生体膜変形タンパク質による細胞膜の張力を介したアクチン重合制御機構
神戸大学バイオシグナル総合研究センター ◇ 兵庫県神戸市灘区六甲台町1–1
発行日:2017年8月25日
細胞の形態変化に伴う細胞膜の変形は細胞運動,分裂,組織の形成等基本的な生命現象に不可欠である.これまでの研究により,細胞膜の変形は,アクチン細胞骨格の重合と脱重合により制御されることがわかっている.アクチン重合の再編成は,細胞膜の直下で起こるが,従来,細胞膜は単なる足場として働くと考えられてきた.しかしながら,近年の研究により,細胞膜の力学的な性質である膜の張力そのものがシグナルとして働き,アクチン細胞骨格の再編成を制御していることが明らかになってきた.本稿では,細胞運動における「細胞膜の張力センサー」タンパク質による細胞膜張力を介したアクチン重合の制御機構について筆者らの最新の知見を紹介する.
© 2017 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2017-07-13T13:37:40.789+09:00
This page was last modified on 2017-08-18T09:16:58.245+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。