Online ISSN: 2189-0544 Print ISSN: 0037-1017
公益社団法人日本生化学会 The Japanese Biochemical Society
Journal of Japanese Biochemical Society 89(5): 620-625 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.890620

特集Special Review

NGLY1欠損症NGLY1-deficiency

1順天堂大学大学院難病の診断と治療研究センター糖鎖創薬研究室Division of Glycobiologics, Intractable Disease Research Center, Juntendo University Graduate School of Medicine ◇ 〒113–0033 東京都文京区本郷2–1–1 ◇ 2–1–1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113–0033, Japan

2国立研究開発法人理化学研究所グローバル研究クラスタシステム糖鎖生物学研究グループ糖鎖代謝学研究チームGlycometabolome Team, Systems Glycobiology Research Group, Global Research Cluster, RIKEN ◇ 〒351–0198 埼玉県和光市広沢2–1 ◇ 2–1 Hirosawa, Wako, Saitama 351–0198, Japan

発行日:2017年10月25日Published: October 25, 2017
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タンパク質の代表的な翻訳後修飾の一つである糖鎖修飾は,タンパク質の安定性,正常な構造獲得・機能発現等に大きく寄与しており,タンパク質全体の実に半数以上は糖鎖修飾を受けているとされている.その糖鎖修飾の一つであるN結合型糖鎖修飾についてみてみると,その生合成経路はこれまでの研究からほとんど解明されたといってもよい.一方で,N結合型糖鎖の分解に関しては,現在でも不明な点が多い.本稿では,細胞質でのN結合型糖鎖の分解に寄与する酵素が個体レベルでもたらす異常,その異常がもたらすヒト疾患について最近の知見を紹介する.

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