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公益社団法人日本生化学会
Journal of Japanese Biochemical Society 89(3): 414-423 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890414

総説

一酸化窒素の細胞内受容体,可溶性グアニル酸シクラーゼの構造と機能:ガス状分子に対するヘムセンサー部位の選択的感知機構とヘム鉄の配位構造

立教大学理学部生命理学科 ◇ 〒171–8501 東京都豊島区西池袋3–34–1

発行日:2017年6月25日
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一酸化窒素(NO)が平滑筋弛緩因子として同定されたのは1980年代である.その後,ガス状分子であるNOをシグナル分子とする新規な情報伝達系が,環状グアノシン3′,5′-一リン酸(cGMP)を介してさまざまな生理作用を引き起こすことが明らかにされた.可溶性グアニル酸シクラーゼはNO/cGMP情報伝達系の最上位に位置する細胞内受容体であり,そのcGMP産生活性はNOにより巧妙に調節されている.本稿では,可溶性グアニル酸シクラーゼの構造と機能,特に本酵素の選択的NO感知機構を支える巧妙な仕組み,シクラーゼ反応の活性化機構を,近年の構造解析の結果に基づいて概説する.

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