が結合して,Gata2遺伝子の発現を抑制する.特に1.8 kb上流部位はGata2遺伝子の抑制に必須である36).興味深いことに,GATA1が発現する以前には,これらの部位にGATA2が結合しており,Gata2遺伝子の発現を活性化させている4, 26, 37, 38).つまり,これらのGATA結合部位はGata2遺伝子のエンハンサーとサイレンサーの両方の役割を持っている(図1).

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図1 マウスGata2遺伝子の血球系エンハンサー

血球での発現を誘導するGata2遺伝子のエンハンサーは,プロモーター付近(−3.9, −2.8, −1.8 kb)とイントロン(+9.5 kb),さらにRpn1遺伝子の直下流(−77 kb)に存在している.これらはGATA2の結合部位である.筆者らは−77 kbのエンハンサー活性を証明し,この領域をGATA2 distal hematopoietic enhancer(G2DHE)と名づけた.

一方で,Gata1遺伝子の上流にも同様にGATA2とGATA1共通の結合部位が存在しており,赤血球分化の開始時に結合因子がGATA2からGATA1へと変化する39–42).GATA2はGata1遺伝子の発現も活性化させる能力を持つが,造血幹細胞においてGata1遺伝子はメチル化されており,発現が抑制されている43).GATA2からGATA1への結合因子の変化によって,Gata2遺伝子は抑制されるが,Gata1遺伝子はさらに活性化される.つまり,Gata1遺伝子のGATA結合部位はエンハンサーとして働いている.また,この一連の流れによって,細胞内ではGATA因子がGATA2からGATA1へと入れ替わる.このように赤血球分化の過程において,細胞内のGATA因子がGATA2からGATA1へと変化することをGATAスイッチングという44–46)

3)血球におけるGata2遺伝子の長距離エンハンサー

アレイを用いた網羅的クロマチン免疫沈降法(ChIP-Chip)を用いてGATA1とGATA2の結合部位が網羅的に解析された結果,マウスGata2遺伝子のプロモーター付近およびイントロン内に加えて,Gata2遺伝子の77 kb上流という遺伝子から非常に離れた場所にもGATA1とGATA2の結合部位が同定された(図147).この領域がGata2遺伝子のエンハンサーであるか否かを明らかにするために,筆者らはGata2遺伝子の発現をモニターするレポータートランスジェニックマウスを樹立することにした.しかしながら,候補領域はGata2遺伝子から77 kb上流にあるため,プラスミドベクター(挿入できるDNAはせいぜい10 kb程度)を用いて作るレポーターでは短すぎる.

上記のYACは酵母を扱う必要があり操作が煩雑であるため,近年ではYACに代わり,大腸菌人工染色体(BAC)を用いたトランスジェニックマウスが主流となってきている.筆者らは,200 kb程度までのDNAを挿入できるBACを用いてレポーター構築を作製し,Gata2遺伝子の上流側180 kbの制御下に緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するトランスジェニックマウスを樹立した7).このマウスでは,造血幹細胞および前駆細胞においてGFP蛍光がみられたが,同構築から77 kb上流のGATA2結合部位を欠失させるとGFP蛍光が消失した.このことから,77 kb領域がGata2遺伝子の造血前駆細胞で働くエンハンサーであることを明らかにした7).そこで我々は,この領域をGATA2 distal hematopoietic enhancer(G2DHE)と名づけた(図1).その後,ゲノム編集技術によってG2DHEの欠失マウスが作製され,G2DHEが造血前駆細胞におけるGata2遺伝子の発現に必要であることが確かめられた48)

4)Gata2遺伝子座を完全に再現するトランスジェニックマウスの樹立:BAC連結技術の開発

G2DHEがGata2遺伝子の上流77 kbに存在する一方で,泌尿器におけるGata2遺伝子発現に必要なエンハンサーは,Gata2遺伝子転写開始点の75 kb下流と113 kb下流に位置している(図2;UG4とUG2)49).このように,Gata2遺伝子のエンハンサーは上流,下流ともに遠位に分布しているため,Gata2遺伝子の発現を完全に再現するトランスジェニックマウスを作製するには,一つのBACでは不十分である.そこでEngelらは,Gata2遺伝子の上流部分と下流部分をそれぞれ含む二つのBACクローンを,2種類のloxP配列を用いて結合させることによって,Gata2遺伝子の発現を完全に再現するトランスジェニックマウスを作製することに成功した(図250)

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図2 BAC連結技術によるGata2遺伝子座の再現

Engelらは,loxP514(黒三角)とloxP511(白三角)どうしをCre組換え酵素によって同時に組み換えることによって,Gata2遺伝子の上流側および下流側をそれぞれ含む二つのBACを結合し,Gata2遺伝子座を再現するBACクローンを作製した.このBACクローンは,生存に必須なすべての血球系エンハンサー(青丸)と泌尿器系エンハンサー(橙丸)を含む.灰色の三角はFrt配列を示す.

Engelらは,まずGata2遺伝子の上流側と下流側をそれぞれ含むBACクローンをヒトゲノムBACライブラリPR11から選択した.ヒトゲノムBACライブラリPR11は,ベクターにloxP511配列を一つ含んでいる.さらにEngelらは,これらの二つのBACクローンの結合する部位にloxP514配列を相同組換えによって挿入した.また,結合したBACを選択するために,上流側を含むBACクローンにはネオマイシン耐性遺伝子(Neo)を,下流側を含むBACクローンにはアンピシリン耐性遺伝子(Amp)を導入した.薬剤耐性遺伝子は,フリッパーゼによる組換え配列であるFrt配列ではさみ,後に除去可能とした.2種類のBACクローンに同時にCre組換え酵素を作用させ,BACを結合させた.BACクローンを取り込んだ大腸菌をネオマイシンとアンピシリン含有培地で培養することによって,結合したBACを含む大腸菌を選択した.この結合BACクローンを用いてトランスジェニックマウスを作製した.このマウスをGata2遺伝子欠失マウスと交配させたところ,結合BACトランスジーンによってGata2遺伝子欠失マウスの胎生致死を回避させることができ,結合BAC内にマウスの生存に必要なすべてのGata2遺伝子制御領域が含まれていることが明らかとなった50)

5)GATA2遺伝子エンハンサーと疾患

Bresnickらは,前述したGATA2のハプロ不全によって引き起こされるMonoMAC症候群の患者において,GATA2遺伝子のコード領域ではなく,イントロン内エンハンサーの変異を同定した4).GATA結合配列の周辺には,しばしばE-box配列が存在している.GATA2(およびGATA1)は,SCF, E2A, LDB1, LMO2と複合体を形成することが知られており,その際にE-box配列はSCFとE2Aの足場となる51).MonoMAC症候群患者の家系においては,GATA配列に隣接するE-boxを含む領域が欠失していることから,この複合体が機能できなくなっていると考えられる.このことから,コーディング領域の変異だけではなく,エンハンサー欠失がGATA2遺伝子のヘテロ欠失を引き起こし,疾患の発症に寄与していることが示されている.

4. 染色体転座によるGATA2遺伝子エンハンサー制御の破綻

1)染色体転座による遺伝子異常

染色体転座は,染色体サンプルの得やすい白血病等で古くから研究されており,多くの転座が報告されている.染色体転座では,染色体どうしの結合部分に遺伝子の異常が起こる.この場合の遺伝子異常は,大きく二つに分類される.一つはコーディング領域が結合することによって起こる融合遺伝子の形成であり,もう一つは制御領域が本来の遺伝子とは異なる遺伝子に結合することによって起こる遺伝子の異所性発現である.

転座によって,二つの遺伝子が内部で結合し,融合遺伝子が生成される.その結果,融合タンパク質が発現する.融合タンパク質として有名なものは,慢性骨髄性白血病や急性リンパ性白血病でみられる22番染色体と9番染色体との間の転座によって形成されるBCR-ABLがある52).この転座を起こした染色体は,フィラデルフィア染色体とも呼ばれる.ABL遺伝子はチロシンキナーゼをコードしているが,転座によってBCRと融合することによって,恒常的に活性化され,白血病を引き起こす.

一方で,転座の中には,BCR-ABLのような融合タンパク質を形成しないものもある.これらの転座では,一方のアリルに存在する遺伝子が,転座の相手方に存在する制御領域によって異所性に発現することで,疾患が発症する.このタイプで有名な転座には,急性骨髄性白血病でみられる3番染色体どうしの転座・逆位やバーキットリンパ腫などでみられる8番染色体転座がある53, 54).前者はEVI1遺伝子が,後者はMYC遺伝子が異所性に発現することによって疾患が誘導される.

2)3番染色体転座・逆位による白血病

3番染色体長腕21(3q21)領域と同じく3番染色体長腕26(3q26)領域との間の転座または逆位は,急性骨髄性白血病の約1~2%にみられる.この3番染色体転座・逆位を伴う白血病は,世界保健機構(WHO)において,予後不良群に分類されている.この白血病は,化学治療に抵抗性を示し,患者の5年生存率は5%程度である55)

3番染色体転座・逆位では,3q26側に存在するEVI1遺伝子(MECOM遺伝子とも呼ばれる)が高発現することがわかっている54)EVI1遺伝子は,ジンクフィンガー型の転写因子をコードしており,EVI1遺伝子欠失マウスは,造血幹細胞および前駆細胞の減少がみられ,胎生致死となる56).また,成体においてEVI1遺伝子を欠失させた場合においても,造血幹細胞および前駆細胞の減少がみられることから,EVI1は,正常造血では造血幹細胞の維持に重要な役割を果たしていることが明らかになっている56).レトロウイルスを用いてEVI1遺伝子を過剰発現させた造血前駆細胞を,野生型マウスに移植すると,白血病を誘導する57).このことから,3番染色体転座・逆位を伴う白血病においても,EVI1遺伝子の高発現が白血病発症の原因であることが考えられている.

3)3番染色体転座・逆位においてEVI1遺伝子を活性化するエンハンサー

3番染色体転座・逆位によるEVI1遺伝子の高発現には,転座および逆位の相手方である3q21側に存在する何らかのエンハンサーが関与していることが予想されていたが,このエンハンサーは長い間同定されていなかった.3q21側の切断点の最も近くに存在する遺伝子がRPN1遺伝子であり,全身性に発現している.そのため,RPN1遺伝子の制御領域によって活性化されているのではないかと考えられていたが,証明はなされていなかった.

GATA2遺伝子は,ヒトでは3q21領域に存在している.そこで筆者らは,3q21と3q26との間の転座および逆位の切断点とG2DHEとの位置関係を解析したところ,切断点はどれもG2DHEとGATA2遺伝子との間の領域に存在していることがわかった7).すなわち,転座および逆位を起こした染色体において,G2DHEは常にEVI1遺伝子の近傍に位置しているのである.このことから,筆者らは,転座および逆位アリルにおいて,EVI1遺伝子の発現を活性化しているのはG2DHEではないかという仮説を立て,これを検証することにした.

4)3番染色体転座・逆位を再現する白血病マウスモデルの樹立

この仮説を検証するために,筆者らはEngelらとの共同研究として,前述したBAC連結技術を応用して3q21と3q26間の逆位を再現するトランスジェニックマウスを作製することにした(図3).ヒトゲノムBACライブラリから,G2DHEを含む3q21領域64 kbとEVI1遺伝子を含む3q26領域132 kbがそれぞれ挿入されたBACクローンを選択した.この二つのBACクローンの切断点にあたる部分にloxP514配列を挿入した.BACベクターにあらかじめ挿入されているloxP511配列とともに,Creによる組換えを誘導することによって,二つのBACクローンを結合し,196 kbの逆位を再現するBACクローンを作製した.

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図3 BAC連結技術による3番染色体逆位アリルの作製

G2DHEを含む3q21領域とEVI1遺伝子を含む3q26領域の二つのBACクローンをCre-loxPシステムを用いた組換えによって結合し,3番染色体逆位アリルを再現するBACクローンを作製した.

このBACクローンをマウスの受精卵に注入することによって,トランスジェニックマウスを作製し,3q21q26マウスと名づけた.この3q21q26マウスは全身の細胞においてトランスジーンを保有しており,この点が実際の白血病患者とは異なっている.そのため,3q21q26マウスにおいて,ヒトEVI1遺伝子の発現パターンを解析したところ,3q21q26マウスでは造血前駆細胞において特異的にヒトEVI1遺伝子を発現していた.このことから,ヒトEVI1遺伝子は造血前駆細胞に特異的な制御領域によって制御されていることがわかった7)

3q21q26マウスは,24週齢以降に白血病を発症した.3q21q26マウスの白血病は,レトロウイルスによってEVI1遺伝子を造血細胞に発現させることによって樹立した白血病マウス57)と類似した表現型であったため,EVI1遺伝子の高発現による白血病であると考えられた.

5)3q21q26マウスを用いたG2DHEの検証

3q21q26マウスが3番染色体逆位を伴う白血病のモデルとなることが示されたため,筆者らは3q21q26マウスを用いてG2DHEの検証を行った.G2DHEがEVI1遺伝子発現および白血病発症に貢献しているかを明らかにするために,3q21q26マウスで用いた結合BACクローンをさらに組み換えることによって,3q21q26マウスの構築からG2DHEのみを除去した構築を作製し,マウスを樹立した.このマウスの解析を行ったところ,G2DHE欠失マウスでは造血前駆細胞におけるEVI1遺伝子の高発現および白血病発症が抑制されていた(図4).これらのことから,3番染色体転座・逆位において,EVI1遺伝子の高発現を誘導しているのがG2DHEであり,このことが白血病発症の原因であることが明らかになった(図57)

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図4 EVI1遺伝子高発現および白血病発症におけるG2DHEの貢献

3q21領域と3q26領域とを結合させたBACクローンからさらにG2DHE領域のみを欠失させたBACクローンを作製した.これを用いてマウスを作製したところ,3q21q26マウスで観察されたEVI1高発現と白血病発症が抑制された.このことから,G2DHEがEVI1遺伝子発現を誘導し,白血病発症を惹起していることが明らかになった.

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図5 3番染色体転座・逆位による白血病発症機構

3番染色体の転座または逆位では,3q21領域に存在するGATA2遺伝子エンハンサーG2DHEと3q26領域に存在するEVI1遺伝子が結合する.これにより,G2DHEがEVI1遺伝子の発現を活性化する.一方で,片アリルのGATA2遺伝子はG2DHEを失い,GATA2遺伝子のヘテロ欠失が起こる.

6)ヒト白血病細胞を用いたG2DHEの検証

筆者らの論文が発表されたのと同時に,オランダ・エラスムス大学のDelwelらが同じ3番染色体転座を伴う白血病についての論文を発表している.この論文でDelwelらは,ヒト白血病細胞を用いて筆者らと同様の結論を導いている8).Delwelらは,3番染色体転座および逆位を持つ41症例のヒト白血病細胞(細胞株を含む)のゲノム配列から,3q21側の切断点がGATA2遺伝子の直上流からG2DHEの下流までの領域に分布していることを見いだした.3番染色体転座・逆位を伴う白血病細胞において,G2DHEはEVI1遺伝子とループを形成して結合していた.一方で,3番染色体転座・逆位を伴わない細胞では,G2DHEはGATA2遺伝子と結合していた.

ゲノム編集技術CRISPR/Cas9システムを用いて,G2DHE部分を欠失させるとEVI1遺伝子の発現が消失し,白血病細胞の増殖が停止し,分化が誘導された.このことから,ヒト白血病細胞においても,G2DHEがEVI1遺伝子を活性化させていることが示された.一方で,3番染色体転座および逆位を伴わない白血病細胞において,G2DHE部分を欠失させるとGATA2遺伝子の発現が減少することから,正常細胞においてはG2DHEがGATA2遺伝子のエンハンサーであることも確かめられた.すなわち筆者らとDelwelらは,それぞれ独立の実験からG2DHEがEVI1遺伝子を活性化していることを見いだしたことになる.筆者らとDelwelらの研究結果をもとに,2016年に世界保健機構(WHO)分類の3番染色体転座逆位による白血病の表記が「RPN1-EVI1」から「GATA2, MECOM」へと改訂された58)

7)G2DHEを標的とした白血病治療の試み

Delwelらは,転座または逆位を起こした染色体でのみ,G2DHEの周辺にヒストンH3リシン27のアセチル化修飾(H3K27ac)が広範囲にわたって入っていることを見いだし,G2DHE周辺にスーパーエンハンサーが形成されていることを発見した8).スーパーエンハンサーは,広範囲にわたってH3K27ac修飾が入っている,エンハンサー領域自身が転写されているなどの特徴を持つ高度に活性化されたエンハンサーであり,幹細胞などさまざまな細胞系列に特異的な遺伝子やがん遺伝子の発現に関与している59).スーパーエンハンサーに結合する複合体の構成因子であるBRD4を阻害するBET阻害剤JQ160)を投与することによって,EVI1遺伝子の発現は減少することが示された.一方で,JQ1を投与してもGATA2遺伝子の発現は維持されたことから,転座・逆位を起こしていない染色体におけるG2DHEの作用は影響を受けないことが示された.また,JQ1の投与によって,白血病細胞の増殖が抑制され,分化が誘導された.JQ1をはじめとするBET阻害剤は,がん細胞においてMYC遺伝子の発現を抑制することが示されており61, 62),すでにがんを標的とした臨床試験が開始されている63).BET阻害剤の投与は,3番染色体転座および逆位を伴う白血病において有効な治療法となることが期待される.

8)3番染色体転座・逆位によるGATA2遺伝子ヘテロ欠失の影響

3番染色体転座または逆位によって,EVI1遺伝子がG2DHEを獲得する一方で,片アリルのGATA2遺伝子は自身のエンハンサーを失うことになる.そのため,3番染色体転座および逆位を伴う白血病細胞のGATA2 mRNAは,転座・逆位を起こしていないアリルから転写されたものが大半であり64),これらの細胞では,それ以外の白血病細胞に比べてGATA2遺伝子の発現量が約半分に減少していた8).すなわち,3番染色体転座および逆位は,3q26領域に存在するEVI1遺伝子の高発現を誘導するだけではなく,3q21領域に存在するGATA2遺伝子の発現を低下させているのである(図5).この3番染色体転座・逆位に伴うGATA2遺伝子低下は,非常に興味深い事実であった.なぜなら,前述のようにGATA2遺伝子のヘテロ欠失は,それ自体がMDSやAMLの発症の原因となることが示されているからである.そのため,3番染色体転座および逆位を伴う白血病においても,GATA2遺伝子のヘテロ欠失が関与していることが予想される.白血病発症におけるGATA2ヘテロ欠失の貢献は,今後の興味深い課題である.

9)3番染色体転座・逆位に付随する遺伝子変異

さらにDelwelらは,3番染色体転座および逆位を伴う白血病細胞では,Rasシグナルに関与する因子に異常がみられ,Rasシグナルが活性化していることを示している64).Rasシグナルの活性化は,細胞増殖を活性化させ,白血病発症を促進すると考えられる65).また,3番染色体転座・逆位と共存する染色体変異としては,7番染色体モノソミーまたは7番染色体長腕欠失が最も多く,68%にものぼる64).7番染色体には多くの遺伝子が存在しているが,その中でもSAMD9L遺伝子はEVI1と協調的に働き,白血病を促進することが示されている66).SAMD9Lは,初期エンドソームに局在し,サイトカイン受容体の分解を促進する因子である.SAMD9Lの欠失により,サイトカインによるシグナル伝達が遷延することによって,MDSを発症する原因となる.3番染色体転座・逆位によるEVI1遺伝子の活性化およびGATA2遺伝子のヘテロ欠失に加えて,これらの増殖を促進する変異があることによって,予後不良の白血病を発症させていると考えられる.このように現在,ヒト白血病のゲノム解析やモデル動物の解析から,3番染色体転座・逆位を伴う予後不良の白血病の発症メカニズムが続々と明らかになって来ている.

5. おわりに

この総説の最初でふれたように,ゲノム解析技術の向上から,遺伝子制御領域は疾患発症の原因として注目されている.これをさらに後押ししているのが,モデル動物作製技術の向上である.CRISPR/Cas9システムによるゲノム編集技術の開発により,現在ではターゲティングがより簡便に行えるようになった67–70).そのため,ターゲティングマウスを用いた制御領域の解析は,今後ますます行われるようになってくると考えられる.

一方で,筆者は,ヒトBACトランスジェニックマウスの解析もまた,長距離エンハンサーを解析するのになくてはならない手法であると考えている.その理由として,まずBACトランスジェニックマウスでは,ヒトの遺伝子をマウス個体で解析できるという点がある.コーディング領域と比較して,遺伝子制御領域は種間での保存性が低く,多様性がある.一塩基多型による遺伝子発現変化などは,マウスの遺伝子を使って解析することは不可能である.そのため,個体を用いてヒト遺伝子の解析ができるBACトランスジェニックマウスが有用である.また,ゲノム編集では染色体転座のような大きな改変を再現することは難しい.筆者らが開発した結合BACを用いた転座モデルは,BACクローンを代えることにより,3番染色体転座・逆位以外にもさまざまな転座アリルに応用可能である.

今後,ゲノム編集技術やBACトランスジェニックマウス技術を用いた新しいモデル動物が創出されることにより,制御領域の異常に起因する疾患の発症機序の解明が促進し,治療法の開発へとつながることを期待する.筆者もさらに有効なモデルを開発することで,これに貢献していきたいと考えている.

謝辞Acknowledgments

これらの研究は,筆者が大学院生として筑波大学の山本雅之教授(現 東北大学教授)の研究室に参加させていただいたときから続けてきたものです.山本雅之教授には,生化学の基礎から研究室のマネージメントに至るまで,非常に多くのことを教えていただき,深く感謝しております.また,当時の筑波大学および現在の東北大学の山本研究室の皆様にはさまざまなことで支えていただき,感謝いたします.また,BACを用いたトランスジェニックマウス作製技術およびBAC結合技術を教えていただいたミシガン大学のJames Douglas Engel教授と研究室の皆様に感謝いたします.

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著者紹介Author Profile

鈴木 未来子(すずき みきこ)

東北大学大学院医学系研究科ラジオアイソトープセンター講師.博士(医学).

略歴

2002年立教大学理学部卒業.04年筑波大学大学院医科学研究科修了.08年同人間総合科学研究科修了.同年東北大学大学院医学系研究科博士研究員.10年同助教.13年より現職.

研究テーマと抱負

遺伝子制御領域の異常によって引き起こされる疾患(特に血液疾患)に興味を持ち,新規モデル動物の開発を通じて,その発症機構の解明と新規治療法の提案を目指している.

ウェブサイト

http://www.dmbc.med.tohoku.ac.jp/official/

趣味

鉄道.

本総説は2016年度奨励賞を受賞した.

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