Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 89(5): 613-619 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890613

特集Special Review

Notch受容体上のO結合型糖鎖と先天性疾患O-glycosylation on Notch receptors and congenital diseases

名古屋大学大学院医学系研究科生物化学講座分子細胞化学分野Dept. of Molecular Biochemistry, Nagoya University School of Medicine ◇ 〒466–8550 愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65 ◇ 65 Tsurumai Nagoya, Aichi 466–8550 Japan

発行日:2017年10月25日Published: October 25, 2017
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Notchシグナルは,細胞間相互作用をつかさどるシグナル伝達経路の一つで,細胞の運命決定に重要な役割を持つ.Notchシグナルの破綻は先天性疾患だけではなく,悪性腫瘍の悪性化など多くの疾患に関連することが知られており,Notchシグナルの制御機序を理解することは,我々にとって急務な課題である.ところで,Notch受容体とリガンドとの結合性,あるいは,Notch受容体自身の細胞膜への輸送はO型糖鎖やその糖転移酵素によって制御されていることがわかってきた.生体内の数多くのタンパク質が糖鎖修飾を受けるが,これほど糖鎖によってタンパク質の機能が制御されている分子も珍しい.そこで本稿では,Notch受容体のO型糖鎖によるNotchシグナルの制御機序とその破綻が引き起こす先天性疾患,特に,最近発見された細胞外O-GlcNAc修飾について紹介したい.

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