コヒーシンによる転写制御と関連疾患
東京大学分子細胞生物学研究所エピゲノム疾患研究センターゲノム情報解析研究分野 ◇ 〒113–0032 東京都文京区弥生1–1–1
発行日:2017年8月25日
コヒーシンは転写制御と染色体高次構造を連動する可能性のある因子として注目されており,染色体ループや高次構造ドメインの形成を促進することで転写を制御していると考えられている.コヒーシンとその制御因子を原因とする遺伝性疾患はコヒーシン病と呼ばれており,その代表例としてはCdLS(Cornelia de Lange syndrome)がよく知られている.最近,CdLSと類似の臨床所見を有するCHOPs症候群が報告され,その原因遺伝子はSEC(super elongation complex)のコンポーネントであるAFF4であることが示された.これらの疾患の遺伝子発現異常には相関がみられることから,コヒーシンがSECとともにRNAポリメラーゼIIの活性化を制御している可能性が考えられる.
© 2017 公益社団法人日本生化学会
This page was created on 2017-07-13T14:44:54.73+09:00
This page was last modified on 2017-08-18T09:19:52.660+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。