M期における染色体構築のメカニズム
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発行日:2017年8月25日
細胞分裂に際してゲノムDNAを安定に継承することは,生命維持の基本である.真核生物では,細胞は分裂に先立って核構造の大変換を遂げ,高度に凝縮した「M期染色体」を形づくる.その際にDNA分子がどのような機序や規則で折りたたまれるのか,は生物学の大きな謎の一つである.近年,「コンデンシン」という進化上高度に保存されたタンパク質複合体の発見とその研究によって,この染色体の構築原理という難問が氷解しつつある.本稿では,これまでに蓄積されたコンデンシンの機能と制御についての知見をまとめ,染色体構築を最新の解析技法などにより刷新された視点から概観し,さらにはコンデンシンとヒト疾患との関連性を考察する.
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