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公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 89(5): 605-612 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890605

特集Special Review

哺乳類におけるリビトールリン酸含有糖鎖の発見とO-マンノース型糖鎖の生合成機構の解明Identification of ribitol-phosphate in mammalian O-mannosyl glycan and its biosynthetic mechanisms

地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターTokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology ◇ 〒173–0015 東京都板橋区栄町35–2 ◇ 35–2 Sakaecho, Itabashi-ku, Tokyo 173–0015, Japan

発行日:2017年10月25日Published: October 25, 2017
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O-マンノース(Man)型糖鎖の異常は先天性筋ジストロフィー症の原因となる.我々は,発症に関わる糖鎖の解析から,リビトールリン酸(Rbo5P)を含む新しい構造のO-Man型糖鎖を発見した.Rbo5Pを含む糖鎖の哺乳類で初めての発見である.さらに,福山型先天性筋ジストロフィー症と類縁疾患の原因遺伝子産物フクチン(FKTN)とFKRP, TMEM5, ISPDが新規糖鎖の合成酵素であることを明らかにした.これまで機能が不明だった糖鎖異常による先天性筋ジストロフィー症原因遺伝子すべての機能が解明されたことで,O-Man型糖鎖の構造と生合成機構の全容が解明された.

1. はじめに

O-マンノース(Man)型糖鎖はタンパク質のセリン(Ser)あるいはトレオニン(Thr)にManを介して結合する糖鎖である.著者らは1997年に哺乳類のO-Man型糖鎖を発見した.最初の発見はSiaα2-3Galβ1-4GlcNAcβ1-2Manからなる四糖構造であり(図1),末梢神経や脳,骨格筋のα-ジストログリカン(α-DG)の主要な糖鎖として見つかった(図21, 2).その後,著者らはこの糖鎖構造中のGlcNAcβ1-2Manを合成する酵素protein O-Man linked β1,2-N-acetylglucosaminyltransferase 1(POMGNT1)を同定し,この遺伝子が先天性筋ジストロフィー症の一種である筋眼脳病(MEB)の原因遺伝子であることを明らにした3)

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図1 O-Man型糖鎖の構造と生合成機構

太字斜体は糖転移酵素.下線の酵素はα-ジストログリカノパチー原因遺伝子産物.グラム陽性菌のペプチドグリカン(PG)に含まれるタイコ酸には40個程度のRbo5Pが連なる(左下枠).*POMGNT1–FKTN複合体(図4).B3GALNT2:β1,3-N-acetylgalactosaminyltransferase 2, B4GAT1:β1,4-glucuronyltransferase 1, B3GNT:β1,3-N-acetylglucosaminyltransferase, Dol:dolichol, DOLK:dolichol kinase, DPM:dolichol-phosphate-mannose synthase, FKTN:fukutin, FKRP:fukutin-related protein, FUT9:α1,3-fucosyltransferase, GalNAc:N-acetylgalactosamine, GALT:β1,4-galactosyltransferase, GlcA:glucuronic acid, GLCAT:β1,3-glucuronyltransferase, GlcNAc:N-acetylglucosamine, GroP:glycerol phosphate, GMPPB:GDP-mannose pyrophosphorylase B, GnT-IX:α1,6-mannosyl-glycoprotein β1,6-N-acetylglucosaminyltransferase IX, HNK-1:human natural killer-1, HNK1ST:HNK-1 sulfotransferase, ISPD:isoprenoid synthase domain-containing protein, LARGE:acetylglucosaminyltransferase-like, LeX: Lewis X, Man:mannose, ManNAc:N-acetylmannosamine, PG:peptidoglycan, POMGNT1:protein O-linked mannose β1,2-N-acetylglucosaminyltransferase 1, POMGNT2:protein O-linked mannose β1,4-N-acetylglucosaminyltransferase 2, POMK:protein O-mannose kinase, POMT:protein O-mannosyltransferase, Rbo:ribitol, Rbo5P:ribitol-5-phosphate, Sia:sialic acid, SIAT:sialyltransferase, Tar:teichoic acid ribitol, TMEM5:transmembrane protein 5, Xyl:xylose.

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図2 ジストロフィン–糖タンパク質複合体

膜貫通タンパク質であるβ-DGを中心に細胞外側にα-DG,細胞内側にジストロフィン(Dys)が結合し,細胞外マトリックスから細胞骨格を連結する軸を形成する(左図).O-Man型糖鎖不全(IIH6エピトープ欠損)によりラミニンに結合できないとα-ジストログリカノパチーとなる(右図).

この発見により「O-Man型糖鎖異常による先天性筋ジストロフィー症」という新しい病態概念の提唱に至った.しかし,質量分析(MS)や核磁気共鳴(NMR)法,X線構造解析など近年の分析技術の著しい進歩により,より高感度・高精度な糖鎖解析が可能となったことで,O-Man型糖鎖には多様な構造が存在することが明らかになってきた2, 4).さらに,筋ジストロフィー症に関わるのは最初に発見した四糖ではなく,これまで報告されたことのない,新しい構造のO-Man型糖鎖であった2, 4, 5).さらに,これまで機能が不明だった福山型先天性筋ジストロフィー症の原因遺伝子産物フクチン(FKTN)がその新規糖鎖を合成する糖転移酵素であることが明らかとなった.本稿では,最近我々が発見したリビトールリン酸(Rbo5P)を含むO-Man型糖鎖の話題を中心に,ついに全容解明されたO-Man型糖鎖の生合成機構について,新たな展開期を迎えつつある最新の状況を紹介したい.

2. O-Man型糖鎖と筋ジストロフィー症

O-Man型糖鎖は,根元のManとGlcNAcの結合により三つのコア構造,GlcNAcβ1-2Man(コアM1),GlcNAcβ1-2(GlcNAcβ1-6)Man(コアM2),GalNAcβ1-3GlcNAcβ1-4Man(コアM3),に分類される(図12, 4).また,Man単糖のみの修飾がカドヘリンファミリーのタンパク質などで報告されており,カドヘリンによる細胞接着への関与が示唆されている6, 7).コアM2はコアM1から派生する分岐型であるので,生合成経路から見ると,GlcNAcβ1-2Manを基本とするコアM1/コアM2とGlcNAcβ1-4Manを基本とするコアM3の二つのグループに分けられる(図1).

筋ジストロフィー症は筋線維の変性や壊死により,進行性の筋萎縮を呈する遺伝性疾患である.O-Man型糖鎖の異常が認められる先天性筋ジストロフィー症はこれまでに18種の原因遺伝子が報告されている(表12, 4).これらの筋ジストロフィー症に共通するO-Man型糖鎖不全は,α-DGの糖鎖異常として検出されることから「α-ジストログリカノパチー」と総称される2, 4).α-ジストログリカノパチーは筋ジストロフィーの症状に加えて,滑脳症や精神遅滞といった中枢神経系の発生障害を伴う特徴がある.α-DGは骨格筋などの細胞表面に存在するジストロフィン–糖タンパク質複合体を構成するタンパク質の一つである(図2).この複合体は細胞外マトリックスと細胞骨格を連結するように働くことで,激しい運動にさらされている筋形質膜の安定化に寄与すると考えられている8).α-DGのO-Man型糖鎖はラミニンなどの細胞外マトリックス分子との相互作用に必要である2, 4)

表1 α-ジストログリカノパチー原因遺伝子と遺伝子産物の機能
略称遺伝子名遺伝子産物の機能
POMT1Protein O-mannosyltransferase 1DPM:protein O-Man transferase
POMT2Protein O-mannosyltransferase 2DPM:protein O-Man transferase
POMGNT1Protein O-mannoseUDP-GlcNAc:O-Man β1,2-GlcNAc transferase
N-acetylglucosaminyltransferase 1
POMGNT2GTDC2Protein O-mannoseUDP-GlcNAc:O-Man β1,4-GlcNAc transferase
N-acetylglucosaminyltransferase 2
B3GALNT2β1,3-N-Acetylgalactosaminyltransferase 2UDP-GallNAc:GlcNAc β1,3-GalNAc transferase
POMKSGK196Protein O-mannose kinaseProtein O-Man kinase
FKTNFukutinCDP-Rbo:GalNAc-3 Rbo5P transferase
FKRPFukutin-related proteinCDP-Rbo:Rbo5P-1 Rbo5P transferase
TMEM5Transmembrane protein 5UDP-Xyl:Rbo5P β1,4-Xyl transferase
B4GNT1β1,4-Glucuronyltransferase 1UDP-GlcNAc:Xyl β1,4-GlcA transferase
LARGELike-GlycosyltransferaseUDP-GlcA:α-Xyl β1,3-GlcA transferase
UDP-Xyl:β-GlcA α1,3-Xyl transferase
DPM1Dolichyl-phosphate mannosyltransferase polypeptide 1, catalytic subunitDol-P-Man synthase
DPM2Dolichyl-phosphate mannosyltransferase polypeptide 2, regulatory subunitDol-P-Man synthase
DPM3Dolichyl-phosphate mannosyltransferase polypeptide 3Dol-P-Man synthase
DOLKDolichol kinaseDol kinase
GMPPBGDP-mannose pyrophosphorylase BGDP-Man pyrophosphorylase
ISPDIsoprenoid synthase domain containingCDP-Rbo synthetase
DAG1Dystroglycan 1α, β-dystroglycan

α-DGの糖鎖にはN型,O-GalNAc型,O-Man型糖鎖が含まれ,特にコアM1糖鎖の修飾が多いことがわかっている1).しかし,ラミニンなどの細胞外マトリックスとの結合に利用されている糖鎖はコアM3糖鎖である.コアM3糖鎖の非還元末端には,グルクロン酸(GlcA)とキシロース(Xyl)の二糖単位(–3GlcAβ1-3Xylα1–)からなる長い繰り返し構造(GlcA/Xylリピート)が伸長している(図1).このGlcA/Xylリピートは別名IIH6エピトープとも呼ばれ,ラミニンとの結合に利用される(図1, 24).α-DGに結合する細胞外マトリックスリガンドにはラミニンのほかに,アグリン,パールカン,ニューレキシン,ピカチュリン,スリットが報告されており,これらのリガンドに共通するLG(laminin globular)ドメインによってIIH6エピトープに結合すると考えられている4, 9–16).ラミニン-α2の結晶構造解析からLG4とLG5ドメインがGlcAβ1-3Xylの二糖を認識することが報告されている17)

3. O-Man転移酵素

O-Man型糖鎖の生合成は小胞体(ER)において二つのO-Man転移酵素,protein O-mannosyltramsferase 1(POMT1)とPOMT2によって開始される18).POMT1とPOMT2はドリコールリン酸Man(Dol-P-Man)からSer/ThrにManを転移する酵素であり,この触媒活性にはPOMT1–POMT2複合体の形成が必要である18, 19).POMT1とPOMT2はそれぞれ7回および9回膜貫通型タンパク質であり,両者ともN末端側から5番目の大きなER内腔側ドメインに触媒活性中心があると予測されている20).触媒活性にヘテロ複合体の形成が必要なことと,POMT1とPOMT2の二つの触媒ドメインの役割についてはいまだ不明であるが,最近酵母のO-Man転移酵素(pmt)との比較で興味深い知見が報告された.酵母のO-Man型糖鎖は複数個のManが直列に結合した糖鎖で細胞壁構造多糖を形成している4).また,ER内ではフォールディング異常を起こしたタンパク質に修飾されており,ERにおける品質管理機構との関与が報告されている4, 21).酵母pmtには6種類のアイソザイム(pmt1-6)が存在し,アミノ酸配列の相同性から三つのサブグループPMT1(pmt1, pmt5),PMT2(pmt2, pmt3, pmt6),PMT4(pmt4)に分けられる22).哺乳類のPOMT1はPMT4, POMT2はPMT2にそれぞれ相同する22).哺乳類POMTの基質特異性はある程度厳密に制御されているのに対して23),酵母ではO-Man型糖鎖は非常に多くみられる一般的な糖鎖修飾であり,PMTの基質特異性はそれほど厳密なものではないと考えらえていた4).最近Baiseweinらは,PMT4が哺乳類POMTとほぼ同じ基質特異性を示し,α-DGにManを転移する活性があることを報告した22).PMT4はPOMT1に相当することから,哺乳類におけるα-DGへのO-Man転移はPOMT1が主に担っている可能性が考えられる.PMT2はPMT4と基質特異性が異なることが報告されていることから22),POMT2とPOMT1も基質特異性が異なり,役割を分担することで,異なるタンパク質のO-Man化などに寄与している可能性が考えられる.また最近,Larsenらによって,POMT1/2の二重欠損株でカドヘリンのO-Man化が消失しないことが報告され,哺乳類においてPOMT1/2と異なる第三のO-Man転移酵素の存在が示唆されている24)

4. Dol-P-Manの生合成

POMT1/2の糖供与体であるDol-P-Manの生合成に関わる酵素群もα-ジストログリカノパチーの原因遺伝子産物として報告されている(表1図125–30).GDP-Man pyrophosphorylase B(GMPPB)とDolichol kinase(DOLK)により生成されたGDP-Manとドリコールリン酸から,Dol-P-Man synthase(DPM)によりDol-P-Manが生成される4).DPMは触媒サブユニットのDPM1と,二つの膜貫通型サブユニットDPM2, DPM3の複合体であり,三つのサブユニットはすべてα-ジストログリカノパチーの原因遺伝子産物である4).Dol-P-ManはO-Man型のみではなく,N型,C-Man型,GPIアンカー型糖鎖の合成にも利用されることから,Dol-P-Manの欠乏は広範囲の糖鎖修飾に影響し,α-ジストログリカノパチーに加えて,I型先天性糖鎖異常症(CDG-I)などの重篤な疾患の原因となる4).しかしながら,GMPPBとDPM3の変異によるα-ジストログリカノパチーにおいてはN型糖鎖の異常が観察されず,O-Man型糖鎖の選択的な合成阻害が認められるケースが報告されている26, 29).こうした選択的な糖鎖異常のメカニズムは不明だが,糖鎖修飾によってDol-P-Manの利用効率が異なる可能性や,Dol-P-Manに対する各酵素のKmが違う可能性などが考えられる.

5. コアM1/コアM2糖鎖

コアM1とコアM2には,最初に発見されたシアリルラクトサミン(Siaα2-3Galβ1-4GlcNAc)のほかに,HNK-1(human natural killer-1, HSO4-3GlcAβ1-3Galβ1-4GlcNAc),LeX[ルイスX, Galβ1-4(Fucα1-3)GlcNAc],ポリラクトサミン[–(3Galβ1-4GlcNAcβ1)n–]など,他のO型糖鎖やN型糖鎖にみられるような多様な末端構造が形成される(図131, 32).コアM1は,ゴルジ体においてPOMGNT1によりGlcNAcがβ1,2結合でManに転移されることで形成される(図13).さらに,GnT-IXによってGlcNAcβ1-2Manにもう一つGlcNAcがβ1,6結合で転移されることで分岐型のコアM2が形成される(図133, 34).GnT-IXのGlcNAc転移にはGlcNAcβ1-2Manが必要であり,Manのみでは基質にならない35).また,GnT-IXの発現は脳に限局していることが報告されており,コアM2もこれまで脳でしか確認されていない33, 34).GnT-IX(別名GnT-Vb)はGnT-V(N型糖鎖におけるGlcNAcβ1-6Man合成酵素)の相同分子である.GnT-VとGnT-Vbのノックアウトマウスの解析から,GnT-Vは主にN型糖鎖のGlcNAcβ1,6結合に寄与しており,GnT-VbはほぼO型糖鎖のGlcNAcβ1,6結合に寄与することが示されている36)

我々を含むいくつかのグループから,コアM1/M2の脳における機能や修飾タンパク質に関する知見が得られている.コアM1/M2は,ホスファカン/受容体型タンパク質チロシンホスファターゼ(RPTPβ)や,CD24,ニューロファシン,レクチカンなどの細胞接着に関わるようなタンパク質における修飾が確認されている37–40).マウスでは脳が形成される胎生後期のホスファカン/RPTPβにおいてHNK-1とLeX構造を持つO-Man型糖鎖の修飾が増加することが示されており31, 32, 37–41),HNK-1欠損マウスでは神経突起の形成や学習・記憶に異常が認められる42, 43).また,RPTPβのコアM2化が脳の脱ミエリン化および再ミエリン化に関わることが報告されている44)

6. コアM3糖鎖

コアM3はPOMT1/2によるO-Man化後,ERにおいてPOMGNT2とB3GALNT2によりGlcNAcとGalNAcが転移され,POMKがManの6位をリン酸化することで,リン酸化コアM3三糖[GalNAcβ1-3GlcNAcβ1-4(phospho-6)Man-]が形成される(図145).POMKによるManのリン酸化にはGalNAcβ1-3GlcNAcβ1-4Manの三糖が必要である46).ところで,GlcNAcβ1-2Manを合成するPOMGNT1はゴルジ局在酵素であるため,ER局在酵素のPOMGNT2がまずGlcNAcβ1-4Manを形成すると考えることができる.このことから,コアM3構造の修飾される部位(修飾タンパク質)の決定には,POMGNT2の基質特異性が大きく寄与しているものと推察される.

POMKによるリン酸化後はゴルジ体に移動し,FKTN, FKRP, TMEM5により二つのRbo5PとXylが転移される(図15, 47).このRbo5Pの発見と生合成機構ついては次節で紹介する.TMEM5により転移されたXylには,B4GAT1によりβ1,4結合でGlcAが転移される(図147, 48).最後に,LARGEのα1,3-Xy転移活性とβ1,3-GlcA転移活性によりXylとGlcAが交互に連続的に転移されGlcA/Xylリピート配列が形成される49)

LARGEの相同タンパク質としてLARGE2が同定されており,LARGEと同じ酵素活性(α1,3-Xy転移活性とβ1,3-GlcA転移活性)が示されている50, 51).しかし,主な発現部位はLARGEが脳,骨格筋,心筋であるのに対してLARGE2は腎臓や精巣であり,これまでLARGE2が原因のα-ジストログリカノパチーは報告されていない50, 51).また最近の報告では,LARGE2はLARGEと基質が異なり,GlcA/Xylリピートをプロテオグリカン上に伸長させることが報告されている52)

7. Rbo5P含有糖鎖の発見と生合成機構の解明

これまでに,コアM3糖鎖はα-DGのO-Man型糖鎖修飾のみで確認されている.そこで,我々は,コアM3構造を有するリコンビナントα-DGを作製し,その糖鎖構造を詳細に解析した.その結果,Glc/Xylリピートとリン酸化コアM3三糖の間に2個のRbo5Pが直列に結合していることを明らかにした(図15)

図3に示すように,α-DG上のGlc/Xylリピートはフッ化水素やホスホジエステラーゼで処理することで消失することから,ホスホジエステル結合を介してコアM3糖鎖に結合していることが示唆されており,ポストリン酸構造と呼ばれていた(図3A, B, C53).実際,Rbo5Pがホスホジエステル結合を形成するため(図3D),この推定は正しかったのだが,ポストリン酸糖鎖は,Manの6位のリン酸基に結合していると想定されていた(図3A).今のところ,Man 6位のリン酸基から伸長した糖鎖構造の報告はなく,このリン酸基の機能は不明である.また,Glc/Xylリピート形成にはLARGEがα-DGに結合することが必要である.LARGEとの結合に必要なアミノ酸を置換した変異α-DGT190MではGlc/Xylリピートが欠失する(図3B5).そこで,フッ化水素処理したα-DGとGlc/Xylリピートが欠失したα-DGT190Mの分子量をMSで比較したところ,約736の分子量の差が認められた.高分解能MS/MSとガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)により分子量736を構成する分子はGlcA-Xyl-Rbo5P-Rbo5Pであることを明らかにした(図3).

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図3 リコンビナントDGの分析によるRbo5Pの検出

(A)分析に使用したリコンビナントDGペプチド.詳細は文献5)を参照.*当初予想されたホスホジエステル結合位置.**確定したホスホジエステル結合位置.(B)DGのT190M変異によりIIH6エピトープが消失したDGペプチドのMS解析.(C)フッ化水素処理によりポストリン酸構造が除去されたDGペプチドのMS解析.(D)BとCのm/z値の差より求めた未解明糖鎖の質量(736)と高分解能MS/MS解析より得られた糖組成.

Rboは五炭糖の糖アルコールであり,哺乳類の糖鎖から見つかったのは初めての例である.一方,多くのグラム陽性細菌では細胞膜のペプチドグリカンの構成成分として,Rbo5Pとグリセロリン酸(GroP)がホスホジエステル結合で連なったタイコ酸が知られている(図154).タイコ酸の生合成経路はすでに明らかにされており,Rbo5Pの転移酵素としてTarKとTarLが同定されている54).また,細菌のRbo5P転移反応に利用される糖供与体はCDP-Rboであり,CDP-Rbo合成酵素としてTarIが同定されている(図154).哺乳類にはTarKとTarLのホモログは存在しないが,TarIはα-ジストログリカノパチー原因遺伝子産物の一つであるISPDに高い相同性を有していた55, 56).そこで,ISPDの酵素活性を調べたところ,TarIと同様にCTPとRbo5PからCTP-Rboを合成する酵素であることが明らかとなった(表1図15).この結果から,ISPD変異によるα-ジストログリカノパチーは,糖供与体CDP-Rboの欠乏によりポストリン酸構造ができないことによるIIH6エピトープの合成不全が原因であることが推測された.実際ISPD欠損細胞へのCDP-Rboの添加でIIH6エピトープが回復することを確認した.

ISPDの機能が同定されたことで,機能未知のα-ジストログリカノパチー原因遺伝子産物はFKTN, FKRP, TMEM5の三つとなった.これらはゴルジ体の糖転移酵素に保存されているDXDモチーフを持つ2型膜タンパク質であったことから糖転移酵素であると予想された4).このうちFKTNとFKRPは,ヌクレオチジルトランスフェラーゼスーパーファミリー(DNAポリメラーゼなどホスホジエステル結合を作る酵素群)との相同性から,Rbo5Pの転移への関与が予想された57–59).そこで,FKTNとFKRPにRbo5P転移活性があるか調べたところ,FKTNとFKRPはCDP-Rboを糖供与体としてRbo5PをコアM3糖鎖に転移する酵素であることが明らかとなった.NMR法による解析から,FKTNは1番目のRbo5PをGalNAcの3位の炭素に転移してRbo5P-3GalNAcを形成し,FKRPは2番目のRbo5Pを1番目のRbo5Pの1位の炭素に転移してRbo5P-1Rbo5Pを形成することが明らかとなった(表1図15).FKTNとFKRPはホモログでありながら,FKTNが1番目のRbo5Pを転移し,FKRPが2番目のRbo5Pを転移する厳密性は明確なものであった.

以上より,結合様式と糖転移酵素が特定されていない構造は“Xyl-Rbo5P”のみとなり,最後に残った機能未知の原因遺伝子産物TMEM5がRbo5PへのXyl転移に関わるか調べた.その結果,TMEM5は2番目のRbo5Pの4位の炭素にβ結合でXylを転移して,Xylβ1-4Rbo5Pを形成する,Xyl転移酵素であることが明らかとなった(図147).また,TMEM5により合成されたXylβ1-4Rbo5PがB4GAT1の基質となり,GlcAβ1-4Xylβ1-4Rbo5Pが形成されることが確認された.LARGEにより伸長される構造は(–3GlcAβ1-3Xylα1–)であることから,GlcA/Xylリピートの開始部分(GlcAβ1-4Xylβ1-4)は結合様式が異なることが判明した.このようにGlcA/Xylリピートに異なる結合様式が使われることの生理的な意義は不明であるが,細胞外マトリックス分子と相互作用する(–3GlcAβ1-3Xylα1–)リピートの修飾部位を厳密に規定するためかもしれない.LARGEはRbo5PおよびXylβ1-4Rbo5Pに対しては直接XylやGlcAを転移できないことから,TMEM5とB4GAT1によるGlcAβ1-4Xylβ1-4Rbo5Pの形成は必須のステップとなる47, 48, 60)

8. POMGNT1によるコアM3糖鎖の修飾

POMGNT1はコアM1糖鎖のGlcNAcβ1-2Manを合成する酵素である.しかしながら,POMGNT1遺伝子の変異を原因とするMEB病では,コアM1糖鎖とは生合成経路が異なるコアM3糖鎖上に形成されるGlcA-Xylリピートが消失する3).そのため,POMGNT1はコアM3糖鎖の合成に何らかの形で関与する可能性が指摘されていた.ヒトPOMGNT1は660アミノ酸からなる2型膜タンパク質であり,N末端側から細胞質ドメイン(1~37),膜貫通ドメイン(38~59),幹ドメイン(60~250),リンカー領域(251~259),触媒ドメイン(300~660)に分けられる61).リコンビナントPOMGNT1の実験から触媒ドメインのみで全長型と同等の酵素活性を発揮できることから,幹ドメインの機能は不明であった62).最近,X線結晶構造解析から,POMGNT1の幹ドメインがO-Man型糖鎖に結合することが明らかとなった61).特に,O-Man型糖鎖上に形成されるGlcNAcβ1-2Man(コアM1)とGalNAcβ1-3GlcNAc(コアM3)に特異的に結合することが示された(図4).詳細な構造解析から,幹ドメインの129Rと179Rが糖結合に重要であることがわかった.これらのアミノ酸をアラニンに置換したところ,R129Aは糖結合能と触媒活性の両方が顕著に減少し,R179Aは糖結合能のみ消失した.さらにPOMGNT1欠損細胞を用いてこれらの変異体によるIIH6エピトープの回復実験を行ったところ,糖結合能を失った変異体R129AとR179Aは触媒活性の有無に関係なくIIH6エピトープを回復させることはできなかった.一方,野生型POMGNT1と触媒ドメインの変異体(W473A/M477A)はIIH6エピトープを回復させた.すなわち,IIH6エピトープの合成には幹ドメインの糖結合能が必要であること示している.POMGNT1はフクチンと複合体を形成することから63),POMGNT1はフクチンの基質となるコアM3構造(GalNAcβ1-3GlcNAcβ1-4Man)に結合することで,フクチンを効率よく基質サイト付近に動員し,コアM3の伸長に寄与していると考えられる(図4).

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図4 X線結晶構造解析より得られたPOMGNT1のドメイン構造とO-Man型糖鎖合成における各ドメインの機能

(A)POMGNT1のドメイン構造.(B)POMGNT1はFKTNと複合体を形成しており,幹ドメインによりコアM3の三糖構造に結合することで,FKTNの動員に寄与していると考えられる.(C)触媒ドメインによるコアM1糖鎖の合成.C:細胞質ドメイン,TM:膜貫通ドメイン,LR:リンカー領域,β2:β1-2結合,β3:β1-3結合,β4:β1-4結合.

9. おわりに

哺乳類のO-Man型糖鎖の発見から約20年を経て,ついにα-ジストログリカノパチーの発症に関わるコアM3糖鎖の構造と生合成機構が解明され(図1),現在までに報告されている18個のα-ジストログリカノパチー原因遺伝子の機能がすべて明らかとなった(表1).O-Man型糖鎖の研究において一つの節目を迎えたことは確かであるが,同時に新たな研究のスタート地点に立ったともいえる.Rbo5Pを含む糖鎖は哺乳類で初めて見つかった構造であるが,Rbo5PがコアM3糖鎖以外の糖鎖修飾で利用される可能性や,Rbo5P糖鎖の生理的意義,Rbo5Pの代謝経路など新たな疑問も生じてきた.また,コアM3糖鎖がいまだにα-DGからしか見つかっていないことやO-Man型糖鎖の多様な構造の機能など,以前からの疑問も解決していない.さらなる課題を解決し,先天性筋ジストロフィー症の病態解明から治療法の開発に貢献していきたい.

引用文献References

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2) Endo, T. (2015) J. Biochem., 157, 1–12.

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58) Brockington, M., Blake, D.J., Prandini, P., Brown, S.C., Torelli, S., Benson, M.A., Ponting, C.P., Estournet, B., Romero, N.B., Mercuri, E., Voit, T., Sewry, C.A., Guicheney, P., & Muntoni, F. (2001) Am. J. Hum. Genet., 69, 1198–1209.

59) Brockington, M., Yuva, Y., Prandini, P., Brown, S.C., Torelli, S., Benson, M.A., Herrmann, R., Anderson, L.V., Bashir, R., Burgunder, J.M., Fallet, S., Romero, N., Fardeau, M., Straub, V., Storey, G., Pollitt, C., Richard, I., Sewry, C.A., Bushby, K., Voit, T., Blake, D.J., & Muntoni, F. (2001) Hum. Mol. Genet., 10, 2851–2859.

60) Willer, T., Inamori, K., Venzke, D., Harvey, C., Morgensen, G., Hara, Y., Beltran Valero de Bernabe, D., Yu, L., Wright, K.M., & Campbell, K.P. (2014) eLife, 3, e03941.

61) Kuwabara, N., Manya, H., Yamada, T., Tateno, H., Kanagawa, M., Kobayashi, K., Akasaka-Manya, K., Hirose, Y., Mizuno, M., Ikeguchi, M., Toda, T., Hirabayashi, J., Senda, T., Endo, T., & Kato, R. (2016) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 113, 9280–9285.

62) Akasaka-Manya, K., Manya, H., Kobayashi, K., Toda, T., & Endo, T. (2004) Biochem. Biophys. Res. Commun., 320, 39–44.

63) Xiong, H., Kobayashi, K., Tachikawa, M., Manya, H., Takeda, S., Chiyonobu, T., Fujikake, N., Wang, F., Nishimoto, A., Morris, G.E., Nagai, Y., Kanagawa, M., Endo, T., & Toda, T. (2006) Biochem. Biophys. Res. Commun., 350, 935–941.

著者紹介Author Profile

萬谷 博(まんや ひろし)

地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究副部長.薬学博士.

略歴

1993年帝京大学大学院薬学研究科修士課程,95年東京大学大学院薬学系研究科研究生,98年(財)東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター研究所)研究員,2009年同主任研究員,13年より現職.

研究テーマと抱負

老化に関わる糖鎖の重要な働きを明らかにしたい.

ウェブサイト

http://www.tmghig.jp/J_TMIG/J_index.html

趣味

家族旅行.

遠藤 玉夫(えんどう たまお)

地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター副所長.薬学博士.

略歴

1982年東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了,同年米国Baylor医科大学博士研究員,84年東京大学医科学研究所助手,94年(財)東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター研究所)室長,2005年部長,12年より現職.

研究テーマと抱負

老化,認知症,神経筋における糖鎖の生物学的意義を明らかにしたい.

ウェブサイト

http://www.tmghig.jp/J_TMIG/J_index.html

趣味

スポーツ観戦.

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